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159 Side.転移者キョウヤ 2




「貴方達が同行予定の転移者さん達ね…」



 そう言葉を発するのは…、金髪を靡かせる魔性とも言える妖艶さを纏った少女だった…。

 前の僕たちの世界(地球)では、見た目から小学校低学年に間違われそうな背丈だけれど…、此方の世界に来てから変化したゲームでの能力(スキル)───「能力精査(スキャン)」が警鐘を頭痛がするほどに鳴らしている…。


 それはつまり…目の前の少女が…、知覚できないほどの強さを有していることを意味する…。


 以前彼の覇王と邂逅した際も、彼の覇王の側にいた者達の強さを正確に知ることは出来なかった…。

 目の前の少女と同じように頭痛がするほどの警鐘が鳴らされるばかりで…、何一つ情報は解らないまま…。


「自分はキョウヤです…。 そしてこちらがカズマ…、こちらがショウタです…」


 思考を表情に出さないように…、何とか言葉を発する…。

 幸い気づかれた様子は無く───気にも留めていないのだろうけど…、そのまま目的地へと案内される運びとなった…。




   ※ ※ ※




 再び彼の覇王に会うことになり…、いささか緊張している…。

 あの時は周囲の眷属達───目の前を歩く彼女を含む───に気を取られて、彼自体はあまり印象に残っていない…。


 ……だが…、だからこそ恐ろしい…。


 彼には何一つ通じていないのだ…。

 能力(スキル)も…、此方に転生してから培った感覚も…、何もかもが彼に対して機能していない…。

 認識できていないかのように……、視認することは出来ていたが…、正体を捉えることが一切できなかったのだ…。

 周りにいた眷属達は…、手を出してはならない存在だと理解せざるを得ないほどの気配を放っていた…。

 だが彼の覇王は…、云わば未知と言うべきか…。


 何がどうなるのかさっぱり解らない…。

 彼の覇王の存在が何らかのきっかけ(トリガー)になるのかならないのか…。

 予測することが一切できない未来に…、言い知れぬ不安が拭い切れないままでいる…。




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