肉体
隠したつもりの傷を
なぞるのが上手な舌
産毛で唾液を奪い
味蕾で封じこめる
根拠もない自信を言葉にするのは
無知なのか、無知なふりなのか
境界をなぞる氷は
ゆっくりと下腹部を滑る
ホイップの甘さと油膜が
味蕾を覆う未来の日に
こまめな拍動が描く
電子音の軌跡を見守る
空の距離を測ろうとして
校庭に寝そべった君と
空に落ちていく
聞き取れない言葉が漏れて
感情を時間に刻む
君を求める僕は
あの時の温度は
君の視線のブレは
時間と距離に消えた
なにがしたいのか
なにがしたかったのか
肉体を離れると全てが
ぼやけてしまう
言葉にすると離れていく感覚
氷漬けの気持ちだけが
午後に蘇る
#######↓zone-50℃#######
本日、大型電気店でお掃除ロボットを購入。嫁が値切って勝ち取ったロボは現在充電中。これで我が家はオール電化、食洗器、お掃除ロボット、冬は床暖房、夏は冷房、なんというか快適なのです。快適には逆らえない。自力を必要としない生活は快適であり、通勤も歩くことなく車で、パソコンに向かい、自転車も電動アシストであり、遠ければ自動車。快適なのです。
肉体は必要なのか、言葉は必要なのか、そんな青年のような思考も快適に溶ける午後。無償に飲みたくなるのは、ある時嫁を抱こうと決意するのは、ポエムを書こうと思うのは、生命反応というと大げさでしょうか。
肉体の衝突を夢想する、快適なわが家にて。




