166 Side.レイ 2
「すまないな…レイ殿、ライト殿…」
焼け焦げた身体を癒しつつ、ジズが謝罪する…。
「全く…何事かと思ってみれば人騒がせな!」
空中要塞からの救援要請に急ぎ向かってみれば…、ジズが暴れていた…。
とりあえず叩きのめして正気に戻してみれば…、唐突に理性を剥ぎ取られ狂気を塗り込まれたという…。
「はっけんがはやかったおかげでひがいはそんなにないし…、まぁきにしなくていいんじゃない…?」
弟の間延びした言葉に無言で頷く。
ベヒーモスやレヴィアタンも同様の状態らしいが…、テレスとアグニルが対処しているみたいだ…。
これならばクレス様の手を煩わせる前に終わらせることが出来そうだ…。
「とうとう始まるのだな!」
「できればも~すこしのんびりしていたかったなぁ…」
弟の戯けた台詞に無言で後ろ蹴りを喰らわせる。
確かにもう少し準備期間が欲しかったが、始まってしまった以上は最早詮無きことだ…。
今まで以上に忙しくなるだろうが、この惑星の事のみに専念すればいい我ら兄弟はまだましだろう…。
「とりあえず巡回に戻るぞ、愚弟!」
「……あいたたた…、は~い…」
傷の修復に集中しているジズを後目に跳躍して雷化し、弟も私に続き光化して共に飛行する。
ここ以外の場所も虱潰しにせねばな…。