ver.6.0-42 宇宙に散るは悪の華
…大きな危機は去った。
その危機が宇宙人の襲撃か、はたまたは恐竜の軍団なのか判断は難しいところがある。
だがしかし、流石の女神の力があっても宇宙はきついし、そもそも現実でここまで力を振るう気はない。
そう考えると、恐竜女帝の手によって解決されたのは良かったこと…なにか?
「とりあえず、一応宇宙から帰還させたお礼として、宇宙エレベーターの優先チケットもらったよー」
「何をどうしたのか…いや、春のことだからおかしくないからいいか」
地球へ帰還して数日後、女帝よりチケットが送られてきた。
どうやら無事に帰れたことに対してのお礼のようだが、宇宙エレベーターに関わっている運営会社の一員だったことから、こういうことが出来てもおかしくはないだろう。
でもミーちゃんにそれを言われると…反論できないのが悲しいところ。
「せっかくだし、今度の休みの時に乗ってみようか。どうやらこれ、火星まで行けるみたいだしね」
それに、時期的に見ればそろそろ開業に合わせたイベントのレイドボスが出てくる時期のようで、宇宙エレベーター内でもネットがつながって、アルケディア・オンラインがプレイできるようなので、いつもとはちょっと違って、宇宙からのイベント参加ということができるだろう。
いつも同じ環境でプレイするのも良いが、たまにはがらっと環境を変えてやってみるのも悪くはない。
むしろ、宇宙での参加ということで、現実世界での宇宙とオンラインの世界での宇宙を同時に味わえるということでもある。
【まぁ、やろうと思えばグレイ号、もしくは他の船をこちらに呼び寄せて、宇宙へ飛びだってそこでプレイするという手法もできなくはないのですけれどもネ】
「そんなことのためだけに、戦艦を呼び寄せてどうするの」
規模が大きいが、それだとちょっとやることがしょぼい気もする。
というかまず、ホイホイ現実の世界のほうにあの船を呼ぶ気はないからね。
下手な騒ぎになっても面倒だし、それはそれで別の面倒事を引き寄せたらどうする気なのか。
正直言って、宇宙人相手が先日あったばかりなので、当分面倒事はよしてほしいのだが…
「流石にエレベーターに乗って宇宙人と会う…はありえそうだから怖いか」
「エンカウント率、現実でもそこそこありそうだよね。この間、吸血界隈でも宇宙からの吸血新人が来たって話題にもなっていたしねー」
「そんなことあったの!?」
まさかの人外の方から宇宙からの人外との遭遇があった模様。
どうやら人外界隈のほうが、人との接触よりもその手の出会いがありやすいようで、これはこれで普通なことでもあるらしい。
なおその新人、正確言えばちょっと違うようで、数百年前に似たようなのがいたらしく、確認したところその子孫でもあったらしい。
考えてみれば、人外の話って宇宙人がさらりと紛れ込んでいてもおかしくはないか…開業前から密かにいたのであればちょっと怖くもあるが。
でも、今更出てきてもなぁ…何だろうな、この現実世界にちょっとずつありえないものが混ざってきているのに一体になりつつある状況は。
これもあのワゼの策略だったりするのかと思いそうだが、流石に関係無い無いと首を振っている様子も想像できそうではある。
そんなことを考えつつも、宇宙エレベーターに乗る予定を立てて、準備をし始めるのであった…
「ところで乗ったとして、火星のほうに何かやることあるの?」
「聞いた話だと、一部環境改良に成功したようで、ちょっとした観光地が出来ているって。月のほうが近いからそっちの方の開発が速そうだけど、今後のことを考えると火星からさらに先を目指すためにもということで、拠点を作るために投資する人が多くなっているみたいだよ」
…今後のことを考え、しっかりとやっている人も多いようだ。
「宇宙投資か…うーん、資産運営とか将来を見据えて考える人がいたりするから、そういうものに手を出すのもありかなぁ?」
「有名な溶かした顔にならなければ良いけどね」
平和な日常だが、ちょっとずつ染みてくる何か
でもまぁ、止めるすべもないようだし、面倒事さえ起きなければ黙認し続けるべきか
とりあえず今は、思ったよりも早くきた宇宙との…いや、先日飛翔しているな…
次回に続く!!
…中三病さんがどうなったのか。忘れている人多そうな気がしなくもない。




