表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
223/718

ver.4.0-14 黒き裁きは、すぐ近くに

‥‥‥目を覚ましたら滅茶苦茶さわがしい状況になっていた。

 何を言っているのか、自分でも分からないが、暴れ狂っているプレイヤーたちの様子を見ると迂闊に出ることもできないだろう。


「というか、何だこの状況‥‥‥え、ここのダンジョンに悪の女幹部一行でも降臨したのか?」


 ブンッっと音を立てて表示される外の光景を見て、中三病は戦慄した表情で外の光景を確認する。


 ギガントメタルゥマンとの戦闘を経て下に堕ちたが、帝国から盗んできた対巨(以下略)『ザウスール』の耐久性が高いのも有って、中にいる操縦者の身の安全は保障されていたらしい。

 がれきに埋もれているのだが、それでもザウスールのカメラアイを伸ばし、ひょっこりと隙間からのぞくことが出来る余裕はあったのだが‥‥‥がれきの上に繰り広げられている戦闘は、そんな余裕をふっ飛ばすような状況だった。


【シャゲェェェェッ!!】

【オォォォォォォン!!】


 毒々しいガスがブレスのように噴き出され、そこに黒い焔が混ざり合い、強烈な爆発が起きて何やら金属の敵が爆破されt、溶かされていく。


【バルルルルルゥ!!】

【ギャベェェイ!!】

【ピキィィィ!!】


 投げ飛ばされる槍が電撃を纏い、後方についている糸が回転して飛ぶことで当たっていなかった相手も切り裂きつらぬき、吹き飛ばす。


【ユッーーーーキ!!】

【【【ダルマリアーン!!】】】


 号令によって巨大な氷や雪で出来た兵士たちが拳や剣を振るい、数で押してくる相手を暴力をうわ回る。


 どこかで見たことがあるような、それにしては余りにも美しく凶悪な攻撃が繰り広げられている。

 そんな中でさらにひときわ目立つのは、風になびく黒髪を持った女性が、全員の攻撃を合わせたような攻撃を周囲へ振るっているところだろう。


「うわぁ、あれって確かレイドとかでも見たころあるような‥‥‥黒き女神か」


 蹂躙する様は、まさに神の名にふさわしく、何者も寄せ付けない圧倒的な強さを誇る。

 雷装が周囲を薙ぎ払い、爆発する黒い球をいくつも作り出して嵐のように振るい、黒き鎧をまとった氷の兵士たちを大量に呼び出し蹂躙していく。


 よく見れば周囲には他のプレイヤーたちがおり、レイドボスバトルという様子でもないようで、協力して湧き出てきている鋼の兵士たちを潰しまわっている様子も見えるだろう。

 この様子から推測すると、おそらく自分のやらかしたダンジョンの床崩落によって巻き込まれたプレイヤーたちであり、あの黒き女神もその仲間の類。

 そして導き出される結論としては、ダンジョンの階層を突き抜けて道の場所へ全員落下し、そこで湧き出ている無数のモンスターと対峙せざるを得なくなったという事なのだろう。



 つまり、彼女達が望んできたのではなく、やむを得ず全てを吹き飛ばさなければ不味い状態。

 さらに言えば、ここでその元凶が自分であるとバレた場合‥‥‥この猛撃ぶりを考えると、間違いなく消し炭にされる可能性が十分にあり得る。


「まずったなぁ‥・・・顔が出しづらいし、このまま息をひそめるしかないのか」


 幸いというか、がれきの上で戦っている者たちはまだ埋もれている中三病に気が付いていない様子。

 散々蹂躙激が繰り広げられているとはいえ、足場が悪化するのを避けているのか、落ちるのを避けるためなのか攻撃はどうにか横方向もしくは上方向に絞っているようで、このザウスールが出てきてしまう心配もない。


 となるとここは、全員何処かへ去ってくれるまで息をひそめておくのが正解だろう。

 その為、極力稼働音がしそうな部分は動力を停止させ、他の操縦席にいるテイムモンスターたちもいったん戻し、出力を最低限にして気配を絶つ。

 こういう時に、獲得していたスキル‥‥『超・気配遮断』があってよかったと中三病は安堵の息を吐いた。残念ながら、どういう訳かあの恐怖の姉には全く通用しなかったが、そうでなければ案外通用する者らしい。


 そしてしばらく待ち‥‥‥この場所に押し寄せてきていたらしい敵モンスターがだいぶ減ってきたところで、攻勢に移ったのか黒き女神及びそのご一行は離れていく。


 最後まで油断せずに、足音が消え去るのを待ち‥‥‥ようやく音が聞こえなくなったところで、がれきから身を起こすのであった…‥‥


「ふぅ‥‥‥ひとまず、嵐は去ったか?しかし、黒き女神とかその仲間とかヤバかったが‥‥何とか去ったとは言え、また来るとも限らないし、極力出くわさないように違う道を探して逃げるか‥‥」


‥‥‥ここに留まっていたら、戻ってくる可能性も否定できず、音を立てないように気を使いながら動き出す中三病。

 その選択が吉と出るか、凶と出るか…‥‥あえて言うのであらば、この星に超高速ワープで接近しつつあるものがいるという事ぐらいだろうか‥‥‥





黒い嵐は去り、出くわさないように動き出す。

耳を、目を、フルに活用し女帝から逃れる技術をここに生かす

だが、それは儚い逃走劇となりうる可能性があり‥‥‥

次回に続く!!



‥‥‥ある意味、まだ自由に出来ているこの時間も儚い夢か

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