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ver.2.5-49 社長命令、全員集合:前編

今回は珍しく、前中後編セット

まとめて書いても大丈夫かもしれないが、少々整頓したくなった

‥‥‥まさかまさか、同僚たちとのゲーム内での会合。社長の決定事項とは言え、ボーナスの額は現実世界では非常に魅力的であり、受け入れる社員は多いだろう。

 とは言え、現実での関係にも影響しかねないので、通常であればゲーム規範などを考えるとアウトな気がしなくもない。



「それでも、参加してしまうのはどうしてか‥‥‥ああ、お金って怖い」


 ある程度無欲だとしても、現実世界で生活している以上、物事には何かとお金も必要になる。何事にもきれいごとが全部通用するわけでもなく、参加を決定する社員はほぼ全員だったようだ。

 だがしかし、一応全員が参加したとはいえ、全てに目が行くわけではない。目立つ人ほど注目を非常に集めやすくなり、自身のアバターを記憶する人は案外いなくなるものなのだ。




 だがしかし、客観的に見て僕の方は目立つ可能性が非常に大きいだろう。何しろ、テイムモンスターたちがまずマリーたちのようなモンスター娘ばかりだし、ハウス内に留守番させたとしてもプレイヤーの姿としては公式PVに混ざっていたりするのでちょっと目に付けられてもおかしくはない。一応今回は留守番してもらっているので、ある程度印象は薄くなるはずである。

 黒き女神のあの姿に関してはバレたくないので隠し通す必要があるが、それに関してはスキルを使用しなければいいだけの話なので、隠しやすくはある。常時女神の姿になるようなことが無くて本当によかった。


 それでも本当に念入りに、この場にいる人たちの記憶に残らないようにするのであれば、より目立つ様な輩がいればいいだけの話で…‥‥




「大地を輝かせ、真っ赤に燃える血潮をたぎらせて大地を照らそう!!太陽のごとき情熱の戦士、レッドのタローン!!」

「その友人にして副リーダー!!頼れるおちゃめな老人として知り合ってほしいのぅ、イエローのミートン!!」

「関係のない会社の集まりに、何故か巻き込まれたが関係ない草花になり切りたい雑草の戦士、グリーンのカックウ!!」

「どーも、お初にお目にかかります、太平のように冷静沈着な海の戦士、ブルーのスッケン!!」

【ブモブモォォ、ブモモウ、ブモオオォゥ!!(※特別カンペ:進化し新たに力を得た、争いを無くすために平和を祈ろう平等の戦士、マッチョン!!)】

「「「「4人と1匹そろって!!欲望戦隊『ミセタインジャー』、メンバータローンの集合に応じてここに見参!!」」」」

【ブモウ!!】


 ドッガカァァンっと相変わらず派手な爆発を背後に響かせながら、名乗りを上げた変態もとい欲望戦隊。

 用意をする前に自ら目立ってくれたようで、存在を風の噂などで知っている人たちならばともかく、まったく知らなかった人たちは驚愕していた。


 いや本当に、ナイスタイミング。まさか太郎丸さんがタローンだったとは思わなかったが、あの戦隊スーツ姿で同僚全員の目の前に現れたかと思えば、いつもの面子が駆けつけて名乗りを上げちゃったよ。完全にこの場の目を引き付けたせいで、全員の印象が薄れたよ。


 馬鹿と鋏は使いようという言葉もあるが、変態と戦隊も使いようという言葉がこの日誕生したように思えてしまったのであった。


‥‥‥そう言えば、マッチョンの持っているカンペを読んで気が付いたけど、本当に進化しているな。鳩の翼が生えて、ちょっと浮いているぞ。なんだあのオーク。





 とにもかくにも、会社の人達だけでのアルケディア・オンライン内の集まりであったはずだが、突然出現した変態欲望戦隊によって、この場の空気はかなり微妙なものになりつつも彼らに目は集中したようだ。テレビで出る様な戦隊ものはピンチの時に駆け付けて助けてくれるイメージはあるが、まさにそのイメージを色々とおかしくさせつつも合わせたようにする姿は流石というべきかもしれない。


【いや、普通に頭のおかしな集団にしか見せませんよネ?】

「正論すぎる‥‥‥」


 心を読んだかのようにロロがツッコミを入れたが、何も言えない。なお、メイドがこの場にいるのもどうなのかと思いたいが、案外使用人システムは同僚たちも利用しているようで、ちらほらとメイドや執事を引き連れている人がいるので、おかしくは無かったりする‥‥‥彼女が一番目立たない状況と言うのも、また珍しいものだ。


 ちなみに、マリーたちは留守番にして彼女だけを連れてきている理由だが、どうも船の改装作業報告のために出てきていたらしい。まぁ、目立たないから良いんだけど‥‥‥船の方は、まだ秘密にね。



「はっはっはっはっは!!どうやらある程度の心ある社員が参加してくれたようだね!!」


 っと、ようやくこの場に到着してきたのは、我が社の社長。


 シルクハットの紳士のような格好をしつつも何となく怪盗っぽい見た目になっている気がしなくもない。本名が毛利権助(もうりごんすけ)だから、名前の一部を合わせて作ったアバター名がモーリン・ウーゴンなのは、もうちょっと考えようがあったんじゃないかなととツッコミを入れたくなる。



 何にしても、社長が出て来たのは良いのだが…‥‥正直、変態戦隊の方が目立ち過ぎたせいで、誰も社長よりも戦隊の方に目を向けてしまう。



「というか、変態戦隊のほとんどが会社と関係ない人なのにこの場にいて良いのだろうか」

【オンラインですからね、他の人達が勝手にこの場に来ても文句の言いようはないのデス。そもそも、グループで集合するならばギルドの方が良いのですが他との掛け持ちができないようになってますし、フリーの状態で集合するからこそ、他の人が来てもおかしくはないのですヨ】


 珍しくロロがちょっと説明してくれるので、ちょっと助かる。でもハウス内からマリーたちがじーっと見ているような気がするのは気のせいだと思いたいなぁ…‥‥



より目立つ人ほどこの場の話題をかっさらいやすい。

皆を留守番させている状況だと、そんなに目立つプレイヤーではないようだ。

そこにちょっと安心を覚えたような気がしなくもないが…‥‥世の中、そんなに甘くはない。

次回に続く!!



‥‥‥戦隊の名乗り方が、ちょっと変わっていたりする。レパートリーは他にもあるが、今回はこれを選択した。


スピンオフを考えてみた時もあったが…‥‥流石にメイドと違って無理すぎた。需要無さそう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 太郎丸さんが戦隊の一員だったとは・・・ 前回の感想の内容を撤回せねば。この戦隊の一員でロリコンって危なすぎるでしょ!世のため人のためにも黒の女神様の手によって魂ごと滅ぼされるべきです。
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