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異世界龍人記  作者: Aoi
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62話 新たな試み

秘孔拳を混じえての打ち合いが始まった

オルフェウスさんには始めに構えを指南してもらっただけであとはひたすら実戦形式で体感して技を盗めという感じだった

秘孔拳を使うにはまず相手の急所を見つけなくてはならない

急所は人によってそれぞれ違い、それを見つけ出すにはまず"魔力感知"を習得しなければならない

魔力が他より多く流ている場所、そこが急所でありそこを突くことによって相手の動きを鈍らせる事ができる


魔力感知を使うには相手に意識を集中させなくてはならない

感覚的には龍玉の力を使う時と同じ感覚なので思ったより早く習得出来るかもしれない

しかし魔力感知と龍玉。同時使用出来ればより強力な技になるだろうが、相手と自分両方に意識を集中させなくてはならないのは至難の技だ

それに加えて打ち合いもしなくてはならないので現時点では土台無理な話だった

なのでまずは魔力感知と体術の習得に集中し、それから龍玉との同時使用を試みることにした


「ほれほれ、腰が浮いてきておるぞ。しっかり落として構えんか」


「は、はいっ!」


オルフェウスさんとの打ち合いは以前とは比べ物にならない程過激なものとなっていっていた

始めたばかりは僕の攻撃をいなす感じだったが、今は僕の急所を狙って確実に倒しに来てる

やはり最初の打ち合いは相当加減されていたようだ

これでもまだ本気は出していないようだから追いつくにはまだまだ先は長い


「リュウヤくーん。そろそろ休憩にしませんかー?」


入口の方からアイシャがこちらに向かって手を振っているのが見えた

もうそんな時間か。この特訓を始めてからというもの、常に集中しているからか時間があっという間に過ぎていく

呼びかけに答える為こちらも手を振る


「分かったー今そっちにいくよー!」


「隙ありぃ!」


「ぐへぇ!」


一瞬目を離した隙に急接近され思い切りアイシャの元まで吹っ飛ばされる


「敵が目の前にいるのに目を離すやつが何処におる馬鹿者」


「す、すみません・・・」


「ごめんなさい。私が声をかけちゃったから」


「いや、大丈夫だよ。休憩にしようか」


痛覚耐性のお陰でそこまでの痛みはない

けどダメージは蓄積されてるので立ち上がるのに足が生まれたての子鹿の様になっていた

訓練場と訓練場の間に挟まれている休憩所へと行くと既にシロエとクロエ、ロザリアさん達も集まっていた


「久しぶりに朝厨房をお借りしてお弁当を作りました。腕が鈍ってしまうのでたまにはと思いまして。それと今日はシロエちゃんとクロエちゃんにも手伝ってもらったんですよ」


「えっ!?シロエはともかくクロエも?」


「えっ!とはなんだ。2人で暮らしていた頃は切る焼くなんかの役目は姉さんだったが味付けは私が担当だったんだぞ」


意外・・・とも言えないか?

普段からあれだけ食べていれば味覚が鍛えられても不思議ではないかも

そういえば朝起きたら皆いなかったけどこの為だったのか

たまに朝風呂に行ってたりしてたからてっきり今日もそうなのかと思っていたけど昼食を用意してくれていたなんて


「そっか。3人共ありがとうね。それじゃあ頂きます」


「皆さんも良ければどうぞ」


「私達も頂いちゃっていいの?」


「はい、人数分あるので」


テーブルに人数分のお弁当を渡していき一斉に食べ始める

それを固唾を呑んで見守る3人


「うん!凄く美味しいよ」


「こりゃいいな!酒の肴にも合いそうだ」


「あんたはそればっかりね。でも本当に美味しいわ」


「ほ、ほっとする味ね・・・」


ロザリアさん達からも大変好評なようだ

シロエやクロエは他人に料理を振る舞うなんて初めてだっだろう

皆から絶賛されて3人で手を合わせて喜んでいる

実際お世辞抜きに美味しい。宮殿で出る料理も豪華で美味しいけどやっぱりこういう家庭的な味の方が僕には合ってるなぁ


「これだけ料理が出来れば将来いい嫁になるじゃろうな」


「そ、そんなお嫁さんなんてまだ早いですよ」


オルフェウスさんの言葉にアイシャが頬を染めながらこちらをチラチラと見つめてくる

流石にまだ付き合ってすらいないのに結婚云々は早すぎる・・・

それより僕の気持ちをそろそろしっかり伝えた方がいいよな

ここ最近のアイシャの行動からして恋愛経験皆無の僕でも分かる

よし、この特訓が終わってしっかり強くなったその時に気持ちを伝えよう!

