ver.6.0-1 揺らぎつつあるこの世の中で
…アルケディア・オンライン、待望の大型バージョンアップ。
バージョン5から桁が上がり、バージョン6へと変化した。
恒例の大型アップデートということで様々な要素のパワーアップが毎回期待されているわけだが、今回のバージョンアップは他の要因もある。
世界との融合をする技術が…このバージョンアップで、さらに顕著に表れるのではないか。
そんな中で、いくつかの情報が飛び交って…
「…その中の一つに、まさかガチのものが発表されるとは」
「オンラインと現実をつなぐ、幻の次元特急…これ、多分だけど元妖精女王が使っていたものよね」
「今はまだ、人を乗せないらしいけど…オンラインの中のものをガチで外に出してくるのか」
たまに現れていた、元妖精女王。
彼女が使用していた、オンラインの世界との間をつなぐ列車…次元特急。
冥界まで行ったあの列車と似たようなもののようだが、ちょっと異なるらしく、公に出てきたこちらはしばらくの間貨物列車として行き来するらしい。
だが、その貨物はただの貨物にあらず。
オンラインの世界でしか存在しえなかった鉱石や薬など、様々なものを現実世界に輸送してくるらしい。
その物流によるものなのか、流通経路に関しての整備が一番になっているらしく、オンライン内の移動する乗り物系統も飛躍的に進化を遂げたようだ。
それでも、列車のほうがインパクトが強いのだが…似たようなことが出来るグレイ号を持つ身としては、今更な感じもしなくはない。
というか、あの魔導戦艦もだいぶ規格外すぎるか…こちらも、現実に出つことが出来ることに関しては、まだ秘匿しておいたほうが良いだろう。
いつの日か、自由自在に出入りするようなことになってくるだろうが、下手な噂でも流れて面倒事を引き寄せるのは嫌すぎる。
「ついでに使用人たちもパワーアップして、現実世界のほうはこれまで人形を使用していたものが、生身の状態でオンラインの世界と現実の世界を行き来して、より高度な活動ができるようにか…こっちはこっちでとんでもないことをしているよね」
【世界を超えやすくなった程度の機能を追加しただけですけれどネ。巨大化したり武装したりとかそういった類ではないですが…それでも、主様方への働きに関して、ラグが出ないのは非常に良いのデス】
ぐっとこぶしを握り、気合を入れつつ喜ぶロロ。
彼女自身が完全にオンラインのものと変わらなくなったようで、見た目こそそこまで変わらずとも、何かとやりやすくなったらしい。
使用人、一応現実でも使えていたものはバッテリーによる活動制限があったりしたことが言われていたが…これからはその制限がなくなる様子。
ただし、同時に通常の使用人の場合、雇うためのALがちょっとだけ値上げしてしまったらしく、金策に苦労する人も増加するようである。
ロロの場合は通常の使用人と異なるため、そのようなことは必要ないのだが…なんだろう、制限なしでやばいものを解き放ってしまったようなこの感覚は。
【ふふふ…それにしても、オンラインの世界と現実の世界、壁を隔てての感覚よりも生身で直に行き来できるのは気持ちが良いですネ。これでもう少し、オンラインの世界のほうで使用できる便利アイテムを使えたらよかったのですが…そこままだまだアップデートが必要で、しばらく使えないのが残念なところデス】
使えていたら使えていたで、もっとやばいことになっていたような気がする。
具体例を出すならば、ネズミ相手にガチ兵器を使う未来ロボット…いや、あれよりも破壊性はないとはいえ、別方向にずば抜けてぶっ飛んでいるものになるのを考えるとちょっと怖い。
そのあたりの制御に関しては、今後の運営次第なところがあるので、悪いことにならないように願いたいだろう。
「それにしても、世界の融合よりも先に、モノや人の流れから変革し始めるとは…どういう風になっていくのやら」
今はまだ、限られたものしか行き来できない状態。
けれども、未来へ進めばその制限もなくなって、より多くのものが動くのだろう。
そうなったときにあるのは、果たして何になるのか…まだ7.0の表記しかないバージョンだが、先へ進むことへの期待感と不安感、両方が入り混じるのであった…
「あ、そうだロロ、自由に動きやすくなったとはいえ、出来れば行動は控えてほしいな。例えば、うちの地下にいつの間にかグレイ号がいつでも停船できたり改造もできる場所を作るとか」
【…シナイデスヨ】
…思いっきり目をそらして、カタコトにならないで。
それ、確実にやらかす気満々だったことを示しているよね?油断も隙もなくなって、余計にとんでもない使用人になっている気がするなぁ…
(…もう、作りましたシ)
世界が少しづつ、変わっていく
そう言っていたが、これは盛大な詐欺と言えるようなものなのか
何にしても、近くなればそれだけやらかしも…
次回に続く!!
ええ、決して某侵略宇宙人のような真似はしていないといるのデス
本当に?
ホントウデスヨ。多分。




