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ver.3.1-40 船内での、大混戦

‥‥‥相手の船に乗り込んで戦うこともできるように改造しているとはいえ、繋がっている部分のせいでお互いに失速し、後方から追ってくる船たちが抜かそうとする。

 だがしかし、そんな簡単に追い抜くことはできないようになっている。


【オォォン!!】

「どわぁぁぁあ!!帆が大炎上したぁぁあ!!」

【ギャベェェィ!!】

【シャゲェェェ!!】

「ぎゃああああああああああああ!?」

「大爆発と毒状態がぁぁぁ!!」


 吐き出される炎がたっぷり詰まった砲弾が見事に着弾し、進むための帆を失う船。

 毒の霧が周囲を覆いつくし、着火して爆発する船。


 様々な船が妨害工作によって大破し、あっと言う間に船の墓場が後方に出来上がっていく様子はさながら地獄絵図‥‥‥いや、海だからサルガッソーとかバミューダ海域のようになっているとも言えなくもない。

 とりあえずこれで時間稼ぎもできているが、今気になるのはそれぞれの船に潜り込ませた彼女達の様子だが、ログで確認が出来るようだった。




【ヒャヒィヒヒィ!!】

【ガウガウガーウ!!】

【バルヒヒーン!!】

【ヴボッヒィン!!】


‥‥‥馬車の船に潜り込み、棍棒を持った馬のモンスター「ホースファイター」とリンが格闘技でぶつかり合い、槍を持って戦うセレアと剣を持って戦う馬のモンスター「ナイトホース」と技の応酬がなされている。


 お互いにぶつかり合うも、狭い船内では暴れにくいところがあるようだ。


 けれども、こういう狭い場所での戦闘は長物を持つ方がより動きが制限されやすいようで、リンに押されてホースファイターのHPが減少し、セレアとナイトホースはお互いに武器を振るいにくいようで、動きが鈍くなる。


「とは言え、相手の残りやプレイヤーは船外に出て砲撃しているようで、こっちに気が取られているか」


 ならばコユキの方はどうなのかとみると、妖怪のようなモンスターたち相手に、雪だるま兵をぶつけていた。


【ユッキユキー!!】

【【【ダルマァァン!!】】】


 対抗戦内であった軍事統制のとれた人たちを見て学習していたようで、コユキの指示がより的確に出て、雪だるま兵たちがフルに生かされているらしい。

 また、召喚する兵士たちの質や種類もパワーアップしているようで、雪のような塊だった兵士たちの中には石や氷が詰まり、より凶悪化している。いや、普通の雪合戦ならルール違反と言って良いような奴が多いようだが…‥‥気にしないほうがいいか。



【ヨーヨーヨ!!】

【ヨーヨー!!】

「っと、相手側からも乗り込んで来ようとするやからもいるか。マリーンズ、防衛線を突破されるな!!」

【ヨーヨー!!】


 こちらが乗り込めるようにしているのだから、逆に相手側から攻めてこれるようにもなっている。

 だからこそ、その防衛のためにマリーンズを配置しており、こちらに乗り移られにくい様にグレイ号自身も蛇行走行を行い、大きな揺れを引き起こして足元を崩す。

‥‥‥正直、この蛇行走行も速度低下の一因だが、それでも効果はあるようで、移られる前に相手が海へ落下していく。

 


 何にしてもガンガン攻めつつ、主砲を撃ちつつ時間を稼ぐと、いつの間にか周囲に残っているのはこの三隻だけになっていた。

 どうやら結構他の船が流れ弾などでも着弾して沈没したようで、ギルド対抗戦のはずがプレイヤー同士の対抗戦のような状態になってしまったようだ。


「というか、いつの間にかゴールも見えてきたな」


 互いに争っている間にも進んでいたようで、レースとしての終わりが見えてくる。

 でも、どの船も争い合っていたせいでボロボロになっており、到着か沈没か、どっちが先になるのかわからない状態だ。


「まさか、側面にとりついて自爆する奴もいるとは‥‥‥ロロ、グレイ号の状態としてはどうだ?」

【船体破損度65%‥‥‥ですが、ブースターなどは生きてますので航行に支障はないでしょウ】


 頑丈に作っていても、やはり壊れる時は壊れるようだ。

 お互いにだいぶボロボロになっているので、これ以上の損傷は無さそうだが…‥‥果たして持つかどうか。


「よし、ここは最後の勝負にでよう。全員、船に戻れ!!ラストスパートをかけるぞ!!」


 攻撃していても、これ以上は意味がないと判断してセレアたちを戻す。

 そしてすぐにつないでいたチューブも切り離し、全速力で突き進む用意を行う。


【補助ブースター作動と同時に、メインエンジン最大出力!!凄まじいGがかかりますので、全員何かにしがみついてくだサイ!!】

「わかった!!」

【シャゲェ!!】


 ゴォォォォォっと音が鳴り響き始め、船全体が大きく揺れる。

 次の瞬間、爆発するような音が鳴り響き…‥‥一気に加速した。


ドッゴオォォォォォォォォォォォォ!!


 海面から飛び出しそうな勢いだが辛うじて持ちこたえ、船が勢いよく突き進む。

 後方から馬車や骸骨船も加速した様子が見えるが、ボロボロな状態ではもう遅かった。



―――――

>ゴォォォォル!!魔導戦艦グレイ号がゴールテープを切りました!!

>海上での対抗戦、勝者はプレイヤー「ハル」がつかみました!!

―――――


「よっしゃあ!!」

【バルヒヒィン!!】

【オォォン!!】

【【【ヨーヨーヨー!!】】】


 勝利の音とログが流れ、僕等は勝利の声を上げる。

 割と楽に行けるかもしれないという甘い考えは見事に消し飛ばされたが、どうにかこうにか乗り切れたようで、僕等は見事に乱入者でありながらもこの対抗戦を制したのであった…‥‥



―――――

>勝利したことにより、経験値を獲得しました。

>レベルアップ及び、進化条件を満たしました。『セレア』と『コユキ』の進化が可能になりました!!

―――――


【バルヒヒィン?】

【ユキィ?】

「あ、これでも経験値入ったのか」


…‥‥まさかの嬉しいおまけつきだが、何の進化の道が開けたのかな?



無事に勝利をつかんだら、新しい進化が可能になったようだ。

セレアの場合まだ予想は付きやすいけど、コユキはどういうものになるのだろうか。

楽しみにしつつ、次回に続く!!



‥‥‥もっと激しいバトルをやりたかったけど、やり過ぎたら船が持たない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 本来は空中運用がメインの船ゆえ、ブースターによる加速で瞬間速度は圧倒的にグレイ号が上でしたね
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