第2章
レベルは低いです
明日花はマッチングアプリであった女性だった。大学は想像以上に出会いがなかった。だからタイプの女の子でなくてもいいからとマッチングアプリに頼ってみたのだ。そうしたらまるで女優のようだったのだから驚きだ。
僕は早く返信しなきゃ、と思い、「明日どこ行く?」とLINEを送り、「スタバ♡」と返ってきたのでそこに決まった。明日花と付き合い始めてからというもの、大学が終わった後はスタバか僕の家に行くのが習慣になっている。僕の家で遊ぶと言っても全くやましいことなど無く、ただ明日花の話を聞いているだけだった。まあありふれた幸せというやつだろうと不満ではなかった。
そして次の朝が来た。明日花と会えるだけで気持ちが高まっていた。久しぶりの大学の講義は楽しかったが、早く終わってくれないかと思った。
そして午前で全ての講義を終え、明日花と待ち合わせてたスタバへ向かった。電車を使って三十分ほどなのでそこまで遠くなくていい場所だと思った。
しかし、駅に着き電車に乗ろうとした瞬間、いきなり電車から出てきた男と衝突した。僕は思わず、
「痛えなぁ!急に飛び出して来んじゃねーよ!!」
と怒鳴った。しかしその男をみて驚愕した。同じ大学の目黒だった。
「悪い!大夢!急いでんだ!」
と言って走って去っていった。なぜあいつが?と思った。あいつは今日は1日講義だったはずだ。午前の講義をキャンセルするほどの理由があったのだろうか。僕はなにか引っかかりを感じたまま次の電車を待っていた。