満員
俺は死んだら確実に地獄行きだろう。とにかく今まで悪事を繰り返して来た。ガキの頃はイジメやイタズラをしょっちゅうやってたし、大人になっても警察のやっかいになることばかりだ。流石に殺人はしたことはないが…。
そんな俺が死んでしまうらしい。横断歩道を歩いていたらトラックに跳ねられてしまったらしい。勿論、即死だ。
三途の川を渡ると、白衣を来た男が居た。
「こんにちは。私は死者のその後の処遇を通達ないし案内する者です。残念ながらあなたはついさっき、暴走トラックに跳ねられてお亡くなりになられました。さて死者は天国か地獄かどちらかで暮らしてもらいます」
俺は諦めたように尋ねる「やっぱり、天国と地獄ってのはあるのか。分かってる。俺は地獄行きだろう?」
「あ、いえ、本来あなたの人生なら地獄行きの予定なのですが、つい最近地獄の基準が変わりましてね。相当重い罪を犯さない限り地獄には行けなくなりました。何せ地獄に堕ちる死者が増えすぎで…。あ、地獄行きではないのであなたは天国行きとなります。運が良かったですね…」