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濁った夏
少女みたいな格好のおばさんがおる
しかも歩くのが速い
鹿児島同郷の社長
前から契約してる分
音沙汰なかった
突然の工事
やけに明るい声が路地裏に消える
白っぽい視界の中心
焼け残り水浸しになった額縁
ガラスが割れている
手に取り崩れたその中には
引き攣ったように笑う
幼い私の写真があった
物質が作り出す花火が感情だとしたら、今、私の脳内を彩るのは何色の花火だろうか?
さまざまな光が混ざりすぎて白く膜を張る
照りつける太陽の冷たさに
少女みたいな格好のおばさんのカツカツ
鳥肌を作る
久しぶりの投稿です。解説などは特に無し。台風ですな。




