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貴重な情報源を一つゲットした

どんな奴かもわからないと想像できないだろうから、女の第一印象でも述べておこうか。

と言っても特に述べることなどない。今どきの女の子って感じで、校則違反にならない程度のおしゃれをしている恐らく真面目な子だろう。

クラスに何人も良そうな感じで、特徴も変なリボンをしてるくらいしかない。正面から見て45度方向に小さいリボンをしてる変な奴と言うのが第一印象だろう。


そんな女が何処に行くのかと思いきや近くのカフェにまで連れていかれた。


「あの、俺お金持ってないんだけど…」

「あー、私払うんで大丈夫ですよ」


何で、常日頃から財布持ってんだよ。


「いや、後輩におごってもらうなんて情けないことできないよ」

「いつも配信楽しませてもらってるんで別にいいですよ」

「は、配信?何の話かな?」


まさかこいつも知ってるのか…どうしてこんなに広まってるんだ。

何とか誤魔化すしかないな。


「え、『サイバーネット』さんですよね?」

「誰ですか?それ」

「えー、話し方とか声質とか凄く似てるから本物だと思ったんだけどなぁ」

「人違いだよ…」

「いや、私、『サイバーネット』さんのファンなので間違うことはないと思います。あなたやっぱりそうですよね?」


ちょっと待てよ、確かにこのまま言い逃れできなくもないけれど、それでは手がかりが掴めそうにない。大体の見当もついてるみたいだしここは情報の方を優先するべきだな。


「まあいいだろう。確かに俺が『サイバーネット』だ。その代わり絶対に学校の友達には教えないでくれよ」

「はい!」

「それで、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

「何でも聞いてください」

「まず、君の名前聞いていいかな?」

立花由利たちばなゆりです」


ゆり…こいつが『ユリキドール』の可能性が出てきたな。


「俺の事をどこで知ったのかな?」

「クラスの子が教えてくれたのでそれで聞き始めました」

「その子の名前は何て言うの?」

「兵頭真澄です」

「ちなみに何組?」

「1-Cですよ」

「クラスではどれくらい俺の事知ってるの?」

「私が知ってるのは5人くらいですかね。私がよく遊ぶ友達の間で有名です」

「みんな女子かな?」

「一人だけ男の子が混ざってますけど、それ以外はみんな女子ですね」


ここまでの情報をまとめると、俺が追っていた女の名前は兵頭真澄、1-Cで俺の事は少し知れ渡ってしまっている。若干男も混ざっているということくらいか。


「じゃあ、あの子は兵頭さんっていうのか。何か俺の下駄箱に手紙を入れて来るから話聞きたくて追ってたんだ」

「なるほど、私からもやめるように言っときますね」


やめなくてもいいんだけど、奴が『ユリキドール』かどうかは気になるところだ。


「じゃあ次は私から質問していいですか?」

「答えれることであればいいけど」

「昨日の配信聞いてたんですけど、なんかいつもと違いませんでしたか?」


ほう、そこを突いて来るか。こいつが『ユリキドール』で自分をカモフラージュするために言っているのであれば、中々の策士だが見た感じそういうわけでもなさそうだ。


「まあ所謂『あらし』みたいな人がいたからね。そういう人がいること自体はそう珍しくないんだけど、昨日のはちょっと違ったね」

「やっぱり『ユリキドール』が邪魔でしたね。マジでブチぎれそうでしたよ」


女の子がそんな言葉遣いしちゃダメだよ。


「リスナーのみんなが楽しんでくれたら何でもいいんだけどね。ちなみに、由利ちゃんのアカウント名聞いてもいいかな?」

「え、私ですか?『オーストルリア』です」


あの、ちょいちょい野次入れてたやつか。そうは言ってもこいつがまだ犯人の可能性もあるので100%信じないでおこう。


「ていうか、ホント夢みたいです!『サイバーネット』さんとお話ができるなんて!しかもめっちゃイケメンだし!」


由利は急にテンションが上がって話し出した。


「そんな大した人間じゃないよ」

「いや、私本当に毎日配信を楽しみに生きてるんですよ」


大げさすぎるだろ。俺ですら別にそんなことないのに。


「ありがとう。それで本題に入るんだけど、授業サボってまで何でこんなとこに連れてきたの?」

「特に理由なんてないけど、話してみたかったからです。まさか、トイレ帰りに『サイバーネット』さんに会えると思ってなかったですよ」


この女は貴重な情報源だ。これ以降も俺に情報を伝えてもらわないと困る。


「確かにね。そうだね…まあなんていうか…こんなとこで会えたのも何かの縁だし、連絡先でも交換しない?」

「え!?いいんですか?」

「もっと由利ちゃんのこと教えて欲しいし」


ここだけ見ると、俺が出会い厨のように見えるかもしれないが決してやましい気持ちなどこれっぽっちも感じていない。ただ単に俺の存在を極力知られたくないためにやむを得ないことなのだ。


「めちゃくちゃ嬉しい…私も『サイバーネット』さんの事もっと知りたいです」

「じゃあこれ」


俺は自らの連絡先(SNS)を教えた。


「わ、わかりました…じゃあ登録しますね…」


由利は俺のIDを登録した。


「あの、暇だったら連絡してもいいですか?」

「うん、俺も暇だったら全然返信返すよ」

「あ、ありがとうございます」


気分もしくは情報があればだけどな。


「あの、お名前の方教えてもらっていいですか?」

「斎藤信二って言うんだ、よろしくね」

「今後ともよろしくお願いいたします」


そこから、俺たちはコーヒー飲みながら少し談笑をして、二時限目に間に合うように学校に帰った。


皆さんの意見や批評など、よろしければ何でも送ってください。


なにぶん素人なので、より面白いものを読者の皆様と作っていけたらいいなと思っております。


よろしくお願いします。

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