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147 Side.サテュロス 2
「───────」
「どうだ、サテュロス?」
アポロが逸る気持ちを抑えきれずに訊ねてくる。
僕自身も精度と速度を可能な限り高め、この世界の全てを網羅する。
「───…、数は2…、もたもたしてると増えそうだね…」
「ならば手早く済ませましょう…」
相も変わらず落ち着いた様子のカルロス。
こういうところは見習いたいなぁ……。
「近い方から片付けようぜ」
何時でも構わないとばかりに、アポロは立ち上がる。
カルロスも楽な姿勢から背筋を正し、こちらを見遣る。
僕も立ち上がって二人に声をかける。
「移動しながら探知振動波は続けるから、障害物は任せたよ」
「任されました」
「おう」
二人の返事を聞きつつ、目的地へ向けて跳躍する。
侵食箇所が増える前に片付けられるといいけれど…。