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異世界龍人記  作者: Aoi
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9話 ディグリア到着

盗賊達を入れた牢馬車を川沿いに一旦停め、洞窟へと向かいアイシャを迎えに行く

洞窟に入るとアイシャが毛布に包まり焚き火の前で座っていた


「おかえりなさい。大丈夫でした?」


「うん。そっちはよく眠れた?」


「はい。お陰様で体調は万全です!」


よかった。偵察に行く前念の為周りに魔物がいないか確認はしたものの、一抹の不安はあったので気になっていたが杞憂だったようだ


僕はアイシャに盗賊を発見したこと、そしてそいつ等を倒して牢に閉じ込めた事を伝えた


「よかった・・・これで少し安心しました。私の傷だけでなく盗賊達までやっつけてくれて・・・本当にありがとうございます」


「気にしないで。仲間なんだからこれ位当然だよ」


アイシャにはインビジブル・サーペントが奴らに操られていたということは伏せておくことにした

自分が狙われたせいでみんながやられたと知ればきっとひどく落ち込むだろう


荷物をまとめ馬車を停めている川沿いの道へと向かう

向かっている最中に自分のステータスを確認した

盗賊達を倒した時に経験値が入ったみたいだ。気絶させるだけでも経験値はもらえるんだな


ステータスを見るとレベルが22になっていて以前よりレベルが6も上がっていた

6人相手にしたから1人につきレベルが1上がったということか


確かに能力値は自分より劣ってはいたがレベル自体は同じ位の相手だった

戦闘不能にしただけでもこれだけ入るのだからもし・・・と良からぬこと事を考えてしまったがすぐさまその考えを捨てる

勿論いざという時は話が変わるが自分の利益の為に誰かを犠牲にするなんて、そんなのはあいつらと同じだ


気を取り直してスキル欄を見ると新たに2つのスキルと魔法を習得した


1つはスキル遠覗サーチ、龍の眼の付加スキルで遠くまで見ることができる望遠鏡のようなスキルだ

これと龍の眼のステータス閲覧の能力を合わせれば危険を回避しやすくなるだろう


もう1つの魔法の方は障壁。これは文字通りの防御スキルだろう

対象を障壁で覆い攻撃から身を護ってくれる

今回攻撃スキルはなかったがアイシャも加わった事だし防御面を強化できたのはよかった


ステータスを見終わる頃には川沿いの道に到着していた

馬車に着くとアイシャに念の為盗賊達の顔を確認してもらった


「アイシャ、こいつ等で間違いない?」


「はい、この人達です。間違いありません」


盗賊達はまだ眠ったままのようだ

騒がれても困るからこのまま寝ていてもらった方が都合がいいのだが・・・


アイシャが馬に乗れるようなので御者を任せることにした。魔物が出た時に備えて隣に座る

馬車に揺られながら川沿いを進む。その間にアイシャのステータスについて聞いてみる


「アイシャのステータス確認したいんだけど見させてもらってもいいかな?」


「ステータスですか?リュウヤ君ならいいですよ」


アイシャ 14歳(女性)


Lv15 種族:妖狐(フォクスペクター)

HP:500  MP:720

攻撃力:60  防御力:83 敏捷性:123

魔法攻撃:110  魔法防御:122


スキル:霊気感知、精霊の加護

魔法:朧火、アイスネイル、ウォーターボール、ヒール、ポイズンキュア、能力上昇(アビリティ・ライズ)鈍化(スロウ)幻影(イリュージオ)


