表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
266/718

ver.4.1-55 結論から言えば、多少融通は利いているようだが

…中三病さんによる、帝国奇襲決闘事件から数日が経過し、沙汰は下されたらしい。

 運営のほうに今回の件が連絡を行うことになったのだが、やらかした内容としては少々不味かった。


 何しろ、正規のものではないデータの使用や入手方法、改造での自爆システムの設置や自爆管理放棄等々ありすぎたのだ。

 流石にアカウントBANもあり得るかと思われたが…元々の発端が姉弟喧嘩みたいなものだったり、違法なものという認識が薄かったりなどのことも配慮されて、アルケディア・オンライン内での処罰としては現実での2週間ほどのログイン禁止になった程度で済んだようだ。


 ただし、現実のほうはそんな軽いものでは済まなかったらしい。


 オンラインに入っている以上、運営にプレイヤーの情報はどうしても入っているもの。

 本来は個人情報保護のこともあってか、悪用されないように厳重に管理されているのだが、今回の詳細情報を確認したうえで、現実での処分としてティラリアさんへ中三病さんへの徹底的なお仕置きを行うように手助けがなされ…現実でも居場所がどうやら行方不明になっていた中三病さんの隠れ家が突き止められて、御用となった。


 

「そして、しばらくの禁止処分前の最後のメールが…ひたすら『タスケテ』の文字でびっしりの怪文章か…うーん、どういう目に遭っているのか、聞きたくないな」

【ピャァァァ…】


 中三病さん最後の断末魔メールというべきものを見てハルがつぶやくと、その横で中身を見てうんうんと同意しながらうなずくシアの姿があった。

 でも、その姿は霧状のものになっておらず…銀髪ゴスロリ少女のものであった。

 まぁ、中三病が残した決戦兵器の姿そのままではなく、ドラゴンっぽいしっぽや角が生えた姿になっていたが。




…自爆を停止させた後、こちらの機体の処理に関しての話もあった。

 止めるためとはいえ、シアを入れた状態なので、このまま廃棄処分とかされたら困るところ。

 持ち主であった中三病さんが違法に入手したものなので、少々の間運営に回収されていたが…どうやら今回のことで何とか自爆を止めた功労の部分も評価されたらしく、そのまま渡されたのである。

 一応、元の機体のままだとプログラムに問題が出る可能性があったようで、運営側のほうで様々な処置が施されて、正規の特殊進化という形で、テイムモンスターに改めて加わったのだ。


 種族名は『ドラゴノイド』。ドラゴンの力が混ざったアンドロイドみたいな種族ということで、データも一部流用して正規版のモンスターとしても出現するように調整されたらしい。

 ただ、流石にここに至るまでのことで、シアの場合はネームド扱いになったゆえか通常種よりもかなり強化されているようだ。



「何にしても、巻き添えになっていたことも考慮されたのもあって、僕らのほうに何もお咎めとかなくてよかったなぁ…」

 

 悪いことはしてないのだが、不安は一応あった。

 違法なものに正規のデータを無理やり突っ込む力技やらかしたからな…女神のスキルを使用したものとはいえ、これはこれで大丈夫なのかと思うところもあったが、何もやましいことではなく、むしろ恐竜帝国の住民を自爆から救ったような形になったので評価はされていたようだ。


 なのでこのまま中三病さんが心血を注いだ作品を、僕らが手にするような結果になったが…うん、今回の件でなんか得したのかもしれない。

 しいていうのであれば、中三病さんを現実でしばき倒す前にティラリアさんに状況を伝えたら、滅茶苦茶触りたがっていたようだが…自分の弟がやらかしたこともあって、そちらの始末に心血を注ぐべく、またの機会に見送ったようである。


「大丈夫デース。今回は運営の寛大な対応をしていただけたのデースが、二度とこんなことが起きないように、しっかり姉弟の絆を深める方に集中していくのデース」


 うんうん、姉弟の絆が深まるのならば特にいうこともないだろう。

 僕らのところへ突撃して、あの樽つぶしの悪夢の再来も当分ないだろうし、おとなしくしてくれるのであればそれが一番いいだろう。

 ただ、そのいただいた返答の隙間に中三病さんの助けを求めるような声が聞こえたような…いや、あれは気のせいだったと思いたい。仕置きもやった後に、絆を深めることをするのであれば、そんな助けを求めるようなこともないはずである。そうだと思いたい。



「とりあえず今日は、シアのその種族名もわかったことだし、新しい力がどういうものなのか把握することにしようか」

【ピャアァイ!!】


 僕の言葉に対して、シアはやる気満々の返事と表情を見せるのであった…



―――――

『ドラゴノイド』

ドラゴンのモンスターの意識が移された、特殊な機械人形。

ゴーレムなどの人形があったところへ、ドラゴンの霊魂が憑依して誕生したということにもなっており、宇宙の星々の中でいくつかその存在が確認されている。

人形によって大きく容姿が異なっており、性能や性格に関して、通常は容姿に準じたものになっているともいわれている。

―――――

処罰としては、軽いほうかもしれない

でもまぁ、現実で直接喰らうほうのものに比べると…いっそ、停止された方が良かったか

まぁ、その選択肢は与えられることもなく、しっかりティラリアさんと…ね

次回に続く!!



展開的に、ちょっとスパイスも欲しくなってくるか…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ハルさんの方から見れば弟の暴走と姉のわがままに巻き込まれただけだし、 怒られるどころか姉の方からお詫びをもらってもいいぐらい >ちょっとスパイス 女体化スキルの現実化(違
[一言] スレ民の予想が的中したわね……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