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ver.6.1-77 神の遊戯

…中三病が手に入れた、レイドバトルの報酬。

それは、あのレイドボスに負けず劣らずのものを召喚できるもの。


「こういうときのセリフは、いでよグランドサンフラワー!!」


 中三病が天に種を掲げながら叫ぶと、呼応するかのように種が輝き、光の柱が立った。

 それは天に突き刺すように登り、魔法陣のような物を空に描く。


 ド派手な召喚演出というべきか、凄まじい光景に周囲が驚く中、その魔法陣から葉っぱが飛び出す。



【グランド、サンフラワァッァ!!】


 ずぼんっと勢いよく飛び出してきたのは、あのレイドボスに似たような、それでいて輝いている巨大なひまわり、グランドサンフラワー。

 レイドボスよりも小さくはなっているが、それでもビルの様な巨体を持っており、空中で回転して地面に着地した。



ズゥゥゥン!!

「おお、これがグランドサンフラワー…輝く巨大ひまわりか」

「サイズはダウンしたが、それでも大きさだけでも相当なものだぞ」


 通常戦闘では3分しか呼び出せない、切り札になりうるもの。

 どれほどの力を持っているのか気になるところだが、このサイズだけでも相当なものを持っているのが見て取れる。

 


 ただ、今はその姿を確認するためだけに呼んだので、その戦闘力を今すぐに知ることができないことだけが残念な点だったが…それはすぐに、解消されることになる。




ドォォォン!!

「「!?」」


 突然鳴り響いた、謎の爆音。

 見れば何かが天から墜ちてきたようで、黙々と立ち上る土煙。


 ぶぉんっと何かを振るような音が聞こえると、土煙が晴れ、落ちてきた者の姿をあらわにする。


 和風の着物衣装を着こなしつつ、その両腕部分からは包帯が出ており、巨大な金棒を手にした謎の人物。

 般若の仮面のような物を着用しているが、その仮面の奥底の瞳は、確実にグランドサンフラワーのほうに向けられていた。



【おっとっと…着地失敗失敗。失礼したな、お前ら】

「な、何者だ!!」

【オレか?オレはカイニス!!黒き女神様の第一眷属にして黒色夜叉の、カイニス!!黒き女神様の名を受け、腕試しに来た!!】

「う、腕試しだと?」

【おうとも!!黒き女神さまは、お前のこの巨大な召喚したやつの能力が気になっているとのこと。ゆえに、眷属としてその思いを叶えるため、勝負しにここにきたんだぜ!!】


―――

>黒き女神の眷属がPvPを申し込みました。

>黒き女神の眷属からの特別な申し込みにより、本件は特別に通常戦闘時と異なり、純粋に眷属と召喚獣との間だけの戦闘になります。

>お互いの顕現活動時間の制限が、両者のみの間だけ、撤廃されます。

>勝負を引き受けますか?

―――


「…!!どうやら、本物のようだね」


「マジか、黒き女神様の眷属だと!!」

「どこにいるんだ、あのお方は!!」

「いやいや、というか勝負を挑んだってことは、もしかするとここで、戦闘を見れちまうのか!!」


 ログに表記された内容に中三病がそうつぶやくと、聞き取った周囲の者たちは驚愕の声を上げる。

 黒き女神…それは、このアルケディア・オンライン内で知らぬものがいないと言って良いような存在。


 ある時はレイドボスを粉砕し、ある時はレイドボスになり、様々な伝説がある存在。


 神の名が付くからこそ眷属がいるのは予想できるが、その眷属がこうやって勝負を挑みに来るというのは予想外。



 それゆえに、宴の場は驚きの海に包まれつつも、好奇心も同時に発生する。

 女神の眷属の強さも未知数だが、今回のこのグランドサンフラワーの強さも未知数。

 制限時間が存在するからこそ、簡単に試せないが…これは一つのチャンスだろう。



「どうする、中三病氏よ。この戦い、受けるか?」

「女神の眷属との…良いだろう!!受けて立つとしよう!!」

「「「おおおおおおおおお!!」」」


 その場のノリと雰囲気に流されているような気がしなくもないが、やることへの価値は大きいとみて、中三病はその申し出を引き受ける。


 今ここに、急遽女神の眷属との戦いが、決定したのであった…



「ところで、その肝心の黒き女神様はどこにいるんだ?」

【あー…黒き女神様はこっそりとみておられる!!居場所を探すのは、野暮な話だぜ!!】


…一応、カイニスはカイニスで、少しだけごまかしもしているのであった。

突如決まってしまったPvP

正確に言えばプレイヤー同士というよりも、その眷属と召喚獣のたぐいだが、

それでもこの勝負、メリットもそれなりにあるようで…

次回に続く!!


…カイニスがちょっと違う場所から出てきたのは、そのあたりのごまかしもある

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