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ver.6.1-113 ある悪魔からの視点

―――こいつ、中々厄介だな。


 空中を飛びつつ、時折攻撃を仕掛けながら、アルケディア・オンラインの運営会社であるメーゼ・イワド社の開発部主任…時々この世界の裏界隈の仕事も押し付けられる人物…いや、人ならざるものであるからこそできる苦労人もとい悪魔ゼリアスは心の中でそうつぶやく。



 今、目の前で対峙しているのは、どこかの世界からの来訪者。

 話が通じる相手ならばまだどうにかなったが、そう都合の良いことはない。


 何も通じず、かろうじてこの世界に引き寄せた者を利用して顕現している様子だが…この様子であれば、あと数分もせずに崩壊しきり、この世界から追い出されるであろう。


「ただまぁ、その前に女神を狙われたら厄介か…そうなる前に、奴をもうちょっと良いところへ隠せよ!!海底も安全じゃないのにさぁ!!」


 不味いことになるのは理解しているため、戦闘によって足止めを行っているが、それでも相手が相手だけに結構厳しくはある。


 善戦は一応出来ているのだが…人ならざる立場からこそ、相手の底知れない恐ろしさも感じ取れるのだ。


「ああもう、こちとら今日帰った後は異界プログラムの構築作業等が色々残っているから、あとくされ残さずにさっさと終われよ!!左の義手もだいぶガタ来たしさぁ!!」

「それ義手なの!?道理でロケットパンチみたいなものを、飛ばせるなと思っていたんだけど!!」

「その時点で気が付けよ!?いやまぁ、普段わかりづらいように偽装しているけどな!!」


 この相手に対して共同で戦う相手の中で、この世界の真祖の一人らしい奴が驚愕の表情を浮かべているが、その攻撃を見て大体察してほしい。


「それはそうとして、相手の依り代と言うべきモノがもう持たないはずなのに、内部エネルギー量が変わらないデスネ」

「いや、むしろ増しているというか…こりゃ、当たりたくなタイプの一つか?」


 様々な兵器を搭載している別の奴が言った言葉に、同意して答える。


 あと少しで終わりそうなはずなのにアレは確実に何かを残している。





 たとえ何もかも通じ合えるものが無くとも、この世界に来て学んでいるものがあれば、多少は同じものを理解している可能性がある。

 その中で、出されるものとしては‥‥



―――フォンフォンフォンフォォォォォン!!

「な、何!?なんか急に輝きだした!?」

「これは…なるほど、不味いですネ。相手、どうやら我々の与えてきたダメージを蓄積して、自身のエネルギーと結合させたようデス」

「つまり?」

「崩壊直前に、大爆発を引き起こしますネ。しかも、普通の爆発よりも逃げられない瞬間的な超爆発…この星、いや、星系が瞬時に蒸発しマス」

「「どう考えても確実にヤバいものだ!?」」


 窮鼠猫を噛むとは言うが、それ以上のとんでもないことをしでかす気満々のようだ。


「というか、そんなことをしたらこちらが把握できている相手の目的、黒き女神も一緒に蒸発しかねないのだが!?良いのかそれで!?」

「んー、どうやら概念的なものを喰らうことができるようで…蒸発したそのわずかな瞬間に、概念すらも消し飛ぶ前に取り入れるようデス。肉体よりも、女神という概念そのものを喰らうと考えれば、相手の行動すらもできないように肉体やその他邪魔な周囲の環境をまとめて消し飛ばすのは、正しい判断でしょウ」

「そんなむちゃくちゃな!!」


 爆発落ちだのなんだのと言われそうな行動。

 せめてそのエネルギーを周囲に撃ちまくって弾幕を張るとか、強行突破を図るとかならまだわかるが…何もかも吹き飛ばしたうえで勝利をもぎ取ろうとするのは予想外。


 何をどうしたらその結論を導き出せるのだと言いたいが、元よりこちらとは何もかも通じないのであれば、やってもおかしくは無いのかもしれない。



「計算上、後15秒で爆発デス!!」

「短っ!!」

「覚悟即座に決まり過ぎ!!」


 ツッコミを入れてしまうが、流石にこれはどうにもならない。

 強大なエネルギーが増加しているらしく、この状態で下手なショックを与えたら、その瞬間に何もかも終わる。


 流石にどうしようもないと思った…その時だった。



「ーーっ!!」


…感じ取った。目の前の自爆寸前の相手にも負けず劣らずの力を。

この世界にあって良いのかと思うものだが、アレは確かに例外の様なものなのだろう。


 だが、この残り僅かな時間をどうにかできるかは…彼女/彼に賭けるしかないのであった…


あとわずか

この限られた時間内に、どうすべきか

なすすべもなく塵になるかは…

次回に続く!!


…苦労人はどこでも苦労する

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