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異世界龍人記  作者: Aoi
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プロローグ

異世界、魔法。マンガやゲーム等を嗜んでいる者にとって一度は惹かれるであろうワード


僕、南雲龍也(なぐもりゅうや)もその1人である

休み時間には友達と好きなアニメやマンガの話をしたり、夜遅くまでオンラインゲームをするというそんな日々を過ごしている。所謂オタクというやつだ


「ふわぁ・・・昨日は、というより今朝までぶっ通しは流石にきつかったな」


新作オンラインゲームを徹夜でやりこんで完全に寝不足な僕は、フラフラしながら学校へと向かう

改札を抜けホームの先頭に立ち電車が来るのを待つ。この時間帯は通勤ラッシュの為、僕の後ろにドンドン人が並び始める

ただでさえ人混みが苦手な僕にはこの時間はまさに地獄だった

それに加え今日は徹夜で寝不足という事もあり憂鬱さがより一層増した


「帰ったらまたレベリングして昨日録画したアニメ見ないとなぁ」


そんなことを考えながら読みかけのラノベを取り出し寝ぼけ眼を擦りながら読み始めると電車がやってきた。快速の電車だ

いつもの光景で特に気にすることもなくホームにやってきた快速の電車を見送ろうとしたその瞬間、後ろからドン、と背中に衝撃を受ける


「え・・・?」


寝不足で足元がフラついていた僕はその衝撃を受け止められず線路に放り出された

目の前まで来ている電車。空中に投げ出されている状態ではどうにもできなかった

死んだ・・・そう思ってぎゅっと目を閉じた

しかしいつになっても痛みも感じない。地面に着く感覚もなく不思議に思いゆっくりと目を開ける

するとそこは先程までいた駅のホームとは異なる辺り一帯が真っ白な空間だった

状況が理解できない僕は困惑しながらも自分の体の状態を確認する


「体はちゃんとある。声も出るな・・・電車に轢かれたと思ったけど、もしかして死後の世界?でもそれにしては意識がはっきりしているような・・・」


「我の声が聞こえるか?」


事態の把握に追いつかず考え込んでいる僕は突然後ろからかけられた声にビックリする

恐る恐る後ろを振り向くとそこには・・・・なんと龍がいた

全身が紅く硬そうな鱗で覆われ、長く棘々しい尻尾に見つめられただけで卒倒してしまいそうな鋭い目つき

マンガなどで見ていた龍そのものだった

この状況を理解するのに精一杯だったのに、そのありえない姿をみた僕は頭まで真っ白になってしまう


「むっ 通じておらぬか?ちゃんとこちらの言葉が通じるようにしたはずなのだが」


「え・・・あ、聞こえています」


「お、ちゃんと通じておるようだな。ならさっさと返事せい。ここは我が作り出した異空間のようなものでな、轢かれかけていたお主をこちらに転移したのじゃ

お主の様に若くして亡くなってしまいそうな人材を我らの世界に勧誘しておるのだ。いわゆる転生というやつだな」


転生。その言葉にさっきまで動揺していた僕はピクリと反応した


「まぁ無理強いではない。嫌ならお主の世界で生を授けて新たな人生を歩むといい

その際には前世の記憶と我と会った事は綺麗サッパリ忘れることとなる。異世界に転生を望むのなら記憶は引き継がれたままだ」


「転生でお願いします!」


僕は即答した。アニメやゲームでしか見れなかったあの世界で新たな人生を送れるなんて素晴らしい!


「うむ、話が早くて助かるな。では転生するにあたってお主にはスキルを与えよう 好きなのを選ぶと良い」


そういうと自分の前にカードのようなものが現れそこにはスキルや技の名前とその詳細が書かれていた

超再生や状態異常完全無効。精霊召喚等と他にもたくさんのスキルや技があり僕は大いに頭を悩ませた


その中でふと1つのスキルを見つけた


「あの、この龍の加護というのはなんですか?」


「あぁ、それは我の力を分け与えることができるスキルじゃな」


「なんだか強そうですね」


「人ではなく龍人(ドラゴノイド)として転生することになるがの。龍の加護を持つことによって能力は他よりずっと高いぞ」


「よし!じゃあこれでお願いします!」


自分が一番好きなモンスターが龍でちょうどやっていたゲームのキャラも同じ龍人だったから、という安易すぎる理由で決めた


「うむ、決まったようだな。ではそろそろ転生の準備に移るぞ。転生する前に他になにか聞きたいことはあるか?」


「転生の代わりになにか使命的なものはあるんでしょうか?魔王を倒すとか」


「そんなものはない。自由にいきるがいい

魔王を倒したければ倒せばいいし、冒険者でも商人でもなんにでもなるがいい。縛りはない」


「なるほど。あ、あと他の転生者はいるんでしょうか?」


「いないな。難しい話になるので省くが転生者はその世界に1人しか存在できないのだ。お主の前にはいたがの」


「そうなんですね、ちょっと残念です。では最後にあなたの名前を教えてもらえますか?」


「我の名か? 我の名はイグニアス。龍神イグニアスだ」


「へぇ龍神イグニアス・・・龍神・・・え、神様だったんですか!」


「まぁそんなところだな。我の世界では龍の神として祀られておる」


龍の神様の加護を受けるってことになるのか。思った以上に強い力なのかもしれないな


「さて、そろそろいいかの。では始めるとするか」


そう龍神が言うと魔法陣のようなものが現れ、光の柱が僕を上へと押し上げる。少しずつ意識が遠のいていくのを感じる


「さぁ行くがよい、お主の新たな旅立ちの無事を祈るぞ」


その言葉を最後に僕の意識は途切れる


電車に轢かれかけて気づけば龍の神様と出会いまさかの異世界転生。両親の事ややりかけのゲーム、未練がないといえば嘘になるが今は夢にまで見た異世界転生。どんな世界が待っているか楽しみだ!

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