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ver.6.0-56 喰らう花々

…奥へ奥へと進み、地下深くなるにつれて周囲の様子も変わってくる。

 古代都市と言われるだけあって、風化していた部分も多かったはずだが、何故か周囲がぼろぼろに風化した状態だったものがだんだん形を取り戻し、当時の姿に近いものになっているだろう。


 地上のほうが近くに砂漠があるせいかその影響を受けやすいのだろうが、ここまで来ると影響が及ばないのかもしれない。


「むしろ、どんどん冷えてくるな…」


 灼熱の砂漠地帯を抜けてきた中三病はそう口をもらす。


 砂漠の夜が冷えたりするが、それ以上の寒気を感じてくる。

 吐く息が白くなり、次第にあちこちに凍結した箇所が見えてくるだろう。


「こうなってくると、植物は不利か…」


 連れてきたメタドロンやオロロンはある程度環境の変化に強くはあるが、それでも植物のモンスターに変わりはない。

 活動がやや抑えられて、動きが鈍くなっているだろう。


 いや、一応、中三病のテイムしている植物系のモンスターの中には年中炎上しているモノやもこもこの綿に包まれた寒さに強いメンツもいるが、ここには不向きの者たちが多い。



「これ以上進むには、寒さ対策が必要か…いったん、ここで休憩にするぞ」



 焦る必要はない。このまま何もせずに進めば支障が出てくることが目に見えてくるのであれば、立ち止まるのもありだろう。


 そう考え、周囲に罠が無いか確認し、やや広めの通路があったのでそこで休憩も兼ねて足を止める。


 


 環境の変化に関しての対策を行うのは、事前に情報などが無ければ難しいことだっただろうが…それでも、こういう状況を想定していなかったわけではない。

 いや、正確に言えばどのような厳しい環境だとしても、対応可能なようにありとあらゆる備えを持っているのである。


 何故、そのような用意をしているのか、

 答えは単純明快、「姉」である。


 その一言で片付くのは悲しくも、おぞましくも、恐ろしくもあるが、用意しておいて損はない。




 いざとなれば南極だろうと北極だろうと、極寒の環境に逃げる備えもしっかりあるのだ。

 なお、VRMMOのオンライン内だけではなく、現実でも用意…は、流石にできなかった。灼熱のほうの備えはあったが、ここはゲームのほうならではの用意のしやすさに軍配が上がったようである。


「よし、オロロンとメタドロンに『ウルッパー装備』を備えて、寒さ対策は万全っと」

【オロロロォォォォン!!】

【メェェェタァァ!!】


 ウーパールーパーと羊を合体させたような見た目の装備品だが、機能が多めで人気のもの。

 寒さに耐性を持つだけではなく、突然冷水が出てきても凍り付くことなく泳げるようになる優れもの。


 しいて欠点を言うのであれば、一部の材料がモンスターのドロップ品ではなく、限られたときにしか得られない代物があるため、時間とALがかかってしまうが…それでも、揃えていたのだ。


 


 寒さへの対策が出来て、次へ進む始める中三病たち。

 このまま先へ進んでも、問題は無かっただろう。





…だが、その道中で中三病はふと感じた。

 何かに見られているような、謎の視線を。


「…ん?」


 気のせいだと思いたかった。姉の魔の手による秘密裏の監視の線は…否定できない。

 しかし、その類ではない。


 何者かが、いつの間にか後方にいるようで、ぴったりと後をつけてきている。

 振り向けば…そこにはいつのまにか、無数の何かの群れが存在しており…


【---ヒマナァァァァ!!】



グバァ、ガブゥゥ!!











「…あれ?何か今、悲鳴が聞こえたような?」

「聞き覚えのあるような…相当遠いけど、誰が叫んだ?」

臨機応変に対応できる備えはしておくものである

たとえ火の中水の中森の中、いかなる場所でも

過酷な環境にいつでも逃亡できるよう…

次回に続く!!



…できるかぁぁぁぁぁぁ!!っと、叫びたくなる今日この頃。

ものすっごいハートフルとかハーレムとかコメディとか、そんなのを求めたくなる…

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