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私は精霊ではありませんよ   作者: lassh-leyline
第二章   閉ざされし森の賢者
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第九話   夜明け前(予兆)

ちょっと休憩的な話。


いろいろ設定上、説明不足やわかりにくい話になってる部分とかあると思いますが、どれだけ晒して良いか解らないので、具体的にどこが分からないとか聞いてもらえると今後の参考になります。よろしくお願いします。

第九話   夜明け前(予兆)



 翌、早朝夜明け前ーーー



とん、とん、とん。

「おはようございます、おじいさん朝早くすいません。起きていらっしゃいますか?」


 ん?いつの間にやら眠って居ったようじゃ。

 あの声は、ハイリーンか?

 ちょっと枕が高かったようで首がだるいな。

 しかし気持ちいい感じの枕だ。

 起きようと目を開けてぎょっとした。

 目の前に(私の宝)の空色の瞳。おっと(代理)を着けておかんと本体が焼き餅を焼きそうじゃ。

 ここは大人に対応で。

「おはようナオ。もう膝を返してあげないと君が眠れないね。」

 言いつつ膝を揉みながら頭を強くすりつける。ついでに太ももに吸い付く。

『お、おはようご、あ・・・うぅん、はっ、はぁぁぅ、ひ、ひゃめーー!!』

 床で悶絶するナオ。床に転がる行為自体も感度を増長させているみたいじゃ。

 中の物音に気づいた孫娘が扉を開けてのぞき込んだところで固まっていた。

 薄明かりの中で悶えるナオとあちこちをつついてからかっている儂。

 訳がわかるまい。かっ、かっ、かっ。





 

 あ、大変なんだった!あえぎ声と悲鳴に思わず扉を開けてしまったけど、可愛らしく悶えるお姉様に目がいって何もかもが吹き飛んじゃった。

 くそじ・・・・・じゃ無かった。おじいさまに急用があったんだ。

「失礼します。おじいさま大変、ぐひ!!」な、この感覚は電撃魔法?

 威力自体はたいしたことは無いけど、どこから?


『そこから動かないでください。旦那様も近づかないで。』

「む?どうした?」

 額に輝くのは瑠璃の瞳(高機能型多重測定装置)部屋を覆うのは雲のケープ(空間浮遊型ナノマシン)

 いつの間にか戸口にいたお姉様にそっと抱きしめられとろけそうになりました。

 なにこれ、心は怖がってるのに体が近づきたがってる。

 とたんに全身に雷が走る。い、痛、いたたた。しびれる、いたい。やめて、やめて!

 右手のサファイヤの籠手から霧が吹き出し、あたしの全身にくまなく浴びせたところでようやく雲が晴れた。


「な、なにを・・・・」

 恐怖に視線を向けるあたし。すまなそうにほほえむお姉様。

 頭を撫でられまた全身の力が抜けていく。

 この方は本当に精霊さまではないのですか?本当に造られた物(人形)なの?

 本当にあのくそじじいのものなの?


『いきなりごめんなさいね。説明している暇が無かったのよ。あなたは何をしていらしたの?全身に危険生物の胞子を浴びてきたような状態でしたわ。とりあえずイオン効果と殺菌洗浄剤で除洗しましたが、放置していたら危険でしたわよ。思い当たる節、ありますか?』

 その場にへたり込みそうになったあたしをいつの間にか膝の上に座らせ幼子を抱く母のように抱きしめて背中をさする。

『驚いちゃったのね。ごめんなさいね、落ち着いてからで良いからお話ししてね。』

 ああ、懐かしい。お母ちゃんが出て行って以来こんなふうに抱いてくれる人はいなかった。

 そうだ昨日お姉様に抱かれたときに感じた物だ。

 あたしがほしがっていた物だ。女の子が誰も持ってるのに、みんなのは物足りなかったのに。

 そこへ新たに頭を撫でる優しくてそれでいて無骨な手。

「何があったかは解らんが、大事なくてよかった。」

 ゆっくりとそちらを見る。あたしのことを心から心配してくれるおじいちゃん。男も持ってたんだこの感じ、それもお姉様にも負けてない。


 優しいまなざしと心地よい手の動き。父にさえ向けてもらえなかった愛情、そうだこれがそうなんだ。

 

