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しかたなくゼリー
スプーン・タッチ・ゼリー
鎮没する金属と
滲み出る液体
破壊の痕跡が
層を成して光る
抜き取る音が「ボク」
元には戻れず
致し方なく口に
致し方なく溶けて
滑る赤は液体に
甘みが包む味蕾
ゆっくりと落ちて行く
スプーン・ラブ・リップ
温度を引き連れて
甘い香りが
鼻へと昇るのを
他人事のように過ごす
#######↓ZONE−50℃#######
意識せず書いてたら、二つ目のゼリーポエムができました。何となくゼリーと唇の感触って似てますよね。やった事ない方は、一度平面のゼリーに口づけしてみて下さい。死人と接吻している感覚に陥りますよ。そんなゼリーをボクッと掘り上げる時、少しの背徳感を覚えるのは私だけではないと思います。そして無作為に抉られた断面、ブリブリと層をなし光るそれは、すぐに液体を纏い、平静を装います。
なぜでしょう? それら全てがどうでも良い、味すらも無関心たらしむる脱力感がゼリーにはあると思います。そりゃあカロリーゼロにもなりますわな。
ナタデココは親友。