心の中で決心し再び箸を動かす


「うん、本当に美味しい」


「ほれならいふられもたへられるな!」


「飲みこんでから喋りなさいよ」


朝からずっとお弁当を我慢していたのかいつもよりがっつき具合が凄まじい

自分も手伝った分美味しさもひとしおだろう


お弁当を食べ終え満たされたお腹を(さす)

これで午後からの特訓も頑張れるぞ


「ではそろそろ儂等は再開するかの。行くぞリュウヤよ」


「あ、はい!」


「よし俺等もいくぞちっこいの!」


「ちっこい言うな!いい加減名前で呼べ!」


僕とクロエのメンバーは訓練場へと戻って特訓を再開した

アイシャとシロエのメンバーはもう少し休んでから始めるようだ


「私達は食後のデザートでも食べましょ。この前有名な菓子店で買ってきたの」


「わぁ、美味しそうですね」


「頂きます」


後ろから楽しそうな声が聞こえてくる

混ざりたいところだが先程決心したばかりでそんな半端な事は出来ない

僕は勢いよく駆け出し訓練場へと向かった


「オルフェウスさん、始めましょう!」


「なんじゃ急に張り切りおって。まぁやる気があるのは良い事じゃ。ではいくぞ!」


やる気に満ち溢れた僕はその日もボロボロになって1日の終わりを迎える

午後は殆ど休みもなく続けた甲斐もあって魔力感知の習得に成功した

大変ではあったがやはり龍玉の時と発動感覚が似てたので思っていたより早く習得することが出来た

本来もっと時間がかかる筈だったのでこれにはオルフェウスさんも珍しく褒めてくれた


あとは体術の習得だけだが問題はその先

魔力感知と龍玉の同時発動

秘孔拳だけでも威力はあると思うがやはり龍玉の力と合わせた方が威力の差は歴然だろう


「なんとかして同時に発動できる方法があればいいんだけど・・・」


「何1人でブツブツ言ってんの?」


「わっ!?び、ビックリした・・・なんだロザリアさんですか」


「なんだとはなによ。失礼ね全く」


考え事をしていたにしても全く気配を感じなかった

最近はオルフェウスさんの接近には気づける様になってきていたので少し悔しい

ロザリアさんもかなりの美人なのでいきなり顔を近づけられると心臓に悪い


「それで?何を考えていたの?」


そうだ。ロザリアさんからなら何かいいヒントが貰えるかもしれない


「実はですね・・・」


僕はロザリアさんに今悩んでいる事を打ち明け、何か良い方法はないかと相談した


「という感じで2つの事を同時に出来るようになりたいんです」


「ふーん。それなら"並列思考"のスキルを覚えればいいんじゃない」


「並列思考?」


「そっ。これは日常で無意識にこなしていたりするのよ。簡単なものなら鼻歌交じりに掃除をしたりとかね。それは脳の別の部分を使ってるから出来る事であって同じ場所を使うとなると別。いきなり複数人から同時に全く別の事を話されても殆ど理解出来ないでしょ?今の貴方はその状態という訳」


なるほど。それを可能にしてくれるのがその並列思考というスキルって事か

これを習得する事が出来れば魔力感知と龍玉の同時発動が可能になるかもしれない

問題はどうやって習得するかだな・・・

どうするか考えている僕を見てロザリアさんが話を続けた


「良かったら私が練習に付き合ってあげましょうか?私も並列思考は持ってるから習得するのに力になれると思うけど」


「いいんですか!あっでもアイシャの相手もしてもらっているのに・・・」


「別に朝ちょっと早く付き合う位なら問題ないわ」


「そうですか?それじゃあお言葉に甘えてよろしくお願いします!」


次の日から僕とロザリアさん2人の朝練が始まった

読んでいただきありがとうございます

次回更新は金曜日19時です。よろしくお願いします!

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