ver.5.3-153 ふわりふわりときままに
…冥界から帰還し、無事に元の世界へと帰還した。
そこそこ長い休みを取っていた形になるため、仕事へ戻るとそれなりにたまっているのは地獄だったが、以前ほど苦にはならない。
何かと無駄なものが落ちたためにすっきりした気分になっており、視野が広がった分より効率のいいやり方が見えてきて、むしろ前よりも改善したところがある。
けれども、やっぱり休み明けの激務というのはそれなりに疲れるものであり、だからこそ息抜きも必要になるのだ。
「…妖精化してから、花の中に潜って休むというのも、これはこれでリラックスできるなぁ」
のんびりとした昼の時間。
昼食をとったあと、ハルは今、妖精の姿となって花の中で寝ころんでいた。
思いっきり常人ではやれない休み方だが、これはこれで癒されるもの。
しかも、オンラインの世界ではなく現実世界のものなのに、しっかりと妖精としての利点を活かせるのが良いところである。
まぁ、流石に人の目に付いたら不味いので、バレにくい場所…緑化だとかヒートアイランド対策だとかであるような、ビルの屋上に設けられた花壇内での休みである。
もちろん、盗撮対策やうっかり監視カメラに映ることが無いように、ちょっとばかり周囲の屈折率を弄って簡易的な光学迷彩による透明化処理を施している。
女神ほどではないとはいえ、妖精の状態でもそれなりに色々とできるが…こちらも、冥界でのことが良い経験になったのか、力の扱いがスムーズになった感じがする。
なんとなくだけど、より純粋な妖精の力も扱えるようになったというべきか…この辺りに関しては、あとで確認しておくとしよう。
女神も妖精も、どちらもその力を扱えるようになってきたとはいえ、深みにはまると何か不味い気がしなくもないのだ。
はまるほどというわけでもないが…経験上、ロクデモナイことになる可能性も否定できない。
それだけの経験を積んでしまったというのもどうなのかと思うが、やってしまったのであればしか方がないことである。
「っと、そろそろ休憩を終えておこうかな…」
時間を確認すれば、もう間もなく昼休憩が終わる頃合い。
さっさとバレないように人の姿に戻っておいて、午後からの作業に精を出すべきだろう。
終わった後、直行で帰宅してからミーちゃんとオンラインで遊ぶ計画を軽く立てて、すぐに動くのであった…
「はぁぁ…今日も良いスクープが取れなかった…」
…ハルが社内に戻って数分後、外を歩きながらそうぶつぶつとつぶやく人物がいた。
人の興味を引きそうなことは、そうたやすく起きるわけではない。
だがしかし、運命は時として引き寄せることもあり…それが起きるまで、あと数日…
色々と落ち着き、純粋な力の扱いに慣れてくるだろう
オンラインの世界でも生かせそうだが、現実で使うのもちょっと抵抗が無くなっている気がする
そんな中で、何かしらの風が吹きそうで…
次回に続く!!
…運命の神というものがいたら、作者の全キャラが総突撃かけるか




