表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
115/269

114 Side.ギルベルト 2




「これでとりあえずは問題無しかな…」



 目の前に並ぶ10の箱の中を確認し、安堵する。

 箱の中身は、ぎっしりと詰められた宝石の山だ。


 蝙蝠型の使い魔達の助けもあり、不足分の宝石の採集は終わった。

 これで暫くは大丈夫…のはず…。


 ここ(世界樹)で採れる宝石は、その全てが潤沢な魔力を内包している。

 宝石の種類によって異なるが、それぞれが様々な魔動機械の燃料になる。


「これだけあれば、次の期日までは持つはず……といいなぁ……」


 魔動機械の数が多いせいで、燃料となる宝石の消費は早い…。

 それでも一般の品々に比べればとても長持ちだ。

 一番稼動時間が短いものでも、燃料の宝石一つで1年は動いてくれる。


 一番長いもので、燃料を入れ替えた記録すらないものがある…。


 まぁここでは下界の常識を放り捨てたほうが賢明だ…。


 ここに来た時から、僕が今迄下界で培ってきた常識は崩壊し続けている…。

 初めて見るものや異なる世界…、異なる様式に異なる常識…。

 ここ(世界樹)では何もかもが未知だった…。


 あれから大分時が経過したおかげか…、今では大体の事には驚かなくなった。

 昔は事ある毎に驚愕し、悲鳴を上げ、右往左往していたものだ…。

 随分神経が図太くなったと、自分でも思う。


「それにしても、皆何処いったんだ…?」


 辺りを見渡しても蝙蝠型の使い魔達が見当たらない…。

 箱を並べ終えたあたりから姿が見えないけれど、何処へいったのやら……。


「ギルッチギルッチ~!」


 あ、1匹だけ戻ってきた。

 何やら慌てている…。


「他の皆はどうしたんだい?」


「侵入者ガ来タカラ戦闘チゥ~」


「………本当かい…?」


 それは…、不味いな…。

 自慢にもならないけれど僕は眷属達の中でも戦闘力が低い方だ…。

 666の眷属達(ビーストナンバーズ)だけでなく、数多存在する眷属達の中でも最弱と言っていい…。


「これは急いで戻ったほうがよさそうかな…」


「急ゲ急ゲ~、ギルッチ虚弱ナンダカラ~」


「虚弱って程じゃないってば…」


 精々貧弱程度だ…。

 ……自分で言ってて悲しくなってきた……。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