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ver.3.2-66 育て方は、色々と

『プチワーム』

かなり小さな芋虫のようなモンスター。その大きさは現実の虫と大差ないぐらいのサイズ。

食べる餌によって進化した後にあるさなぎになる時と成虫になった時に吐き出す糸が変化しており、最高級のものはシルクワームから得られるものと大差ないほどのALを叩き出すことが可能。

また、餌によって意図が変化するので、条件によっては猛毒の糸や燃えまくる糸などの特殊なものも入手できる可能性を秘めている。

なお、通常進化は『プチアゲハ』であり、こちらの場合、鱗粉も入手可能。

―――――


「なるほど‥‥‥こういう感じに成長するのか」

「食べる種類によって、結構な種類の分岐があるようだね。グランドアゲハにサイレントアゲハ、虫なのになぜかスケルトンアゲハなんてのもいるようだよ」

「骨のアゲハ蝶ってなんだろう‥‥‥」


 図鑑を見ていくつかの進化先を見るが、どうやら成虫‥‥‥蝶になっても糸を出し続けることが出来る虫のモンスターのようで、これはこれで中々都合が良い。

 条件によっては糸使い以外にも錬金術に役立つ糸も出せるようだし、元の職業に戻しても使えるとは非常に便利なモンスターだろう。


「テイム条件は『餌品評会』‥‥‥納得する餌を食べさせれば発生するやつか」

【---】

「すでに懐いているようだけど、テイムには至ってないよね」


 倒木から助けたおかげか、プチワームは僕らに懐いた様子。

 ライトスパイダーが見つかっていない今、このモンスターをテイムした方が良いような気もするだろう。


「でも、アルスさんたちはテイムしなくていいんですか?」

「ん?いや、僕等は良いよ」

【私の糸があるし、ハウスシステムではウルトラシルクワームのシルシルちゃんがいるの!こっちも糸を出すことができる専門家で、十分糸の供給が間に合っているよ!】

「ウルトラシルクワーム‥‥‥何だろう、それはそれで気になるような」


 見たいような、人によっては悪夢のようなモンスターがいるようで、僕等の方にテイムできる可能性を譲ってくれるらしい。

 ならばここはお言葉に甘えて、僕等のほうでテイムを行うことにする。


「とは言え、納得のする餌って何が良いんだろうね?」

【シャゲェ?】

【ガウガウゥ?】


 芋虫のようなモンスターなのだから、葉っぱとかがありそうなものなのだが、どうやらこの類のものは雑食性どころか何でも食べるらしい。

 過去の例を見ると火山から飛んできた石とか、金属のインゴット、宝石なども捕食することがあるそうで、簡単に答えが見つけられないになっていそうだ。


【でもここは、私が聞くよ!虫さんの言葉、分かるからね!】


 ハクロさんが手を上げて提案してくれたので、その案にのることにした。


【プチワームさん、プチワームさん。あなたはどんな餌が好みですかー?】

【---】

【ふむふむ、なるほど‥‥‥わかりました!】

「ハクロ、何が好みだって言っているんだ?」

【甘いものだって!】


 甘いものが好きな虫とはこれいかに。いや、でも考えたら虫に甘いもの好きはイメージ的には合うかもしれない。

 とにもかくにも、甘いものがあればテイムできる可能性はあるのだが、そんな都合の良いものはあったかな?


「食用品だとバフが付くのがあるから、色々と持っていたような‥‥‥あ、あった。ロロ特性の『ミントアイス』!!」


 正確に言えばミントではないものを使っていたりするが、何故かミントアイスの表記がされたアイスなのだから仕方がない。

 まぁ、トマトやリンゴじゃないものでケチャップやアップルパイが出来ているあたり、そこはご都合主義な部分があるのかもしれない。あ、でもこのアルケディア・オンライン特有の食材で出来る料理の中にはきちんとそのオリジナル名でなっているものもあるので、例外はあるだろう。


「じゃ、これどうぞ」

【--、---!!】


 体のサイズ的に大量に食べられないだろうし、少しだけとって与えてみる。

 クンクンと虫なのに鼻があるかのようなしぐさで嗅ぎ、食らいつき‥‥‥どうやら気に入ったようで、すぐにむしゃむしゃと食べ始めた。


【---♪】

―――――

>テイム条件を達成しました。

>『プチワーム』のテイムが可能です。テイムいたしますか?

―――――


 っと、今までの例とはちょっと異なるようで、このプチワームはネームドものではなかったらしい。

 いつもがおかしいだけで、おそらくこれが普通なのだろうが‥‥‥何にしても、今回はきちんと僕らの意思で決めて行うテイムなので問題はない。


―――――

>テイムが承認されました。

>『プチワーム』のテイムが完了!!プレイヤー『ハル』のテイムモンスターになりました!!

>名前を付けてあげますか?(名前なしの場合、名無しのごんべぇもしくは種族名で登録されます)

――――


「いや、前者は無いだろう‥‥‥でもまぁ、きちんとつけるよ。良い感じの糸を出してもらいたいのもあるけど、どういうのが良いのかな?」

「うーん、そういうのを考えるのって難しいよね。いっそ、何か元ネタがあればやりやすいんだけど」

【名前の袋小路、脱出して良いのつけてあげたいよね】

「脱出してか‥‥‥あ、それなら良いのがあったかも」


 ハクロさんの姿を見て、ちょっと名称違いの別の話をふと僕は思い出す。

 こういうアルケディア・オンラインのようなファンタジー感のあるゲームの元ネタとかを探すのも好きで、ちょっとばかり色々な神話とかも読んでいる時があった。

 その中で、迷宮を脱出する際に使われた糸としての話にあるのが、アリアドネの糸。ミノタウロスの迷宮から脱出する際に使われたものだけど、アラクネとは違うが似たような名前で結びついた。


「そこから考えて、逆さに呼んでネドアリア‥‥‥『ネア』で良いかな?」

【---】


 どうやら承認してくれたようで、うんうんと頷くプチワームことネア。

 久しぶりに、僕らは新しい仲間をテイムすることに成功するのであった‥‥‥‥




【そう言えば、私のスキルでこの子みたいなのになったらどうなるのかな?】

「やってみれば?」

【うん!それっ!!】

ボワンッ!!

【---!!】

「「小さっ!?」」


‥‥‥まさかのミニサイズになっていた。いや、これはこれで色々とできそうな気もするが‥‥‥


 

新入りの、プチワームのネア!

育ってどんな糸を出してくれるのか、非常に楽しみである。

何と言うか気分は、蝶の幼虫を育てている小学生の感じもするが・・・・・

次回に続く!!




‥‥‥カブトムシ系のものもありだったけど、流石に今回は無かった。いつか某甲虫王者みたいなのやりたいなぁ。復活してくれんかなぁ‥‥‥

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[一言] 大きくなると沢山並んだ目の色が平時は青、怒ると赤になるようになったり、金色の触手で傷を癒せるようになったりして。 主人公には、青き衣を纏いて金色の原に降り立つというイベントをやってもらうの…
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