189 Side.ルシファー 2
「おーおー、うじゃうじゃと…、数だけは多いなぁ…」
遠目に見えるだけでも億はありそうだなぁ…。
まぁ我らにとっては端数に等しいが…。
「準備はいいな、アイオーン…」
「……ん…」
我の言葉に頷くアイオーン…。
我らが主殿にしては珍しく、今回はアイオーンの本体を連れてきた…。
我も出会うのは久々だが…、やはりこちらの方が反応があって我好みだな…。
「我らが主殿も、何時でも開始して構わないそうだ…」
「……ん…」
我の言葉を聞くが早いか、アイオーンからすり抜けるように出てきた同位体が次々と軍勢に突撃していく…。
何時見ても素晴らしい…、まさに一人群体というべきか…。
確かに複製天使は我らの中では最弱だが…、こと数に関して言えば我ら中では最多だ…。
我らには足止めにもならないが…、ああいう手合いにはアイオーン一人で事足りる…。
何よりアイオーンはほぼ消費なしで同位体を無限に生み出せるのだからなぁ…。
数の暴力とはまさに複製天使のためにある言葉だな…。
眺めてる合間にも続々と突撃していくアイオーンの同位体を後目に、我も精査を開始する…。
「さてさて…、目的のものは……」
手早く見つかってくれると、我の手間が省けて大変よろしいんだがなぁ…。