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私の不思議体験  作者: 玉來
12/13

少年と機甲

この世界では無いどこかの小さい惑星の話


関わろうとしなければ一生関わらずに生きていけるかもしれない世界に平穏に飽きた少年が未来を見て活動し、学び、成長していくお話。



ここは水が豊かなトト村


俺はこの村に住む農家の息子で7人兄弟の末っ子


夢は機甲に乗りこなし金を稼ぎ、村を守り、できればその名を知らないものはいないと言われるほどの英雄になりたい


そして今日も俺の1日が始まる…




この村で日常的に使われてる黄色い機甲。


このロボットは毎日村のみんなのために働く立派なロボットだ


村に導入してから大きく壊れることもなく、淡々と村人達の操作通りに素直に動いてくれる


村唯一の機甲と、その色合いからちびっこの間では英雄的存在。


俺も小さい頃は憧れてたけど…ある日村にくる行商人からユール兄ちゃんが買った雑誌の中の最新の機甲特集を目にしてから俺の中の機甲の価値観が変わった


村で活躍する機甲乗りも悪く無いが、もっと力強くて、カッコいい機甲乗りになりたいと思うようになった


その特集に描かれていた機甲は4足動物の機甲で対人機甲鎮圧専用機らしい。


機甲を使って悪い事を働く奴らを捕まえるための専用機


作業には殆ど使えない代わりに攻撃性に特化させた機甲で村に配備すれば小規模な機甲盗賊程度なら手も出せなくなるほど優れた機甲らしい


そのほかにも旧型機に当たるが様々な前時代的機甲も掲載されていた


でも、その四つ足の機甲がかっこよすぎて俺にはもうコイツしかいないと思った。





しかし…





「やっぱかっこいいだけあって高いよね〜」


「何が?農機具か?」


「ちげーよ。機甲だよ」


「あ〜あの黄色い機甲ですら100万ルラぐらいしてるしな」


「中古だしな」


「中古で100万…」


「大体いつもシンが言ってるその四つ足は新品で億するって話じゃん」


「…」


「しかも軍にしか配備されてないってそこに書いてあるだろ?」


「欲しいんだもん」


「だもん。で手に入るわけないだろ」


「でも今はもう別の新しいのができてるかもしれねーだろ!この雑誌だって買ったのはもう何年も前だし」


「仮に四つ足が旧型としても軍の一般兵に配備されてるだろうしお払い箱になるには致命的な欠陥か新型機の性能に完全に追いつけなくなるかどっちかじゃねーの?」


「頼んでもないえげつない正論ありがとよ」


「一番安い機甲で腕に装置弱するタイプのアシスト機甲だろ?せいぜいそれぐらいで我慢した方が建設的じゃないの?」


「お前ら夢なさすぎ」


「地を歩く俺たちが空を飛ぶ鳥の話してもな」


「さ、夢物語はこの辺にしてそろそろ仕事に戻ろうぜ」


「やることやらないと怒られるしね」


「あーあーもう嫌だなぁ!」


「大体機甲に乗ってるだけで金もらえる仕事なんてロクなもんじゃねーって」ザクッ…


「そうそう。お金はいいかもしれないけど腕前が悪ければ修理代で破産するっていうし」パラパラ


「俺の腕前は知ってるだろ?」


「この村にある黄色い英雄を乗りこなす事を指してるとしたらこの村では一般的レベルとしか言えないと思うよ」パラパラパラ


「あー俺も俺専用の機甲欲しいな〜」


「わかったから口じゃなくて手うごかせよ手、終わらなくても手伝ってやんねーぞ」


「うるせーなー」














「ユール兄」


「お?シンかどうしたんだ?」


「家帰る前に少し寄っただけ」


「そうか…」


「…」


「あれから機甲を買うお金は溜まってるのか?」


「全然。駄賃程度貯めも全然買えないよ」


「そうか…高いもんな…機甲」


「うん…」


「最初は中古のアシスト機甲を買うか、機甲を勉強してジャンク品を買って作るのなんてどうかな?」


「自分で作るの?」


「あぁ、そうさ、お金がないなら自分で作るしかない。この村で生きてる人はみんなそうしてるだろ?」


「それはそうだけど…」


「俺たちには時間はあるんだから、将来のために勉強するのも1つの手だと、俺は思うぞ」


「そうだけど…」














「機甲の勉強か…」


「ユール兄らしい意見だけど…勉強そんなに好きじゃねーし」


「でもユール兄が言うようにここで駄賃程度稼いでても到底機甲なんて手に入らない」


「機甲を整備すると言う意味を含めて、勉強するのもありかもな…」


zzz…




「おかーさーん!いいじゃんかよー行かせてくれよ〜」


「だーめ。何回も言ったでしょう?うちは堅実が売りなの。お兄ちゃん達だって今で家を出て立派な農家になってるんだから!この村で暮らすには農業が一番!」


「でもこの村には機甲が無いからもし襲われでもしたらやられ放題じゃん!」


「機甲なら村長さんのところにあるじゃ無い」


「あんな運搬用のオンボロ機甲で勝てるわけねーじゃん!」


「大体、仕事もできない半人前のアンタが村の外に出てどうやって機甲を手に入れるのさ」


「どうやってって…仕事して…お金貯めて…」


「それなら村で働くのと何も変わりないじゃない」


「それは…」


「ほら、わかったらさっさとオクラの畑に水をやってきて!」


「…」






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