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ver.5.1-91 烏合の衆にならぬように

「…イベント?」


 ここ最近、何やらミーちゃんが何かを警戒しているようなそぶりを見せており、いつぞやかの退魔師だったかエクソシストだったか吸血鬼ハンターだったか…そんな面倒な輩がまた付け狙ってきているのだろうかと思っていた今日この頃。

 気分転換にでも面白い星でもあったらそこに誘おうかと思い、アルケディア・オンラインにログインしたところ、イベント開催予告の通知が来ていた。



「へぇ、珍しく魔導船(戦闘力有り)を所有しているプレイヤー限定のイベントか。基本的に制限を設けないようなイベントが多いけど、珍しく制限ありきなもので…」


 開催予告通知とされているだけあってか、まだ詳細はは不明な部分がある。

 けれども、アルケディア・オンラインでは珍しい参加制限がかけられているイベントとなると、何かとんでもないことを運営はやらかそうとしているのではないだろうかと、不安と興味を同時に抱かされる。


 内容を見ると魔導船…それも、兵器を搭載しているものを持っているプレイヤー限定。

 どういう兵器でも良いが、ある程度の威力があると認められたものしかないようで、変態的なものの類搭載船などは除外されるらしい。


 というか、そんなもの搭載するやつがいるのか…無いと言い切れないか。

 変態型搭載艦の定義自体、実は結構あやふやらしいからなぁ…投石器とか弓百連砲などを搭載している人もいるらしいし、中には動画を上げて宇宙海賊相手に蛮族攻撃しまくって勝利みたいなものを上げていた人もいたはずである。


 無茶苦茶だが、そういうものも除外するとなると、イベントのほうもまた何かあるなこれ…ここの運営のことだから、とんでもないことをしでかす可能性もある。





 でも、形式的にみればレイドイベントに近い類のようで、ある程度の艦隊を組んである敵と戦うみたいな内容になっているが…これって、大丈夫なのだろうか。

 プレイヤー同士の争いにならず、何か別のものが用意されているとしても、下手したら烏合の衆になっているようなところもできかねないが、そのあたりの対策もしているのだろうか。


「今のところ、開催予定日は約1週間後か…うーん、出てみるのもありかな」


 あの魔改造されまくったグレイ号が目立ちそうだが、戦力的には問題ないはず。

 なお、既にこの情報はネットに出回っているようで、魔導船を求めて蠢く人や、今回は参加を見送ろうかなという人など反応は色々と異なっている。


 運営としては珍しい、条件付きのイベントだしなぁ…やろうと思えあそこまで難しくもないはずの条件だが、やはりこういう門が設けられると潜り抜けるか否か、考える人も出るようだ。


「あ、というかこのイベント…ミーちゃんさせないかな?」


 参加条件を見ると戦闘力を有している船だが、ミーちゃんの持っていた船は確か列車型の魔導船。

 基本的には牧場の星で産出した品々を輸送するための貨物列車として使用しているのだが、あの列車に戦闘力があるのかが疑問である。




 

 そう思い、ミーちゃんに今回のイベントの話と戦闘力に関しての疑問を問いかけてみたところ…


「え?あの列車、一応列車砲あるから条件を満たすよ」

「え、列車砲?それってこう、バカでかい大砲みたいなのが想像できるけど…」

「いや、流石にその規模は厳しくて…貨物列車の一部を、襲撃撃退用に戦車の頭をくっつけた簡易的なものにしているよ」


 要は某宇宙列車で見るような兵装に似たものを付けているらしい。

 なお、他にも一部貨物列車からは牧場からのモンスターを直接転送して撃ちだすシステムを搭載しているらしく、臨機応変に対応できるそうだ。


「なら、それはそれで参加条件満たすだろうし…せっかくだからミーちゃん、このイベント参加しようよ」

「うーん、この時期にこのイベントか…なんか怪しい気がするけど、春がやりたいなら、私も一緒にやろうかな」


 誘ってみると快い返答を貰った。

 まぁ、実際に参加するまでに多少は改造が必要そうだが…こういうイベントを一緒に楽しめる人がいるというのは良い話だ。


 とにもかくにも、僕らは共に新しいイベントへ参加を決めたのであった…




【改造なら、私が行いましょうカ?】

「いや、私のほうも使用人がいるから、そっちに任せるよ。(ロロだと、グレイ号の二の舞になるのが目に見えているからね…)」


…ロロの言葉に対して、断ったミーちゃん。

 なんとなく、その心の声が聞こえたような気がする。



 あれ?でもよく考えたら、ロロと変わらないような使用人ならば、結果も変わらないのでは…気が付かんかったことにしておこう。

 結果が違うことを祈りたいが、何故だろう。どうしても変えられない運命というものを、見た気がするんだよなぁ…


運命を変えると言うのは難しいことだ

それが例え人だろうとそうでなくとも、厳しいもの

幸いなこととすれば、あちらはまだ多少は常識人枠というか…

次回に続く!!



…他も続々とね

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