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ver.1.1.1-38話 み~っつの力を、ひとつにすれば~

【ウゴォォォォス!!】

 

 咆哮をあげ、毒霧が晴れて良く見えるようになった僕らの姿を確認し、フォレストガーディアンは拳を振り下ろしてくる。

 あの一撃だけでも相当重く、まともに喰らえばHPを一気に削られるのは目に見えているだろう。

 だがしかし、まともに喰らわなければ良い話しであり、全員の素早さがあればギリギリのところで回避し、受けることは無い。まぁ、その拳圧によって生じる衝撃波でふっ飛ばされるが、それを計算にいれてわざと衝撃波に巻き込まれる。


ドッゴォォォォウウ!!

「ぐっ、直撃でなくとも結構来るけど、マシな方だ!!むしろいい距離稼ぎにはなった!!」


 ふっ飛ばされたからこそ、ある程度の距離を一気にとることが出来た。

 飛んでいる最中の追撃こそ恐ろしくもあったが、そこまでは流石に動いていないようで、相手は僕らの動きを追って顔を向ける程度に留めている。

 そして今は新たに装填し終わった光線を撃とうと文字通り目を輝かせて、狙いをつけている。


‥‥‥けれども、考えてみて欲しい。目から光線を放つという事は、その光線の直撃するところへ目を向ける必要があるという事を。

 つまり、こちらへ狙いを定めている時にはその目は直撃する場所へしか向けられず、どうあがいても隙が生じてしまう事でもある。


「マリー、リン!!作戦通りまずは第1段階を!!」

【シャゲェェ!】

【ガウウウ!!】


 セレアに騎乗しながら相手の目を惹く間に、素早い動きで左右からマリーとリンがフォレストガーディアンへ接近する。

 けれどもその動きは、先ほどまでの探るようなものではなく、明確な意図をもって突き進むゆえに、迷いなく迫る事が出来る。

 それぞれの手には先ほどまで持っていなかった武器が握られているが、攻撃を準備するためのモノであり、攻撃を仕掛けるのではない。こちらが出来る攻撃を最大限生かすために、まずは邪魔なものを全部切り飛ばしてもらうのである。


―――――

『ドラメタル製草刈り鎌』

制作評価:11

効果:ふんだんにドラメタルが使用され、軽量化と切れ味を増した強靭な草刈り鎌。草刈り鎌も扱い方を間違えれば十分殺傷能力が高いものになる例を示すが、植物が含まれるモンスターに対しては切断能力が向上し、特攻効果を持つ。また、薬草を採取する際に使用すれば、鮮度がより高い状態で確保することが可能になる。

―――――


【シャゲシャゲシャゲシャゲェ!!】

【ガウガウガーウ!!】


 先日の一件で手に入れた特殊金属ドラメタル。その使い道をどうして見ようかと色々と試行錯誤する中で偶然出来上がってしまった錬金術師としては素材採取の際に非常に重宝する代物であり、この場においては最適な回答を導き出す道具となるだろう。


 それぞれが素早い動きで相手の身体を上り、その全身を覆う蔓や枝葉を次々と切り落としていき、表皮をむき出しにさせていく。

 攻撃を防ぐ役目も持っていた相手の盾ともなり得る植物が伐採され、その動きにフォレストガーディアンは気が付くも、叩き落とす前にこちらの方へ意識を向けさせる行為を、僕は取った。


「こいつでも喰らえ!!」


 目を横に向ける前に、そのまなざしめがけて僕が投げつけたのは、一本の大きな槍。

 槍使いでもないのにそんなものを持っている理由としては、色々と改造を施し、この場で使える武器として利用するためである。

 ガントレットに爆薬を仕掛けてロケットパンチを再現できたが、それでは主な攻撃手段は打撃攻撃となり、相手によっては効果が出ないだろう。

 ならば、殴るだけではなく切る、貫くなどの方法が取れそうなものがないかと思って捜した結果、見つけた武器の一つにこの槍を利用したのだ。


 デュラハンもとい名もなき騎士の使っていたドリルのような槍も参考にして、流石にドリルの仕組みが分からなかったので作れなかったが、似たようなものを再現するために、側面に小さな爆裂薬が作動する仕掛けを施し、次々と連鎖的に爆発させることで疑似的に回転させて貫く力を高めた代物へと仕上がった。


 そして今、その槍が投げ出されると同時に、ロケットパンチ同様に吹っ飛び、回転しながら相手の頭へ突き刺さる。


ギュルルルルルザグゥゥゥゥゥゥン!!

【グゴォォォォォォォ!?】


 残念ながらモノアイのような目には直撃しなかったが、頭に突き刺さって大きなダメージを与える。でも、これだけで倒せるような相手ならば苦労はせず、だからこそこの混乱の隙を生じて相手の防御を剥がしていくのだ。

 刺さった槍を抜こうと動こうとする間に、マリーとリンは素早く仕事を終わらせ、地面に降りて僕のもとへ戻った時には、フォレストガーディアンはただの木偶人形のような姿になっていた。

