125 1回目
「もうすぐかしら……」
「また動いたのかい?」
「えぇ…、蹴る回数も増えてきたわ…」
「僕にも聞かせておくれ…」
「いいわよ」
「……あ、蹴ったね…」
「早く抱っこしてみたいわ…」
「楽しみだね…」
「ところであなた…、名前は決まったかしら…?」
「あぁ…、女の子ならアリス、男の子なら───にしようと思うんだ…」
「いい名前ね…、今から楽しみだわ…」
「元気に生まれてきておくれ…」
「私たちの可愛い赤ちゃん…」
※ ※ ※
「これより儀式を執り行う!」
「「「「「おーーーーーーーー!!!」」」」」
「ん゛ーーーーー!! ん゛ん゛ーーーーーーーーーー!!!」
「んぐっ……、……うぅ……」
「ぁー……。 ぁーぁぃーーぅー」
「災いを呼ぶ黒髪の忌み子と、その忌み子を産み落とした邪悪な母体、そしてその忌み子の種たる呪われし者を、これより火葬する!!!」
「「「「「おーーーーーーーー!!!!!」」」」」
「ん゛ーーーーーーーーー!!!!!」
「…………」
「ぁー…。 ぁーぁー、ぃーぁぃーぅー…」
「火をつけよ!!」
「はっ…、……やれ!!」
「ん゛ーーーーーー!!! ん゛ーーーーーーーー!!!!!」
「ん゛ーーーー!! んぐーーーーーー!!!!」
「ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛…」
「もっと火をつけよ!!!」
「はっ!!」
「「「「「忌み子に死を!!! 邪悪な母体に裁きを!!! 呪われし者に天罰を!!!」」」」」
「………(ごめんなさい…あなた…。ごめんね…、クレス…)」
「………(妻よ…息子よ……)」
「ぁ゛ー………」