116 Side.エクスタシス 5
サテュロス君が戻るのはいつ以来だったかしら…。
大分前から我が主様の命令で数多の世界を見て回っていたから……、100年は過ぎてないわよねぇ……自信ないわぁ…。
サテュロス君も久々だろうし…、ここは皆を巻き込んで宴会するのもいいかもねぇ……♥
「と言う訳でぇ…、久しぶりに皆で………っていうのもどうかしらぁ?」
『……………』
「………ねぇ…、おバカピンク…」
「なぁにぃ~アリスちゃん?」
「貴女は私達を迎えにきたはずよね…」
「……そうだったかしらぁ…?」
「…………クレスが迎えにこのあほピンク呼んだと聞いた時点で嫌な予感はしてたけれど…」
「…エクスタシスさん……」
「なぁにぃ~フィロンちゃん?」
「……鍵は…?」
「……………あら?」
「……忘れたのですな…」
「大丈夫よぉ、アグニルちゃん!
私達の回廊を通っていけばいいんだしぃ…」
「あそこは時間の流れが捻じれてる上に、貴方達以外だと迷いやすいと聞いたのだけれど…」
「私と我が主様が居るから大丈夫よぉ!
いざとなれば娘達にも手伝わせるしぃ…♥」
「………」
「………」
「…落ち着きなさい、フィロン、アグニル。
この子のこれは今に始まったことではないでしょう…?」
「それはそうですけど…」
「それはそうですが…」
「……」
「……」
「あぁもう…」
『エクスタシス…』
「なぁに?我が主様♥…ってあら?」
『寄り道は無し、な…』
「ハイワカリマシタ。
デスカラアノ…、頭部粉砕ハ勘弁シテクダサイ…」
頭部に添えられた我が主様の手に力が籠められる前に、素早く返事をする…。
治るとは言っても、痛いものは痛いのである…。
『お前達もじゃれ合ってないで…、帰るぞ…』
「解りました」
「承知しました」
「はいはい」
「それじゃぁ、開けるわよ~♥」