ver.6.1-102 飲み込みしモノ
…結局、ミーちゃんはしばらく帰ってこないとの連絡があった。
いない日は寂しいが、ひとまずどうやらオンラインのほうのメンテナンス期間も終わったようで、ログインして少しばかり寂しさを紛らわすことにした。
「まぁ、最初からソロプレイしていたことのほうが多いし、久しぶりにやると考えればいいか」
たまには初心に帰って、おとなしくオンラインを遊ぶのも良いだろう。
なので、今日は珍しくマリーたちにはハウスに入ってもらい、ちょっとばかりグレイ号のかじを取ってある星を目指すことにした。
『どこへ向かいましょうカ?』
「前々から気になっていたある星に向かいたいと思ってね」
グレイ号は船自身が動くこともできるが、こうやって一人で動かすのもロマンがあっていい。
そして今日は、ある目的もあり、目指す場所ははっきりしていた。
「密かに情報を集めていた、姿を変える系の噂話…その中でもかなりの信ぴょう性が高い、性別を一時的に反転させることができるという泉がある星を目指すぞ」
女神のスキルで女神になるのは、もうだいぶ悟りを開いている部分がある。
しかし、可能であれば男神としてのほうへ…人間のこの性別と一緒のままにしておきたい。
そう考え、性別を変える系のスキルやアイテム、スポットなどの情報を収集していたのだが、本日目指すのはその中でもかなりの信ぴょう性がある星である。
「神系スキルによって姿を変えても、性別が変わるという噂の…強制トランス惑星に向かう。変換できる時間は30分程度で、中身までが完全に変わるわけではないらしいが、女神から男神への姿へ切り替えることができるのならば、それはそれで精神的な安定感が間違いないからね」
『性別変換が可能な星ですか…あ、でもその状態で女神化を解いたら、通常時が女の子になる可能性があるのでハ?』
「そうなるだろうが、解くこともないだろう。それに、その変換に関してのデータを分析し、いつでもどこでも買えられるのであれば、いつも女神になる必要もなくなる!!そう、これは男としての道をしっかりと正しく歩むための第一歩になるのだ!!グレイ号、第一船速で星へ向けて発進!!」
グレイ号のメインエンジンを起動させ、勢いよくうなりをあげて加速し、船は星へ目受けての進路を取る。
一応、ワープ機能があるからすぐに向かうこともできるが、船の旅路も悪くはないだろう。
一時的な変換とはいえ、夢が溢れる場所へ向けて、船を高速で向かわせるのであった…
【普通は主様とは違う思考の方が、別の方向で狙いそうですガ】
「そこ、解析室から通信で言わないで。というか、ロロは何でその部屋に?」
【少々、グレイ号の解析室で気になることを確認したくテ…ここの機器、最近機械神発注で新しいものに交換しているのですガ…】
どこかの呪われた泉のようで
それでいてハルにとっては祝福のようで
そんな場所へ目指すのだが…
次回に続く!!
…使いようによっては大惨事を招きかねないな




