光陰ディストリクト
昼と夜とか
昨日と今日とか
過ぎ去った中に幸福があるとか
来たるものに恐怖するとか
今って何時だ?
光陰矢の如し、煙より早く
朝は来る、火花を散らして
時間の区切りに縛られて
老いてゆく身体を見ていく
キリリと深く法令線を描きながら
分解していく
明日を見よう
病室で官能小説を読みながら
気楽に手放していきたい
そのためには執着をなくそう
そのためにはやりたい事やろうーー
ーーこれを書いてるのも、正にそれだ。
時間を区分けする
軛は呪いで
添え木でもある
支えがないと
フニャリととろけちゃうだろ?
プリンのように
だからカラメルにネジを打って
プリンプリンと前に進もう
そうじゃないと
官能小説もおちおち読めないからさ
#######↓ZONE−50℃#######
車を運転していたら、不意にディストリクトという言葉が浮かんで、でも意味が分からなくて、でも光陰矢の如しという言葉と結びついて、このタイトル「光陰ディストリクト」ができました。車を病院につけた時にググると、ディストリクト=district=区分けされた、という意味だと分かりました。土地に対して使う名詞らしく、時間に使うのは本来のものでは無いのですが、そこは辻ポエム、インチキ外語の妙味という事で即採用です。
時間に縛られるなんて奴隷と一緒だ、なんて思考もあるようですが、私は時間という概念が無いと何もせずにプリンのように蕩け続けてしまうでしょう。つまりそれほど脆い精神性だという事でしょうか? なんて事を考えながら病院の待合でこれを書いていたら、コーヒーを買いによった売店に官能小説が売られていました。それを見た瞬間『あゝ、良いなぁ』と店員のセンスにうたれました。そこから見える景色……誰が買うのだろう? 看護婦さんに見つけられた時のせつなさ、それを見逃す優しさ……若い頃の長期入院生活を思い出しました。色々あるんですよ、思春期でしたから。でももしかしたらおじいちゃんが買うのかも知れませんね、そんな老後も有りだなぁ。
光陰矢の如し、煙より早く→ボヤボヤしてたら焼かれちまうぜ! という感覚で書きました。真心ブラザーズの「スピード」という歌詞に「〜光より速く」というのがあるのですが、どうもそれが残っていたようです(←何かどっかで聞いた事のあるフレーズだと思って調べたら出てきました)言葉の記憶というものは侮れません。パクリにならないように気をつけなくちゃ。これはセーフですかね? 時間経過を煙に喩えるとかまた違ったテイストだし……伝わるかは別問題として……早く解説の要らない詩を書きたいです。




