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126 Side.ディサイエン帝国初代皇帝



 …………。


「何なのだ…、ここは…?」


 外洋探索部隊が持ち帰った情報の中に、奇妙なものがあった…。


【我が帝国より遥か北東の方角にて、天高く聳える正体不明の影を確認】


 我が帝国が国として誕生して早30年…。

 漸く外洋へと乗り出せる船を建造し、一先ず周囲の探索を…と思って行かせたが……。

 出発して早々に確認し、警戒しつつも近場の湾岸を探索…。

 ある程度の情報を得てから急ぎ戻ってきたようだが……。


「これほど…壮大な……」


 情報にあった【正体不明の影】……、それを確認するためにこうして自ら来たわけだが……。


「これは……、木……なのか………?」


 そこにあったのは…、巨大という言葉で評してなお足りぬと思えるほど……、それほどの大樹……。

 そしてその大樹を中心として存在する広大な大地……。

 少し外海に出れば遠目にすら確認できたほどなのに…、何故今まで見つからなかったのか……。


 陸地からは決して視認できず…、船で外海へ出て初めて見えてくる影…。

 何らかの力で隠されていると考えたほうが…、余程納得がいく……。


「とにかく…、行ってみるしかないか……」


「しかし陛下…、船員達も疲労しております…。

 暫しここで休息し、それからでもよろしいかと思いますが…」


 船長の言葉に…、ここまで強行軍であったことを思い出す…。


「……そうだな…、我らが大樹に向かっている間の守りも必要だ…。 ……よし…!」


 私は、皆の方に振り返る。


「皆の者聞け! 我らは暫しここで交代で食事をし、休憩を取る!

 そしてその後に、ここの守りと大樹に向かう者の選別を行う!

 選ばれた者は私とともに彼の大樹へと向かう!

 選ばれなかった者は我らが戻るまでここの防衛に努めよ!」


 そして、全員に聞こえるように声を上げる。


「ではこれより食事を取る!

 皆の者、準備せよ!」




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