表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は精霊ではありませんよ   作者: lassh-leyline
第二章   閉ざされし森の賢者
17/61

第五話   わたしの望み、あなたの願い

またもや支離滅裂かもしれませんがなんとかまとめてみました。

意味が解らないところとかありましたら感想の方にお願いします。

第五話   わたしの望み(未来)、あなたの願い()



 パーン!!

 すがすがしいほどの破裂音。

 ナオさんが扇を近くの木の幹にたたきつけました。

 通常では考えられないほどの音量に周りが静寂に支配されます。

『とりあえず本題に戻りましょう。・・・・フィル、ちょっとここに座ってもらえません?』

 下着を大切そうに胸に抱きながら親父おやじに話しかけるナオ。

 いそいそと座り込む親父。ナオの正面にかぶり付きです。

「いい加減に下着を装備してください。少しは周りにも気を遣ってください。」

 目のやり場に困ります。

 他の装備品により正面以外の視線は防いでますが、ここから(正面側)は大事なところどころかすべてが丸見えです。特に座り込んだ親父は特等席ですよ。

 新手の露出プレイですか?

 ナオさんの表情が心なし曇る。そういえば笑顔以外の表情を出してない。不自然なぐらい。

「ナオさん、そんな不思議そうな顔してないで早く服を着てください。おやじ、臆面も無くガン見するのはやめろ、彼女に失礼だろうが。」

『着け方がわからなくて・・・あなた、着せてくださいませんか?』

「だめじゃー!わしが着けるんじゃ。ぬお、げふっ!」

 慌てて立ち上がった親父がよろけて彼女の方へ倒れかかる。 

 股間にダイブしそうになった顔を正気に戻ったギャラリーの一人が蹴り倒す。

「おじいさま、これ以上の狼藉は守人として鑑過できません。我が一族の誇りを傷つけるおつもりですか?」

 そういえば今年から姪のハイリーンが守人になったんだっけ。

「ハイリーンこの方の着付けを手伝ってあげてくれ。どうやら着衣に関して我らと異なる文化のかたのようだ。」

「はいおじさま、お姉様とりあえずこちらにいらして。」「『ち、』」

 ちょっと離れたところにある木立に向かう異様に嬉しそうなハイリーンと、笑顔(・・)のナオ。






「どういうことだ親父!」

「ふん!見てわからんか?」

 さっきとはうって変わって横柄な物言いをする親父。今更取り繕ってもさっきまでのエロじじいモードの後では白々しいばかりである。

「別に、付き合いたい女性がいるなら俺たちに気を遣う必要は無いんだぞ。親父の気に入るような女性なら間違いは無いとは思っていたんだがなあ・・・。」

 確かにあれでは・・・文化の違いだけでも無い理由がありそうだが親父も思い切ったなあ。

「何をいっとるんじゃ、気付かんかったのか?あれは作り物じゃぞ。」

 は?何を言ってるんだ?まさかホントにぼけたか?

「わしも見るのは初めてじゃが、ナオと名のる魔道師の使うゴーレムか使い魔の一つじゃろうが、ここまで精巧に出来とるとは。」

 ・・・・・親父・・・・・

「恐らく精霊様を模したのじゃろうが外見情報抜きであそこまで再現するとは侮れんのう。」

 あの方は呆けていると知ってて親父を選んでくれるというのか?それとも知らないのか?

「お父さんこれからはみんなで一緒に暮らしましょう。もちろんナオさんも交えて。」

「む?信じておらんのか?そもそもナオの性別すら知らんのじゃぞ?ホントにただの茶飲み友達じゃ。」

 背後で何かが動く気配がして振り向くとナオさんが呆然と佇んで居た。

『気付いていてくださらなかったんですか?わたしは女ですよ、どうしようもないくらい・・・・』

 気まずい空気が流れる。やはりナオさんは本気で親父のことを・・・

 ありゃ、なんでまだ服を着てないんだ?

「いや、まあ、その、すまんかった。わしはもう枯れたようなもんじゃから、わざとそういう話を振ってきとるのかと思っとった。」

『やっぱり生身の女性じゃないと駄目なんですね。わたしのような出来そこな・・・・』

 急にふらついたかと思うと倒れ込むナオ。あわてて二人で支える。

「おい、ハイリーンちょっと来なさい。あれ、どこ行った?」

 鼻の下を伸ばしつつギャラリーに徹していた守人の小僧に問う。

「まだ帰ってきてないよ。その人だけ戻ってきてたんだ。」

「仕方ない、メルルを呼んできてくれないか。畑の方にいると思うから。あと、ああいいまあ急いでいってくれ。」

 とりあえずその場に寝かし、自らの上着をナオさんに掛けてやる親父。

 ああだこうだいってたけど親父もかいがいしくナオさんの世話をしている。母さんの倒れた時もそうだったな。

 親父に任して、ハイリーンを探しに向かう。 

 おっと、その前に周りのギャラリーを追い払っておかないと。


 


