115 Side.グーロ 5
「…それで…、どうする…?」
「………」
……予想通り…、……と言うべきか…。
……支配者の言っていた通りのようだ…。
……となると…、……これからの行動も予定通り…。
「……予定は変わらない……」
……対象を確保するのが…、……支配者から言い渡された私の仕事…。
「んじゃ~、サテュロスも一緒に待とうよ~!」
「えっ?」
……それはひょっとして…、……冗談で言っているのだろうか…。
「いやいやいやいや!?
僕が戦闘苦手なの知ってるよね!?」
「無理じゃあないでしょ~?」
「それはー…、そうだけどぉ…」
……あっさり言い包められてどうするの…。
……はぁ…、……全く…。
「……雌羊は援護だけ…」
「そ~ぉ?」
「……支配者からそう言われてる…」
「それなら仕方ないか~。」
「ほっ…」
……支配者の言だと解れば…、……猫娘も文句は言わない…。
……一度くらいは…、……猫娘と雌羊は一緒に…、……任務をこなしたほうがいいと思うんだけど…。
……支配者が心配性なのは…、……何時ものこと…だね…。
……!
「来た?」
……私が何かを言う前に…、……猫娘は察したようだ…。
……相変わらず感覚は鋭い…。
「……対象が門前広場前まで到達…。
……他の有象無象はリーラに任せて…、……対象をこの部屋まで通させる…」
「よ~やく出番ってところかな~?」
「んじゃぁ玉座の後ろに隠れてるねぇ!」
……そう言う雌羊は…、既に玉座の後ろに隠れている…。
「……玉座よりは前に出て…」
「…はぁい…」
……嫌そうに項垂れながらも…、……とぼとぼと出てきた…。
……普段の任務対象より楽な相手なんだから…、……もう少しやる気を見せてもいいと思うんだけど…。