やっぱり自分より歳下か

それにしてもMPたか!レベルは僕より下なのに3倍近くある。流石精霊の加護持ち

ヒールも持ってたのか。まぁあの時は気絶してたからな

攻撃魔法より支援や阻害系の魔法が多いから後方支援をお願いした方がいいかもしれないな


「アイシャは支援系の魔法が多いんだね。戦闘になった時は僕が前衛でアイシャが後衛でいいかな?」


「はい、それで大丈夫です。妖狐は支援系の魔法を得意とする種族なんです。でも頑張って攻撃系の魔法も覚えていきますね!」


精霊の加護があるならあらゆる魔法を習得できるだろうから非常に頼もしいな

雑談を混じえそんな話をしながらしばらく馬車を走らせていると森を抜けた

その数キロ先に街を守る外壁が見えてきた


「あれがディグリアか。あと数十分もすれば着きそうだね。街に入ったらまずアイシャの装備と服買おうっか。男物ずっと着させておくのも悪いしちゃんとしたの買わないとね」


「そんな私のなんて、安物で十分ですよ」


「遠慮しなくていいよ。といってもそこまでお金持ってるわけじゃないから奮発は出来ないけどね」


今持っている所持金は金貨が5枚、銀貨が10枚、銅貨が20枚、鉄貨が20枚だ

アイシャとの会話で鉄貨から順に100円、1000円、1万円、10万円となっているのが分かった


金貨より更に上の星金貨というのがあるらしいが一般には出回らないらしい

価値は恐らく1000万と言われてる縁遠い代物だ

なので僕が持ってる全財産は62万とちょっと、そこに魔石を売った額が加算される

物価にもよるが2人で節約して生活すれば数ヶ月は持つだろうか?


「ん・・・ここは・・・おい!お前らここから出しやがれ!」


突然後ろの方から声が聞こえてきた

どうやら盗賊の1人が起きたみたいだ。それに続いて周りの奴らも起きだした


「てめぇ等ここから出さなきゃただじゃおかねぇぞ。今なら許してやるから牢を開けろ」


手も足も出ずにやられたくせに何故にこんな上から目線なんだ・・・

それに出したところで態勢を整えて復讐しにくるのは目に見えてる


奴らの言葉を無視して移動を続ける。隣でアイシャの肩が震えている

本来の力であればこいつら相手でも問題ないんだろうけど植え付けられた恐怖は簡単には消えないんだろう

そっと肩に手を置き落ち着かせる。少し安心したのか肩の震えは収まった


「ありがとうございます・・・」


「大丈夫。こいつらを突き出したら終わりだよ」


門が見えてきた。門の周りには衛兵らしき人達が立っていて検問を行っているようだ

朝方の為か検問に並んでいる人は少ないようだ。馬車を門の前に停めて順番を待つ

検問は淡々と進められていき自分たちの番が来る


「次・・・ずいぶん若い2人組だな。それにその後ろの奴らはなんだ?」


「こいつ等盗賊と奴隷商人でこちらの罪のない少女を奴隷として売り払おうとしていたので無力化して捕らえました」


「君が1人でこの連中を捕らえたのか・・・?念の為この”真実の水晶”で確かめさせてくれるか」


真実の水晶。この水晶の前で嘘を言うと黒い靄が浮かび上がってくるというアイテムらしいな

こちらは一切嘘は言ってないので了承する


「この男達がそこの少女を奴隷として捕らえていたところを君が助けた、という事で間違いないな?」


「はい、その通りです」


衛兵が水晶を見つめる。水晶に反応はなかったので僕の証言が真実だということが証明された


「どうやら本当のようだな。犯罪者でもない相手を奴隷として売買するのはリングラルド王国領内では禁止されている。この男達をこちらで預かってもいいか?」


「はい。お願いします」


盗賊達は牢に入れられたまま衛兵達に囲まれて消えていった。これで一件落着かな

アイシャも奴等が連れて行かれて安堵の表情をしている


「さて、それで君達はディグリアに入構ということでいいのか?」


「はい。それで入構証の発行をお願いしたいんですが」


「入構証の発行には1人銀貨1枚必要だ」


「ではこれで」


銀貨2枚を渡す。衛兵が許可証を取り出してこちらに渡してくる


「これが許可証だ、通っていいぞ」


門を潜り抜けてようやくディグリアへと入る事ができた


「よし、じゃあアイシャの服を買いに行こうっか!」


「お願いします♪まず案内板で場所の確認をしないといけませんね」


そう言ってご機嫌な様子でアイシャは案内板の方へ向かっていく


最初は遠慮気味だったがなんだかんだ女の子だな

楽しそうな姿を見るとこちらも嬉しくなる


「場所わかりました!行きましょうリュウヤ君」


アイシャに手を引かれながら2人で服屋へと向かう。いいのが見つかるといいな



ナグモ リュウヤ 15歳(男性)

Lv22 種族:龍人ドラゴノイド

HP:820  MP:250 

攻撃力:153  防御力:171 敏捷性:145

魔法攻撃:80  魔法防御:110


スキル:龍爪+飛爪斬、龍脚+震脚、龍の眼+遠覗、龍の加護

魔法:ファイア、ヒール、障壁

明日も続き19時に投稿します

読んでいただけると嬉しいです

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