ver.5.3-157 ゆったりと忍び寄り
写真に関して、迷う要素が多すぎる。
選択肢が多いとどれに挑んでも楽しそうだと思えるのだが、その分やりたいものが増えすぎてしまうのでやり抜けなくなる可能性がある。
ならばどうすれば良いのか…自分たちだけで考えるのは大変なので、そこは別の手段を取るべきだろう。
「というわけで聞きたいけど、社内でオンラインの写真大会に参加している人っているのかな」
「全員、参加しているが…」
「アレは確かに、迷うよね~」
ハルが務めている会社、オンラインの運営会社と提携したことがあったが、今でもしっかりとアルケディア・オンラインをプレイしている人たちばかりである。
一部、月日がそこそこ流れたことで他のゲームに手を出した人もいるようだが…それでも、アルケディア・オンラインの完成度ゆえにか他のゲームでは物足りず、結局カムバックして楽しむ人も多いようだ。
そのため、同じプレイヤーとして写真大会のイベントを見つけ、楽しんでいるようだが…残念ながら、他の人たちでも今回の写真大会は迷うものが多い。
無理もないだろう、スクリーンショットだけではなく、現実世界での写真も部門にあり、それも含めて参加するとなるとより多くのものに分かれるのだから。
「最初に入り込んだ場所が、思い出部門として撮影できるかと思ったけど、同じような人が結構な数いるようで…」
「大樹の村の、世界樹のような荘厳な光景がありかと思ったら、撮影時に事故って巨大な毛虫が…しかもそれが何故か、驚き部門での評価が高くなっちゃった」
「現実の方でも、使用人と一緒に料理する光景を撮ったら、そこそこいい評価を貰えたよ」
「思い切って、呪術系の儀式を行っている部に頼んで写真を投稿してみたけど…大会が開かれているぐらいだから、他の会社でも同じようなのがあって、同じような考えをやっている人がいたんだよなぁ」
「現実ではありえないような光景のほうが良いかと思ったけど、現実でもやばいのいたからなぁ…はははは、海辺のあれが…」
各々、思いついたのをやっているようで、色々モノが出てくる。
というか、さらっとうちの会社のヤバいものを出したのか…アレ、世に見せて良いものなのだろうか?でも、最近また大会で好成績を叩き出したらしいし、世の中の業が深いのかもしれない。
海辺で何かがあったらしい、真っ白に燃え尽きたやつは細かく聞かないほうが良いかと思って放置しておくとして、参考にはなったが選ぶ基準にできるかと言えばそうではない。
「やっぱり色々とあるかぁ…うーん、迷うなぁ」
「好きなのを撮影すれば良いというけど、そうなると数が多くなるんだよなぁ」
「個人的には、オンライン上の神々大集合のような光景も撮影したいが…ああいうのが一番ネットでも盛り上がりそうなんだけど、そんな光景見れないしな」
まだまだ撮影し足りないようだが、選べるものが多いのが全員悩む種になっている。
部門が多く設置されるのは良いが、次回やるのであればもうちょっと決めやすくなるように、減らしてほしくもあるだろう。
そのあたりは運営側の改善に期待するとして、他の情報をより知ったほうが良い。
こういう時に社内の人間がオンラインのプレイヤーだからこそ、様々な情報を持っていてくれるのは助かるのだが、今回は一筋縄でいかなさそうか。
「でも、変なイベントでもないのは良いんだよなぁ…魔法少女やバニー等の不安もなくて…」
もしかすると、過去からの中で一番まとも過ぎるイベントなのかもしれない。
なんとなくそう思ったが、否定できる材料がない。
悲しいかな、今までのイベントは何かとあり過ぎた。
だがしかし、写真大会であれば大きなトラブルとかも特に出ることは無いだろう。
考えられるものとしては、変態共の対等だが…こちらは先日の騒動でだいぶ粛清されただろうし、根っこが残っていてもすぐに動けはしない。
そう考えると、写真の材料に迷いはありつつも、どことなく安心感を抱くのであった…
「むしろ、今までが奇祭と言って過言ではないものが多すぎたというか…うん、本当に、ほんっっとうにまともだぁ…」
…力強く、大事なことを二度述べるほどの感想が出た。
流石に、写真撮影ぐらいで騒動は無いだろう…いや、あるとしても盗撮とか?ありえそうだけど、大会に出す様なものは無いと思うが…
心の底からの安心感
今までは動くから起きていたが、流石にこれは静止画になるからそうそうないだろう
心霊写真などの定番はありそうだが、それでもどうにかなりそうで…
次回に続く!!
…考えたら、今回のイベントおおざっぱに見ると確かにまともっぽい?




