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♯5

 訓練は棒術の後、大小の剣を使ってリーチのある長剣を、小剣と体捌きでいなす訓練、素手で小剣をいなす訓練、両者素手の格闘戦と続き、オレはエミルと組んで全部やらせて貰った。


 初体験の事ばかりで、勝手はわからないのだけど、エミルは顔に似合わず要領をピンポイントで教えてくれるのが上手で、何度もやり直しているうちに言われてる事が出来るようになっていく。新しく覚える事が上手に出来るって凄く楽しい。


「こんな才能の塊、見た事ないぜ。教えるはじからオレより上手く使いやがる」


「身体能力のたまものだな、アユム、エミルはこつを教えるのが上手い。クレイグのツボも習っておけ」


「そうか、クレイグが来るんだもんな。アユム、クレイグはパワーとスピードの両立したお前に似てるタイプだ。武器を使わせると訓練用でも洒落にならないので、素手でやりあうのが好きなんだけど、突き蹴りの近接技がはっきり言って武器持ってるより怖い。イリスの棒術なみの早さで威力が倍近くになると思っとけ」


 いやいや……それ無理ってレベルじゃない。


「さっきのは半分くらいに手加減してたから、正確には四倍近くだ」


 いやいや……もはや笑うしかない。


「王様なのに、みんな名前を呼び捨てなんだね?」


「そりゃそうさ、名前で呼んでくれなきゃ寂しいだろ?」


「そうそう」

 

 エミルもイリスも当然でしょ? みたいな顔でオレをみるから、どうやら当たり前の事みたい。まあ、普通王様と言ったら、オレ達の方から失礼のないように正装して、緊張しながら挨拶に行く感じだろうに、王様自らがここに走って来るとか言ってたし、お国柄なのかな。


 エミルが「アユムは何か得意な技とかあるか?」と聞くので、一応知ってる背負投を披露したら、これは面白いと新兵小隊の全員まで真似して練習をはじめてしまった。そしてオレ自身が一番驚いたんだけど、身体の能力が勝手に動きを補正してくれるのか、達人みたいに鮮やかに懐に潜りこみ綺麗にきまる。強力な尻尾が上手く働くせいで腕を取ったら回避不能だと言われた。


「これは俺達がやると、隙も大きくて問題もあるけどアユムのだと使えるな」

 

 エミルになんども投げて貰って感じるのは、確かに連続動作の途中で色々出来そうだ。スポーツとしてだとありだけど、実戦的ではないのかな?


「アユム、私にも投げさせてくれ」


 新兵の教官と試行錯誤していたイリスが戻ってきてオレと組み合う。気が付いたら地面に倒れて空が見えてました。これ凄く上手い人に投げられたやつだ。何されたかよくわからなかった。


「体格差があっても良いスピードで巻き込むから、時と場合によっては強力だな。集団戦では難しいが一騎打ちなら面白い。クレイグが驚くかもな」


 イリスが少し悪い顔をしてニヤリと笑う。エミルも「面白くなってきやがった」とはしゃいでいる。その、君達の王様をもし投げちゃったとして大丈夫なの?


「腕試しでやられて腐るようなタマじゃないから何も問題ない、全力で行け。うまく一本取れれば、それで敬意を勝ち取れるぞ」


 イリス相手に、色々シュミレーションしているうちに、集落の端の方が賑やかになってきて、クレイグ王と親衛隊の一行が到着したと、ビーグルそっくりの犬人が知らせに来た。



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