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ver.6.1-84 楽しい時はすぐ過ぎ去り

―――楽しい、楽しい、楽しい。

 一瞬の気が抜けないものだとしても、ここまでの戦いはいつ以来だろうか。


 激しい戦闘により、星々が砕ける中、ティラリアは心の中で密かに歓喜の声を上げていた。


 アルケディア・オンラインの中のトッププレイヤーの一人としてあげられる彼女だが、その実力も既に高みに至っている。


 だが、それゆえに対等に戦える相手というのは少なく、日々の中に少しだけ退屈が混じっていた。


 少しばかり可愛い可愛い可愛い弟がやらかすのを見つつ、宥めつつ…そんな日々でも、ちょっとばかり省みるような機会があれば抑えるようになったのもあり、空いた時間が増えた。


 オンライン上の世界とは言え国を建国し、広げ、いつしか銀河を手中に収める規模にまで動いたとしても…埋められないものと言うのは、どうしても出てきてしまうものだ。


 才能のせいなのか?いや、違う。あるのならば、このような日々を送るはずもない。

 運が悪いせいなのか?こればかりは少しだけ思えそうだが、これも違うだろう。



 オンラインの世界だからこそ、世界中の人々と交流すれば、対等な相手が出てきても良いだろうと思うこともあったが…そんな希望の星何ぞ、そう巡り合えるモノでもない。



 だが、それでも見つけることができたと、今の目の前の相手を見て、心の中で思う。



 一人の相手が、女神となって、その力を様々なものに変え…こうやって渡り合えるようになるとは、何たる幸運だろうか。


 一瞬の気も抜けない、ギリギリの駆け引き。

 相手の弱点を見抜いたとしてもすぐに補われ、隙を見つけだすのが難しい。


 でも、こういうギリギリの戦いというのが、一番興奮できるものかもしれない。

 二番目にはやはり、可愛い弟の救いがある中の絶望の表情という、難しいけれども面白いものがあるのだが…それでも、こういうのを求めてしまっていたのだろう。



 叶うのであれば、より長く戦いたい、触れ合いたい、渡り合いたい、駆け引きをしたい…やりたいことが非常に多い。


 しかし、その時間も間もなく限界がきて、終わりを迎えてしまう。

 せっかくのこの場、あとでまたできるかもしれないとはいえ、こういう機会に巡り合うのは数少なく、だからこそ全力でぶつかり合いたい。



「…残念ですが、ここで勝負に出たほうが良さそうデース」


 相手も既に攻撃と防御を振り切り、攻防一体の難攻不落の女神と化している。

 その強さに対して敬意を払い、出せるものは惜しみなく使う。


「かつて、弟が盗…もとい、貸し出したどうぐがあったのデース。それは今もなお、改良を続けていたのデースが…ここで、使う時デース!!」


 パチンと指を鳴らせば、配下の恐竜がその合図を察し、すぐに動き出す。

 この場には無いので大急ぎで伝達され、ある星からこの場所へ送り出される。



【ん?何を仕掛けて…】

「簡単なことデース。ミーは文字どおりの、秘密兵器を使うことにしたのデース」

【秘密兵器?】

「そうデース。使い方によっては、全人類以外抹殺吸収装置になりかねない危険な代物になったブツなのデースが…色々と協力を多方面に頂き、完成させたものがあるのデース」


 指を上にかかげ、それが来ることを指し示す。


「は…黒き女神さんは、知ってますね?かつて、ミーの弟が使った対巨大宇宙怪獣専用恐竜型兵器『ザウスール』…掘り起こした映像記録では何やら磁石怪獣のようなものになっていた、あの道具を」

【えっと…ああ、あれね。ぼこぼこにしちゃったやつ】

(うっかり口を滑らせそうになってなかった?)


「そう、覚えていてくれたのであれば幸いデース。アレはまだ未完の作品であり…今から使うこれは、ソレの改良を進めた新、いや、真、いやいやいや、それすらも超え、神系スキル所持プレイヤーも視野に含めた対神専用決戦兵器!!」


 言葉とともに空から巨大な影が降り立ち、姿を見せる。


 それは巨大な、人型のようなもの。

 しかし各部位は人ではなく、恐竜の様々な部位を移植したような形状をしており、かつての恐竜型兵器の名残を残しつつも、その凶悪さを見せつける。


「『ネオ・ザウスール』!!これに乗って、挑むのデース!!」


 いうが早いがコックピットに飛び乗り、起動させるティラリア。

 この兵器の最大の欠点は、エネルギーを超消耗するため長期戦ができないというものがあるが…残りの星数が少ない今、長期戦をやる気はない。


 ここで全力でぶつけあおうと覚悟を決め、ティラリアは操縦桿を握り、動かし始めるのであった…

取り出したるは、彼方より持ってきた兵器

かつてのものより大幅に改造が施され、

女神と対峙し、今動き出す…

次回に続く!!



…多分、忘れている人はいるとは思うけど、こういうのもあった。

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