 思わずこちらからおばあちゃん(精霊のナオさまに)に抱きつく。

「落ち着いたなら話してもらえんかの。」

 おじいちゃんがおばあちゃんごとあたしを抱きしめる。

 とたんにおばあちゃんの体が反応するのが解った。本当におじいちゃんのことが好きなんだな。

 まだ初々しい感じだし、もしかしてまだ幼いのかな。だとしたらこの呼び方は失礼かな。

「あ、あのお姉様、・・・おばあちゃんてお呼びしても良いですか?」

『う、ぁん、そ、それは、「ちょっとおじいちゃん、大事な話してるんだから自重してよ。」「おう、すまんのうじゃがこいつが落ち着かんとまともに話をするのは無理じゃな。」はぁ、はぁ、だ、んぁ、く、旦那様の、つ、つ・・その妻、はぅ、として認めてもらえたと言うことかしら、はあ、はあ。』

「もちろんです。こんなくそじじいですがあたしも含めてこれからよろしくお願いします。」「くそじじいは余計じゃ。」

 このさいおじいちゃんはどうでもいいんだ。あたしを癒やして、あたしのことを愛して、私の家族になってくれれば後はなんだって良い。

 いやおじいちゃんも家族なんだって今日初めて感じた。実家の親なんかよりもっと幸せなところを見つけた。

『嬉しい。本当にそう呼んでくれるのね?』

「はい、おばあちゃん。」

 強く抱きしめてくるおばあさま。あたしも力を込める。

『ありが、あ、あが、ああ、あぁぁあぁ!!・・・・・』

 悲鳴とともにさらに力が込められる。だからいたいから。

 じじいお前までしなくて良いし、力の抜けたおばあちゃんと一緒に抱いてるあたしにどや顔するのはきもいから止めい。


 

 おばあちゃんをシーツに横たえるのを見ながら、ーーーおじいちゃんが触るたびになぜか派手に感じまくってる・・・・ちょっと(?)変ーーー今朝起きた事件を説明する。本来そのために来たのになぜか至福の時を得た。



ハイリーンさんは成人の女性です。決して幼女とかではありませんよ、外見も含めて。


彼女は前述の、子作り契約?によって生まれました。村長の娘です。

出産後数年でお母さんは他所の村へ嫁いでいきました。彼は心まで許せる相手ではなかったようです。村長はその後正妻を迎え子供も出来ましたが長子の彼女が次期候補です。

賢者フィリーはいわばよそ者で出戻りのシグラリーデに連れられてこの村に来ました。

もともと資産の少ない彼等に村の援助は無く賢者としての知識により徐々に受けいれてもらったのです。


娘は前村長に請われ息子と子供を作りましたが結婚は蹴った形となりそのため村では気まずい関係となりました。さらに代替わりの後次の長老になるべき村長の母が賢者の存在に自分の地位が危ないと思い彼等に嫌がらせをしますが、所詮田舎のお嬢様には魔王とそれを倒した勇者には気づかれもしません。なので不満は孫のハイリーンと叔父で彼等の息子のタムローンとメルル夫婦に向きます。しかし賢者の息子と孫たちの優秀さの前にかすんでしまいます。村人はかなり趣味がおかしいが問題ない程度のハイリーンとその補佐に付くだろうその叔父、さらに後ろの賢者の存在を心強く思っています。前村長のもくろみ道理。

なのでハイリ-ンは祖父に対して悪印象を植え込まれて育ったのと愛情の薄い人生を送ってきました。

彼女はこれから幸せになってくれると良いですねと作者は祈りますが、それはそのときの状況次第。


本編とは関係ないのでこっちに生い立ちを。

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