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171 血湧き溢れる




遥か深き森の奥に、血の如き紅き泉在り…。



地の底より湧き出でし其れは、あらゆる生命の近寄らぬ禁忌の泉…。



水を求むる動物すら訪れず、木々や草花すら周辺に根付かず…。



遥か昔にその紅き水を口にした者が、血と肉を撒き散らしながら絶命してより人々も寄り付かず…。



其の紅き泉在りし森を人々が禁域としてから、どれほどの時が過ぎたことか…。



かつての惨劇を知らぬ者ばかりになろうとも、犯してはならぬ禁忌として人々の意識に残り続けた…。



故に誰も気づかなかった…。



誰一人として気づかなかった…。



其れに気づいたのは物言わぬ植物のみ…。



徐々に徐々に拡大し、広がり続ける紅き泉…。



気づいた植物達は離れ続ける…。



泉が広がるのと同じ速度で離れ続ける…。



かつては森の一部に過ぎなかった紅き泉が、森の殆どとなるのに大した時間はかからなかった…。



だからこそこの凶事の予兆は、人々に知られることは無く…。



これから顕現する凄惨な地獄も、既に覆せぬ運命として(さだ)められていたのだろう…。




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