 もっさりと生えそろっていた茂みは刈り取られて、直ぐに生えそろおうと動くようだが、こちらの攻撃を軽減するための行動がすぐには行えない。


 そして見る。相手の守るべきものが失われた今こそ、弱点と呼べそうな部位を探るために。

 頭に攻撃するのは定番だが、相手は大樹から産み落とされたフォレストガーディアンと考えると、木だから脳みそとかが頭に無さそうだと思って、動いた方が良いと思う。


「‥‥‥案の定、茂みに隠れていた部分に、弱点っぽいのがあったな!!」


 うっそうと覆っていた茂みがすべて取り除かれ、むき出しになった腹の中央部に、穴があった。

 そこに目を向ければ、奥の方にきらりと輝くひし形の物体が見えたが、これがおそらく本当の相手のコアのような‥‥‥こういう巨大な人形のような輩にとっては、文字通りの弱点となりうる部分なのだろう。あまりにもあっさり見つかって逆に怪しいが、ふとのじゃロリ(レティア)のほうに目を向ければ、「げっ」と小さくつぶやいていた。演技でもないようで、どうやらそのものらしい。


「ちょっ、お主ら何をする気じゃ!?勝負として相手を丸裸にするような真似は、流石に」


 あわあわと慌てふためき始めた彼女を置いておきつつ、僕らはほんのわずかな相手の出来た隙に全力を注ぎこみ、この一撃に賭ける勢いで加速する。

 セレアに乗っている間にマリーとリンが乗り込み、組体操のごとく陣形を組み、マリーがとぐろを巻いてばねのような形となり、その上にリンが乗って、僕も乗る。



【バルヒヒヒヒーン!!】


 急ブレーキをかけ、加速していた勢いに投げ出されると同時に、ばねのようにしていた体を伸ばし、マリーが跳躍する。

 

【シャゲェェェ!!】


 跳躍後、更にリンが僕を蹴り飛ばし、さらに加速をつけて僕の身体が吹っ飛ぶ。


【ガウガァァァァウ!!】


 それぞれの持ちうる素早さを一つにして、多段ロケットのように一気に加速して素早さは最大にまで高まる。


 そしてその勢いそのものは武器となり、最後の仕上げに用意していたガントレットを装備して、迫る相手の弱点へ狙いを定める。


「全員の力を、喰らえぇぇぇぇぇぇぇl!!」



 ドオォォォォンッと最大の爆発が引き起こされ、ガントレットに仕掛けていた爆薬がさく裂して爆風を巻き起こし、加速を重ね掛けされて勢いを増す。

 

 普通のガントレットだったら確実にぶっ壊れるのが目に見えるが、あいにくこれもまたドラメタルをふんだんに使用しており、現時点で最大の物理攻撃を誇る一撃を、この加速で上限を突破させる。



ドッゴォォォォォン!!バギィィィィン!!

【グッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォズゥゥゥ!?】



 着弾し、何かを砕くかのような音をさせて体を貫き、フォレストガーディアンは断末魔を上げた。

 長く、そしてまだ持ちこたえるかのようなそぶりを見せようとしたが、それでも的確に弱点を撃ち抜かれたせいなのか身を震わせ、地面に倒れ伏した。


 そのままモンスターが消えるかのような光のエフェクトが発生し…‥‥ドロップ品が手に入る音を、僕は聞いた。


―――――

>「フォレストガーディアン」の討伐に成功しました!!

>『大樹の試練:森の番人との戦い』攻略完了!!さらに、特殊な条件も重なりました!!

>ドロップ品「ガーディアンコア」、「大樹の表皮」、「防衛の蔓」を入手しました。

>称号『大樹に認められしもの」、『連携攻撃熟練者」、『お仕置き許可人』を入手しました。

―――――


‥‥‥あれ、今何か、おかしなものが混ざってなかった?

 落下中にふと気が付き、着地する前にささっと内容に目を通す。


―――――

『大樹に認められしもの』

大樹の試練に打ち勝ち、その実力を見せつけることが出来た者に与えられる称号。勝利しても敗北しても、全力で相手をしてその想いが強ければ、入手可能。特殊な効果として、エルフの村内のNPCから道具の売買に関して購入時30%Off、売却時50%UPの効果が永続する。


『連携攻撃熟練者』

一定回数の連携攻撃を仲間と共に積み重ね、成功させた者に付く称号。称号の効果としては連携攻撃時に更に威力を増すことが可能になる。また、連携時に特別な「合体技」というものが生じることがあり、さらに別の効果を発生させる。


『お仕置き許可人』

運営があらかじめ予想して、試練の中に仕掛けた特殊な称号。どうせ改善しても根っこがどうにもならない輩がいるのを見据えており、大樹の試練をクリアできた者の中で、大樹自身の判断によって授けられる称号でもある。

この称号があるプレイヤーに限り、NPCがやらかした際に公認でやり過ぎではない範囲のお仕置きが可能になる。なお、お仕置きでHPを減らすことは不可能にされているので、うっかり死亡させることは無い。


―――――


「運営、よくわかっているじゃん!!」


 まさかの今回得られたもののなかで嬉しい称号に、思わずそう叫んでしまう。

 でも、予想できたのであればもうちょっとどうにかして欲しかったような気がしなくもないが‥‥‥ああ、ようやくお仕置きが可能になるのかぁ‥‥‥


 色々とやりようはあるが、今は着地をどうするのか短い判断をせまられるのであった。

人数的には一人と3体なのだから、サブタイトルがあっていないとではというツッコミは無しで。

それはともかく、まさかの仕掛けられていた公認の称号。

というか、これが用意されるってことは、この先にもまだあるのか‥‥?

次回に続く!!



‥‥‥なお、着地を任せたくともこの面子だとひと悶着ありそう。

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