 茂みの中気絶しているハイリーンを見つけた。毛布のような物を掛けられていた。

 どうやらナオさんに迫って瞬殺にされたらしい。まあこれに懲りて女性に手を出すのを控えるようになったのは別の話だが。

 



 見直しかけていたお父さんいや親父はまたもやエロじじいモードに戻ったようだ。

 ハイリーンを抱えて戻ってみるとナオさんの体を念入りに調べ(蹂躙)ているところだった。

 思わず胸ぐらを掴みあげてしまったのは仕方ないと思う。

「ちょっとまて、よく見てみろ、今は休眠状態になってるからよくわかると思うがよく出来てるぞ、ほれ。」

 なにを・・・うむ?確かに息をしていない。

 脈をとろうとするがそれらしい物はない。

 なんだ?死んでいるのか?いやたしかに作り物のようだ。どのような仕組みかはわからないがまるで時間が止まっているような感じだ。

 どう見ても人のはずなのに。いや、まるで精霊様のようなのに魂が抜け出てしまったかのように。

 呆然とするわたしを他所に再び観察(陵辱もどき)を始めた親父.


「義父さん何やってるんですか!まさかこの方は精霊様ですか?ま!精霊様になんてことを・・・・}

 メルルの悲鳴に我を取り戻す。

「あなた!何でお止めしなかったんですか!?」

「あ、いやこの方は、あー、人ではなくてな、精霊様でもないらしいんだ、落ち着いて聞いて欲しいんだが・・・」

 メルルに二人で説明(言い訳)をして、なんとかナオが人形のような物だと理解してもらった。

 とりあえずナオは親父の庵に安置することにして、ハイリーンを仕事に戻した。

 親父は急用が出来たと森に分け入っていった。

 ここでようやく着付けの時間。

 妻の視線がいたかった。

 それもこれも親父とナオの悪ふざけのせいだ。何で俺が巻き込まれないといけないんだ。


 



 ナオの館に急いで向かう。

 わしはどうやら思い違いをしていたようじゃ。

 彼女は未知の技術や魔法を研究する上でのパートナーとして優秀でかけがえのない友となっていた。

 もう親友とも呼べるほどの存在。

 しかし彼女ははどうだったんだろう。

 甲斐甲斐しく世話をしてくれ、考察をともに重ね、たまに心のふれあいを求める。

 確かに彼女なりのアプローチをしてきていた。そのときは気付かなかったが。

 時折見せる少し甘えるような物言い、帰り際に見せる妙に明るい挨拶、訪れたときのあかるい声。

 今から思えば、恋する乙女そのままではないか。

 だがわしは答えてやるわけにはいかん。もはや老齢となったわしが受け入れるのは論外だ。

 彼女には悪いが誰かふさわしい相手を探してやらねば。


 わかってはいるが考えただけでもかなりキツい。

 ナオが他の誰かと仲良くなる・・・自分の独占欲がこれほどとは。

 道すがら何度儂の物にしたいと思ったことか。

 そして、結界が無くなって露わになった館---もはや尖塔にしか見えないナオの船の前に着いたときまた自分の間違いに気付いた。

 

 ナオは“船”である。

 たとえ元は普通の人間だったとしても今はその肉体すら存在していないのである。

 恐らく魔力源として魔晶石に融合させたときに肉体は消滅しているだろう。

 つまりナオにとっては肉体は問題では無いということじゃ。つまりは精神的な繋がりを求めておるのじゃろう。

 なら納得できる。

 あのとき、体を持たない彼女にはショックだったのだろう。ゴーレムとの繋がりが途切れるほどの。

 ならば改めて考えてみる。現状を受け入れたとしても問題は無いのでは無いか?

 まったく肉欲が無いとはいわないがもはやそういう関係は必要ないだろう。

 心の繋がりがどうのこうの以前に誰にも渡したくない。ただの茶飲み友達だとしても他の誰にもこの場所は譲るつもりは無い。

 確かに儂の方が先に死ぬだろうからいずれは明け渡すとしても今は儂の場所じゃ。

 もはや何を迷う必要がある。


 ナオは儂がもらう。たとえ本人が嫌だと言ってもな。


 かっ、かっ、かっ、かっ、かっ、かっ・・・・・・嫌われとうはないのう・・・・


 

 

出来れば女性の方とかに恋愛観等についての意見を伺いたいのですが。

想像だけで書いてますので何かおかしい反応や表現とかあれば指摘してください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