164 Side.テレス 7
「んーー…」
風がきもちーねー…。
世界樹の下なら日光も無害だし…、ここなら誰も来ないし…、のーんびりするにはぴったりだねー。
今日はお姉様もお兄様も暇じゃないしー…、やることも特に無いしー…、呼ばれるまで寝てようかなー…。
おやすみなさーいー………zzz……。
「───~~~~!?!」
……んお…?
「なんか騒がしい───」
ズ ド ン ッ ! !
「───……今のは…」
何かが破壊された音…、まさか城塞都市…?
あれを壊せるのって眷属の中でも上位の───……そういうことか…。
「第一波が来たかー…」
城塞の方を見下ろせば…、ベヒーモスが都市に踏み入ろうとしているのを機械人形達が押し止めているのが見える…。
とは言っても…、戦闘用機械人形ではない彼らでは突破を少しの間防ぐのだけで精一杯…。
「私が行くしかないかー…」
ベヒーモスが狂乱しているということは…、ジズとレヴィアタンも同じ状態だろう…。
元とは言え…、アレの眷属だった三匹だ…。
少なからず大元の影響を受けるのは仕方のないこと…、とは言えお兄様の予定よりも早い…。
予定が早まることもお兄様は予想していたけれど…、お兄様が僅かとはいえ動けない時に来るとは…、面倒事は重なるとは言ってもねぇー…。
「よいしょっとー…」
考えることは一旦放棄し、ベヒーモスに向けて飛び降りる…。
ちょーっと痛いけど…、後でお兄様に治してもらえるしー…、死なないようにするから我慢してねー♪