第四話 シキとムメイと発見殺しと
発見殺しはサーチアンドデストロイです
四話目で~~~~蝶!ひどい!
___________四階廊下
「往くぞ、目を瞑れば見えぬぞ、刮目して見よ!」
「「「ぎゃぁああああああああっ!!」」」
「まだまだ!」
「「「「うわぁああああああああ!!!」」」」
「そぉれ、逃げ腰の奴から狙うぞ!」
「「「「「冥土の婆ちゃん!念仏教えて!」」」」」
「やっぱり向かってくる奴からだな」
「「「いやぁああああああ!」」」
廊下に何人も叩きつけられる勇者
それをするのは全国一位の美男子
長い茶髪の混じった髪をなびかせて、木刀を片手に演舞のように舞う
動きにくそうに見えて実は運動用に学校が改造した制服を着こみ、彼は有象無象を吹っ飛ばす
雑魚いな…こいつら。
「おい、たわけが」
「秘剣!義理立て無用!」
「「「「なんだその名前は!?(ドシュ!)ぎゃぁああああああ!!!」」」」
「おい!たわけ!俺を無視するなどどの脳みそが命じている!」
蒼髪蒼眼短髪傲岸不遜唯我独尊王が騒ぐが勝手知ったるなんとやら、光り輝く木刀を手に力を抜いて振る
「秘剣!エクスキャリバー!!」
「「「「「カッコイイ!!(ブンッ!)って空振りかよ!」」」」」
「とみせかけて」
「「「「「(ズバッシュ!)胴体真っ二つ!!」」」」」
うわぁーーー、と倒れる奴を足蹴にして傲岸不遜唯我独尊金光金光成金社長が軍勢を割って出てくるが知らぬ仏がなんとやら、華麗に無視をする、が、
「ええい!たわけ!俺を無視するな!!(ヒュッ!)」
「む?」
意外に鋭い剣筋を脅威と感じたのか、背中を床に打ち付けるように避ける
「ほう…お主が佐々木小次郎か」
けれど制服が切られていた。
敵の武装を見ると朱に塗られた木刀一つ。
破れているならまだ分かる、
だが、、
「そうだ、ようやく反応したな、このたわけ。」
「この切断面からかなりの強者と見る…一手合わせてもらえるか?」
賢人は木刀についた血を振り払い右手で水平に構え、鷹のような目で金色で所々を装飾した制服を着込む佐々木小次郎を睨む。
「ふん、この俺に挑むか…全国中学校剣道大会一位の俺にか」
それに対峙するは、
「ほう…それはまた…では、こっちも言わせてもらうか
全世界各国剣道大会優勝、武藤賢人だ。」
剣を極めし男
その名を言えば武人は涙する
その名を呼べば武人も黙る
その名を思えば武人は死ぬ
その名に対峙すれば武人も震え出す
武藤賢人
通称剣人の前に愚かな武人が躍り出た
既に、勝敗は決していた。
けれど、
「それがどうした。たわけ。俺の相手が誰であろうと関係ない、俺が戦うのは勝利が決定している時だけだ。」
そう言って佐々木小次郎は震える右足を一歩前に出す。
「名前如きで俺を威圧できるとでも?考えが甘いぞ!!」
小次郎は尚も歩む
剣を取り、敵の首を取るために
「それは失礼したな。では、武藤剣人、推して参る。」
それを見て諦めたのだろう、賢人は名乗る
高らかに、吼えるように
「佐々木小次郎、勝つために、剣を取る!」
左足の蹴りは同時
右足の踏み込み、コンクリートを砕く瞬間も同じ
左手の振り下ろし木刀と木刀が鍔迫るのも同時
けれど威力は桁違いであった
________二階階段前
ペキっとコンクリートから手を引きぬく男とも女とも見える人形
二三回手を握ったり開いたりして、黒い人形はその口から滑らかな声を発した
「おかしいわね、確かに此処から死鬼の反応があったんだけど。」
驚愕した、あの怪力が、どうやら女性である、しかも声の質から20代前半と思われる人によって成された現実に
そして余計にこの人に対する警戒心が上昇する
「誰だお前…とりあえず、俺の知り合いにはお前みたいな奴は居ないぞ。」
………いや、│武藤や不動は《あいつら》別だな。
「失礼ね、女性に対してお前って…ごめんなさい、怪しい者じゃないわ」
そう言うとフルフェイスのヘルメットを取るような動作で自分の頭を掴み、あげる。
するとヘルメットらしきものが消失し、そこからは
純粋に、宇宙に輝く銀色の長い髪が、美しい顔が顕になる。
驚愕は二度目であった。
その顔、その髪。
「お前…夢の時の人か?」
俺は目の前の人物に話しかける。
勿論、その時に俺は制服の裏に隠した護身用ナイフを取り出す…だって怖いんだ、しょうが無いだろ。
「ええ、やっぱり、覚えていたのね。説明…欲しいかしら」
「ああ、もらおうか」
実際、こいつが何を考えてるかは俺も知らないし、こいつの正体も知らない
情報がない戦いほど難しい物はない、殺り合う可能性も無いわけではないし、説明を求めるとしよう。時間稼ぎではないぞ。
「まず、夢の人…それは誤解だわ。
あれは現実よ、貴方は一回殺された。私の手によって」
………?
「なら、なんで俺は生きてるんだ。死んだ奴は動かないだろ」
「ええ、私も誤解で殺した人を見捨てはしない。あなたを強引に生き返らせた。
心臓を抜き取り、その上で擬似的な心臓を重ねた上で治療し、元の心臓を移植したの」
いやいやいや、それはないだろ。うん、なにその現代医術を無視した超常は…
「そうか、んで襲った理由を教えろ」
全くもって理解出来ないが…話を続けさせる。
そう、促したが、彼女は口を開かない。
「どうしたんだ?」
一歩、間合いに入る。あと三歩で多分殺せる間合いだ。頑張ろう!
「いいえ、貴方を殺した時も、今も、貴方から死鬼らしき物を感じて私は貴方を襲った…前回はもう微妙なものだったけど、今回は違う」
じゃりっと彼女の方も一歩詰めてきた。にしても、彼女は何を言ってるんだか、変人から逃げるべきだ。
大体、さっきの話的にこいつは胡散臭い、シキってなんだよ、棒を振るうあの人か、おい。
ともかく、俺は逃げる準備万端で、話を聞くことにした
「貴方…死鬼?」
まぁ、それが間違いだったのは誰の目から見ても明白だったんだが。