心臓の鼓動
心臓の鼓動が鳴った。
バクバクと。
終わりはもう近づいている。
夢を追いかけ、ないがしろにした、体に遂に天はムチを与えた。
気づいたんだ。
これ以上頑張っても無駄だって。
ガムシャラに頑張った。仕事もプライベートも。
誰も見てなくても頑張った。
むしろ、人から嫌われて行っても頑張った。
あっ、倒れた。
まるで、世界一高い建物があっけなく、爆弾で壊された時のような破壊力で。
建てる時は何年もかかった。だが倒れるのは一瞬だった。
心臓が何か言ってる。
お前は頑張り過ぎた。と思っているだろう。
だが、頑張っていたのは本当にお前だけか??
職場にもプライベートにも仲間は居なかったのか。
本当に居なかったというのか。
なら君に伝えよう。
我々も仲間だと。
我々とはつまり、体の中の一部達である。
心臓、肝臓、腎臓、目、脳みそ、舌。
君は外ばかりみて、内側の我々を見ようとしなかった。
我々は友情で繋がっていると、信じ、君と一体で頑張ってきた。
それももう終わりかけている。
我々が信じた君は外の世界に取り込まれてしまった。
外の世界が好き。内側の世界は考えない。
こんなに外の世界で頑張っているのにと嘘ぶくが、内側の世界の我々はそれ以上の努力で全身全霊捧げてきたのだ。
君が気づいた時には、我々はもう終わりに近づいている。
頼むから気付いてくれ。
そんな目で見ないでくれ。
きっと外側の世界の仲間も君の内側がみえていないだけさ。
今の君と同じさ。
君が気づいた時、もっと、我々と一緒に戦おうと決めた時。
きっと最後の時まで、花開く。
終わりにしよう。
気付かないフリは。
心臓の鼓動に気づいてたんだろ。
でも、知りたくなかったんだろう。
仲間がどんな状態で、頑張っているのかを。
悪いって分かって思ってたんだろう。
これからさ。
これからさ。
君の体の内側はきっと良くなる。
そしたら、きっと、君の外側の世界も花開く。