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私は精霊ではありませんよ   作者: lassh-leyline
第一章   空から墜ちてきたものは・・・・
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第五話  商談

ごちゃごちゃして解りにくいかもしれませんそのときは読み飛ばしてもかまいません

第五話 商談


「で、なんでこうなったんだ?」

 ここは村長の家の大広間。


 ほしい物がカレンさんの書いた裁縫道具や小物、ショーで見た装飾品それと見たこともないほど綺麗な紙であることを説明したところ、村長にも話をすると言い出した。説明だけで夕方までかかったけど。

 その足で村長に話しをして翌朝出直すことになった。

 チョロい仕事だと、いたいけな少女を誑かすだけだと思って油断した。

 たぶん村長を証人に立てるつもりだろう。まあ、村長にそれなりの利益を見せればこっちに付いてくれる。

 リックの馬鹿は絵を見たときから興奮して五月蠅いこと五月蠅いこと。

 まあ同郷のよしみだから噛ましてやってもいいだろう。鍛冶屋は必要だからな。


 朝、村長の家まで来ると人だかりがしていた。

「あれ、母ちゃんなんでこんな所に?」

「あら、昨日暗くなってからココナちゃんがみんなの家を回ったのよ。ななちゃんから大事な話があるから、朝になったら村長さんの所に集まってくれって。あんたはまだ寝てると思ったのに、なんでこんなところにいるのよ?」

 聞いて血の気が引いた。そういえば昨日一緒に居たガキはココナの妹だった。あのガキがそこまで頭が回るとは思えん。

 なら、村長の性格まで読んでみんなを証人にする気か?たいしたタマじゃねえか。


 そうこうしてるうちにカレンを連れてななが現れた。


 村長を正面に左におれとリック対するはカレンに抱かれて膝の上に鎮座する少女・・・は?

「おい!いくら何でも馬鹿にしすぎだろなんだその態度は!」

「まあ落ち着きなって、これはあたしが勝手にやってることだから気にすんなよ。」

 恐縮しながら縮こまってるななをよそにへらへらと答えるカレン。

 あれ、カレンてこんなやつだっけ?


 俺の知ってるカレンは親が医者で金持ちなのをいいことに都会に出て変な男に熱を上げたあげく石女として出戻った頭でっかちの根暗女のはずだが。

 確かに頭はいいから近頃は現場監督をしてるって聞いたな。

「で、話し合いの前にななちゃんがみんなに話があるってさ。くっくっく。」

 本当にうれしそうに撫でてるな。しかし何がそんなにうれしいんだろう。

 そして俺は自分の強欲さと愚かさを気づかされた。


「わたしは、ていじ、された、かみと、そうしょく、かんけいの、のうはうを、すべて、この、むらのじゅうにんに、じょうとします。」

 聞いていた皆はそれを理解できなかったんだろう。

 やられた。こいつはお金で動かないやつだ。しかしその大切さを知っている。

「くっくっくっ、つまりはさっき言った紙と飾りで商売してもいいんだってさこの村ぐるみで。で、利益はみんなで分けようってことさね。」

 あんた先に聞かされてたね

「商売って儲かるのかい?変に期待すると大変なことにならないかい?」

「カイルどのくらいを見込んでる?」

「最初の見積もりは70。しかしこれはノウハウだけだ。改めて計算したらこの村だけで二〇〇から三〇〇はかたいか。」

「そのぐらいならやってもいいかもね。出稼ぎに出るときに持って行ってもらえれば足しにはなるか。」

「なにいってんだ、出稼ぎになんか行ってる暇なんかねえよ。村のほとんどの人間が携わらないとこの額はでねえ。それに銀貨じゃねえ金貨だ。」

 沈黙が流れた

「もとに、なるもの、すくない。ふやす、ごねん。どうぐ、したくさんねん。」

「そんなにかかるのかい?」

「すこしづつふやして。」

何もかも御見通しですかこれは。この方について行けば大もうけできるんじゃないか?

「問題は鍛冶屋か。おい、リックお前ンとこの師匠はどうだ、頼めるか?」

「あー、そのことなんだけど、「お前なにやらかした!」「いつかやるとおもってたが」待ってクビじゃないから、逆、逆。独立の許可が下りたの。話の流れからすると、この村で炉を建ててもやっていけそうだね。」

「でかした、さすがワシの息子だ!」「いつかやるとおもってたが」

「まあ場所を決めるのも工事も先だけどね。」

「むかしのかじや、ばしょしってる。なおせる。」

「そうか?じゃあすぐ行ってみよう。」

 

飛び出していく二人


「ところで紙というのは何のことじゃ。」

「ああ、あれはななが字の練習がしたいってその辺にある雑草から作った自作の紙だよ。すりつぶして脱色してもう一回漉き直せば何度でも使える。」

「なるほど。」 

「で、村長に提案だが。」

「解っておる後でまたうちに来るように言っといてくれ。もう誰がなんと言おうとななはこの村の人間じゃ。たとえどこに居ようとな。」


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