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私は精霊ではありませんよ   作者: lassh-leyline
第二章   閉ざされし森の賢者
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第十話   夜明け(今できること)

本来の彼女たちの仕事の一つ、僻地での医療活動および新種の疫病への対応。リアルとは違うかもしれませんが書いてみました。

 


第十話   夜明け(今できること)



 今朝早く早朝勤務に赴くところだったあたしは、道ばたに倒れている翼妖族(有翼人)を見つけた。

 彼等は獣人族よりも妖精族に近いとされています。

 以前から交流のあった近くの部族の少年だったが酷く消耗し、うわごとのように賢者の名を呼ぶ。


 とりあえず詰め所に連れて行き介抱するが様子がおかしい。

 まるで疫病のようでは無いかという話になり、即座に周辺を封鎖の上調べてもらうためにおじいさんを呼びに来た。


 おかげで幸せを感じることが出来ました。もっと浸っていたいけど今はそのときじゃ無かった。ちゃんと仕事のこと思い出したんだからね!


 とうぜん雷が落ちる。勝手に村に運び込むな、人の集まるところに連れて行くな、接触した者が出歩くな、等々。逐一ごもっともです。

 少なくともこれ以上は感染が広がらないように、自分だけで来たつもりだったんっだけど。

 おじいさまを巻き込むのはスルーで。おばあさま(私の中ではもう精霊様と同格です)まで巻き込んでしまう形になったのは不本意ですが。

 そしてお二人なら何とかしてくださると確信しました。




『旦那様、その翼人の村はあそこに見える山の西側、絶壁の中央でよろしいのですね?』

「うむ。横一線に空いている亀裂状の入り口の奥じゃ。」

偵察機(スパイドローン)はあと五分で用意できます。すぐに向かわせますわね。検疫オプション付きの医療用ユニットは後十分で準備できますが、移送に十五分掛かります。後は設置の出来る場所と運搬機(トランスポーター)の着地点の指定をお願いします。広さは10M四方の水平かつ平坦な場所。再搬出を考えないならその限りではありません。』

「村の中央に祭場としていた広場があったはずじゃ。そこを使え。」

「へ、あそこには精霊様の祠が・・・」

「撤去できるならすぐにさせろ!このままだと村中に蔓延するぞ。」


 あの後、お叱りを受けている間に用意したのか、庵の外に浅い瓶のような物がおいてありました。大きさは人族の使う馬車くらい。

 中央に四角い台のような物があってその上にちっちゃなナオ様が乗っています。何あれ?すっごくかわいい。

この体(疑似体験用)は汎用性が高すぎて作業効率が落ちますので、あちら(船外作業用サーボ)をメイン端末とさせてもらいます。』

 台の一部が開き三本指の金属の腕が出てきて腕を振る。ちっちゃなナオ様もこっちに手を振ってる。

 なぜこの夫婦は私の仕事の邪魔ばかりするのでしょう。こんなの耐えられるわけ無いじゃない!

 そっと近寄っていって抱きしめる。

 スカ!

 なんの感触も無くその体をすり抜けていく私の手。え?幻影魔法?あ、当たり前かって、ええ!?魔力がまったく感じられない?

『あらあら、私はリスやウサギさんではありませんよ、ふ、ふ、ふ。では出します。到着まで五分の予定ですわ。』

 いつのまにかじいちゃんも横にいてのぞき込んでいます。

 以前(薄絹すら脱いで丸見え状態)の平然としていたときより、今の方が来る物がある。

 体型が判らないくらい着込んでも更に恥ずかしそうにもじってる、ナオ様の可愛らしくてあどけない姿に二人とも堪らないって表情・・・・今、それどころじゃないのに。

 こんな所で血のつながりを感じて安心感に包まれるのもどうかと・・・あたしってそんなに飢えてたのか・・・・

 手を振るおばあちゃん(人の姿のナオ様)に見送られ飛行魔法の機械?は空へ。朝日とともに・・・


 朝の仕事に起き出してきた村人たちを急かして場所の確保に走る。

「みんな手伝って!精霊様の祠を広場の外まで移動させるの!理由は後から説明しますから、すぐに始めて!」

 訳もわからずに集まった人たちの協力により移動が完了した。


 しばらくすると空から平たい卵のような物が降り立った。

 表面にはいろいろな模様と継ぎ目が見受けられ、複雑そうな機械だと判る。

 その卵が割れ、帯のような足(無限軌道)をした巨大な箱が出てきた。

 

 その箱は真っ白い板により構成されており特徴的な銀色の十字の印が刻まれている。

 その一部が開きそのまま出入り口とその通路に変わる。


 ほぼ同時に詰め所に向かっていたじいさんとナオ様、その他大勢が到着する。

 ナオ様は時々青い光を見回すように浴びせていました。悪い胞子が残ってないか調べているそうです。

 ナオ様の魔法?は一切魔力の反応が無いのに効果は歴然としているので驚くばかりです。他の人は解ってないみたい。

 

 特別製の兜、面体付きと疫病除けの布でくるまれた少年は、そのままはこの中に担ぎ込まれ扉は閉ざされました。

 

 これで一安心。きっとあの二人が何とかしてくれるでしょう。


 守人の頭が説明を受けていたらしく周囲の人を集め事情説明をはじめた。あ、うちのくそ親父も来てる。

 今、二つ気づいたことが。

 詰めていた同僚の格好、髪の毛が逆立って、体のあちこちが焦げてる。ナオ様にあれをされたんだ。あれ、じゃああたしもあんな格好になってた?慌てて見回す。『大丈夫、治しておいたわ。ふ、ふ、ふ。』・・・そらみみ?

 あと一つみなの視線が冷たいを通り越して痛い、やっぱり私のせいかな・・・

次の話はちょっと鬱が入るかも。

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