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異世界龍人記  作者: Aoi
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8話 盗賊掃討

あれからしばらく時間が経ち辺りはすっかり暗くなり月明かりが地面をかすかに照らす

その中を颯爽と駆け抜ける。僕は二度目の偵察に来ていた

一度目偵察した場所をもう一度確認してから今度は範囲を広げて探索する

盗賊が見つからないのが一番いい。夜明け前に洞窟を出てディグリアを目指そう

見つけた場合はこっそりステータスを確認して様子を見よう


川沿いに到着し木の上から辺りを確認する

前回と変わった様子もなくここにはまだ来ていないようだ

そこから更に奥へと進んでいく

奥の森は一層と生い茂っていて人が入って進むには骨が折れそうだ

ここにも人が歩いたような形跡はない


そう思った次の瞬間、右の方からなにやら物音が聞こえた

木の上から物音をたてないよう音がした方へと静かに移動する。するととそこにはアイシャが話していた奴らの特徴によく似ている集団を見つけた


(あれがアイシャが言っていた盗賊達かな?人数や特徴も一致。あれが恐らく奴隷商人だろうな。牢馬車は・・・あった!確定だな)


牢馬車も確認でき、この集団がアイシャが言っていた連中というのが明らかになった

この暗い森の中、松明を持ってアイシャ探しを続行しているようだ

こちらには気づいた様子はない。今のうちにステータスの確認をしておこう

龍の眼を使い全員のステータスを覗き見る。全員ステータスを確認し終わると予想外の結果だった


(全員が僕と同じかそれ以上のレベルなのにステータスが大体僕の三分の一くらいしかないな・・・人間と龍人で種族の違いが大きいのかな)


