123 エクスタシスの帰り道
「~~~♪ ~~♪ ~~~~♪」
「上機嫌ね…」
「上機嫌ですね…」
「上機嫌ですな…」
「父上の腕に抱き着いてうらやま……ずるい…」
「言い直す必要なかったんじゃないか…?」
「エクスタシスにはああいうのは殆どなかったもの…。 回廊でくらいは好きにさせてあげなさい」
「私は右腕に……、でも父上の両腕を塞ぐわけにもいかないし…」
「……聞こえてないようですよ…」
「……はぁ…」
後ろで三人が何か言っているようだけれど、今の私は気にしないわぁ♪
久しぶりに我が主様と一緒に歩けるんだもの♥
思えば…、この回廊で我が主様に出会ってから随分と経つわねぇ…。
最近の我が主様は精力的に動いている…。
ついこの間までは眷属達に任せていたのに、最近では我が主様自ら動くことが多くなってきた…。
漸く時が来たということなのかしらね…。
これから忙しくなりそうだし…、今のうちにもっと我が主様とスキンシップしておかなきゃねぇ…♥
「~~~♪ ……ん?」
進む先に…、何か違和感を感じる…。
どうやら何かがこの回廊に墜ちて来ているようね…。
『…どうやら寄り道をする羽目になりそうだな…』
「どうもそうみたいねぇ…」
「…進行方向に空間の歪みを確認…」
「どうも人間が近づいてきているようです、我が主よ…」
「手間のかからない面倒ならばいいのだけど…」
我が主様とのスキンシップもここまでのようねぇ…。
まぁ…、後は帰ってからにしましょうか…。