一番まともなステータスだった魔法使いも半分くらいだった

油断しなければ全員相手しても問題なさそうだ

それにしてもあの程度の実力でこの森の魔物の相手はなんとかなるものだろうか

アイシャは両親や村の皆を失い落胆していて気力がなかったから簡単に捕らえられることが出来たんだろう


慎重に近づいてまずは魔法使いと弓使いを奇襲で無力化して近接戦に集中できるようにしよう

前衛4人の武器は太刀が2人にメイスとダガー持ちが1人ずつか

鉄や石といった普通の武器のようだ。これなら龍爪で十分対応できる

盗賊の装備を確認していたら奴隷商人が話し始めた


「おい!ちゃんと見つけられるんだろうな!もし見つからなかったらお前らの報酬もなしだからな!」


「おいおい勘弁してくれよ。大体あんたが魔封錠をかけなかったのが原因だろ」


「うるさい!とにかく一刻も早く見つけろ!もう一日経ってるんだ。街にでもいかれたらそれこそ厄介だぞ 夜通し探せ!」


なんだかいかにもって感じな奴だな。さっさと終わらせてアイシャの元に戻ろう

木の枝のしなりを活かして矢のように放たれ、魔法使いの元に一直線で飛びこんで喉元にラリアットをかます


「グェッ!?」


変な声を出した魔法使いはそのまま吹っ飛ばされ後方の木に叩きつけられる。どうやら気絶したようだ

あともう1、2発追撃する予定だったが一撃で倒れてくれたのはツイてる

次は弓使いだ


「なんだ!?何が起こった!」


相手はまだ何が起こったのか理解できていないようだ

暗い夜の中突然人が消えて驚いてるのだろう

こちらは夜目がきくし松明が目印になって狙いやすい

戦闘態勢に入る前に弓使いを倒しておきたい


間髪入れずに2人目を攻撃する

襲撃されたとようやく気づいたらしく武器を構え始めているが、その間にこちらは弓使いとの距離を詰める

弓使いがこちらに気づいて応戦しようと振り向いた時には既に遅く、相手の腹に蹴りを入れて弓使いも吹き飛ばす

気絶はしていないようだが蹴った時にバキッという音がしたので恐らく肋骨が何本かいったのだろう、起き上がれないままうずくまっている


「誰だてめぇ!お前ら囲め!殺るぞ!」


残った盗賊4人が四方を囲みこちらに攻撃を仕掛けてくる

が、鈍い動きでどこから攻撃してきても避けるのは容易かった


「なんだこいつ。全然当たらねぇぞ!」


自分達の攻撃が当たらなくて焦ったのか4人まとめて攻撃を繰り出してきた

それを跳躍で躱して上空から反撃を仕掛ける


「これでどうだ。震脚!」


上空からの震脚で地割れを起こし相手のバランスを崩して膝をつく

その隙を突いてメイス持ちと太刀持ちの2人を無力化する


残り2人。2人無力化する間にもう1人の太刀持ちとダガー持ちが態勢を立て直す


「くそっ!おい!一旦逃げるぞ!」


自分達との実力差を悟って森の奥へと逃げ込もうとする2人

先程から指示を出してるあいつがリーダーなのだろうか

逃げられてあとで仲間でも呼んで報復でもされたら面倒だ。ここでちゃんと捕まえて衛兵に突き出した方がいいだろう


前方の一番大きい木に狙いを定め飛爪斬を放つ

根本部分を抉られ倒れた木が逃げ道を塞ぎ、盗賊の退路を断つ


「これで終わりだ。大人しく武器捨てて投降しろ」


「ちくしょう!やるしかねぇ!いくぞ!」


逃げることもできないと悟ったのか、こちらに突っ込んでくる。

さっきの戦いで勝てないって分かって逃げたんだから大人しく降参してくれればいいのに・・・


ヤケクソの攻撃が当たるはずもなく軽くいなして相手の鳩尾に拳を撃ち込む

ダガー持ちの男はたまらず嘔吐しその場に倒れる。残すはリーダー格の男のみ


剣さばきは他の奴らよりはマシだがそもそもの能力差があるのでどっこいどっこいといったところだった

頭上に振り上げた太刀をこちらに目掛けて振り下ろしてきた。そのタイミングに合わせて太刀目掛けて拳を突き出す

龍爪と衝突した太刀の先端部分はバキンという音をたてて地面に突き刺さる

唖然としている男の顎にアッパーを入れて沈める。これで無事6人全員無力化し終えた


「ヒィィ!!なんでこんな所に龍人がいるんだ!」


戦闘の一部始終を見ていた奴隷商人がこちらを見ながらそう言った

逃げる時間はあったはずだが腰を抜かしてしまったのか、最初いた場所に座り込んでいた

奴隷商人を牢に半ば無理矢理誘導し収容する

それから無力化した盗賊達も装備を全て外して、馬車に詰んであった縄で縛り牢に入れていく


魔法使いには商人と盗賊が話していた魔封錠とやらをかけておく

他の奴らにも念の為つけておきたかったが1つしかなかった

盗賊等はいまだに伸びていたので商人に話を聞く


「インビジブル・サーペントをアイシャ・・・妖狐種の村に誘導させたのはお前らか?」


戦った感じからして村一つ壊滅させるような魔物をどうこうするなんてこの連中には難しいだろうとは思ったが念の為聞いておくことにした


「だったらなんだ。あんたは関係ないんだから言う必要ないだろ」


牢に入れられもう危害は加えられないとでも思っているのか商人はふてぶてしい態度で答える

どうやらこいつらが関わってるのは間違いないようだ。予想外だったが話を続ける


「関係あるんだよ。こっちは仲間が辛い目にあってるんだ 答えないって言うんだったら喉元を掻き切る」


爪を商人の喉元に突き立てる。先端が喉元に食い込み流血する


「ヒッ・・・!あんたあいつの仲間だったのか。こ、これだ。これでインビジブル・サーペントを誘導させたんだ」


簡単な脅しであっさりと話してくれた商人が手に水晶のようなものを掴んでこちらに渡してきた


「これは?」


「操魔の宝珠だ。これで奴を操っていたんだ」


眼を使い確認する。操魔の宝珠とは上級までの魔物を操る事ができる代物らしい

使用者によっては細かい命令を出すことも出来るようだ

この連中では目的地まで誘導させる程度しか出来ないみたいだが、それでも効果は十分だったみたいだ


「これをどこで手に入れた?」


「以前商人仲間から罪を犯して奴隷になった貴族がこれを持ってたみたいでな。奪ったというからそれを買ったんだ。以前あの村の近くを通った時にあの希少種の狐を見かけた事があって今回の事を思いついて実行したんだ」


こいつらはそんな理由でアイシャの両親や村の皆を殺したというのか

この世界に来てまだ間もないが出会った人達は皆いい人達だった

どの世界にだって悪人は勿論いるだろうがここまでのクズに初っ端から出会うとは思ってもいなかった

商人が続ける


「あれは希少な上に顔もいいから相当な値がつく。オークションに出せば金貨数千枚はいくだろうな」


聞いていない事までペラペラと話し始めた。これ以上話しても不快なだけだ


「もういい。お前も寝てろ」


商人の顔を素手で殴り気絶させる

生かしておく必要はないかもしれないが流石に人を殺める度胸はまだなかった


ディグリアまで連行して衛兵にでも突き出そうと考えた。辺りはうっすらと明るくなり始めていた


「さて、これで片付いたしアイシャの元に戻ろう」


きっと目を覚まして待っているだろう。彼女に報告をしてディグリアへと向かおう

明日19時に続き投稿します

読んでいただけると嬉しいです

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