ver.1.0.1-9話 そして案の定、予想はあたりやすくも
ぽっけねこさんと話しつつ、テイム要素に対して運営がどう動くのかと予想していた丁度その時である。
ポッペ~ン♪ペェンポンパンポォォン♪
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>‥‥‥運営からの、ワールドアナウンスが全プレイヤーに向けて一斉に行われました。確認してください。
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「お?」
「噂をすればなんとやら、ちょうど来たようだな」
どういうのが来るのかと話し合っている中で、アルケディア・オンライン内に響く気が抜けるような変な音と共に、ログが急に表示された。
どうやら動いたようなので、確認のために僕とぽっけねこさんはワールドアナウンスとやらを確認する。
―――――
>これより、ワールドアナウンス内のお知らせを記載いたします。
『アルケディア・オンラインを楽しむ全プレイヤーへ告げる!!』
・この度、アップデートによってテイム要素が追加され、本日のこの時点をもってテイムされたモンスターたちへ贈り物がなされます。
・贈り物の内容は『テイムモンスターの印:初回限定版ライトバッジ』です。効果としてはテイムモンスターの全能力及び獲得経験値を本日から2週間の期間限定イベント内だけで1.5倍にいたします。
『イベント開催の告知!!【テイムモンスター大集合フェスティバル!! ~第1回~】
・本日から現実時間で2週間の期間限定初イベントを開催!!
・イベント内容は、テイムモンスターが必要なので、所持していない方は参加できないことをご了承ください。また、期間中にテイムすることが出来れば問題なく参加対象となります。
・詳細としては、あなたのテイムしたモンスターたちをどれだけ魅せることが出来るのかというコンテストになります。スクリーンショットなどで静止画・動画で保存し、運営宛に送ってください。戦闘、装備品などを活用してどのような方法で魅せるのかという、簡単に言えば「うちの子が一番可愛い自慢大会」みたいなものですが、お気軽にどうぞ!!
・参加賞として、テイムを行った方々には各職業に合った特別装備をプレゼントいたします。
・また、今回のイベントで記録を残せば更に商品として様々なアイテムプレゼントを予定しています。
・その他注意事項などは、細かい詳細を載せたメールを参加資格を持つ方々へ送りますので、そちらをどうぞ。その中に、投稿された映像が公開されるサイトもありますので確認してください。
‥‥‥ただしくれぐれも、テイムしたモンスターたちは絶対に愛情を注いであげてください。オンライン内だけの、ただのモノ扱いにされていい存在ではないのですからね。
―――――
「‥‥‥なんか最後の一文がやけに意味深な様な、既にわかっている情報で固められているはずなのに怖くないか?」
「絶対にコレ、期間中にやらかした奴に非常に恐ろしい天罰が下る伏線を張っているよな」
強調されているというか、虐待を許さないような文章を添えられつつも、どうやら本日から2週間イベントが行われるらしい。確認した後にいつの間にかマリーたちの胸元に星型のバッジが装備されており、どうやらこれがライトバッジというもののようだ。結構似合っているかも。
詳しく読めば、要は我が子が一番だというようなアピールをするもののようで、戦闘だとか料理だとか、おしゃれなどでどのように魅せられるのかというのを競うらしい。テイムモンスターがあるゲームだとよくあるモンスター同士を戦わせて勝ち残らせるような類ではなかったが、そのあたりは考えられていたようだ。連携が出来ても、単体での戦闘が苦手な子だっているからね。
「そしてついでに、プレゼント箱が収納されていたけど、これが運営からの参加賞かな?」
「職業ごとに違うというが、自分は『魔法使い』だが、ハルさんは?」
「僕は『錬金術師』だから、多分違うものかな」
職業によって異なるアイテムというので、互いに何が出たのか見せ合い、確認することにした。
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『テイマーロッド』
・制作評価:5
・効果:魔法使いの職業専用、特殊な杖の装備品。イベント期間中は全ステータスが+15、イベント終了後には全ステータス+10される。
『テイマー錬金手袋』
・制作評価:5
・効果:錬金術師の職業専用、特殊な手袋の装備品。イベント期間中は全ステータスが+15、イベント終了後には全ステータス+10される。
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それぞれの職業によって装備自体は異なるが、効果は大体同じらしい。けれどもその効果は現時点では破格なほど+効果が高くなっているようだ。イベント終了後や、アップデートによってはだんだんアイテムの隅に追いやられるただの記念品になりかねないけど、それでもいい代物である。
「見た目としては、どちらもテイマーという事を示すかのように、モンスターのような絵柄が彫られているな」
「ドッグ、キャット、スネーク、バード、スライム、ゴブリン、ゴリラ…‥‥今のところ、テイムできるモンスターを表したのだろうか?」
現時点でテイム可能な種類を載せているのかもしれないが、おしゃれではある。しかし装備品内にという制限ゆえにばらつきはあるらしく、あちこちで装備品を試着した人たちを見るのだが彫られている絵柄の順番や種類が異なっている様子。
おそらくはランダムで決定するだろうし、イベント終了後には良い記念品になるのは間違いない。
「そして戦わせるだけではなく、様々な手段で魅せて写真や動画の投稿か…‥‥面白くなってきたかも」
よくある電気ネズミのゲームのように目と目が合ったらモンスター同士を戦闘させるのではなく、如何にして自分がテイムしたモンスターを魅せるのかというイベントである。
確かにテイムしたモンスターに愛着はわくし、親馬鹿とかペット馬鹿というか、そういう人たちも多くなっている様子なのでこれは激戦が予想される。まぁ、僕も多少は自覚しているけれどね。
何にしても、やはり触れてきたテイム要素に関するイベントが発表され、その日のうちに何十もの、いや、何百もの投稿がされたようであった。
「しかしダンシングとかポージングとかが多いな‥‥‥魅せるといっても動くだけじゃないし、工夫しないと目立てないのかもね」
【シャゲェ?】
すごく目立つ気はないが、魅せたい気持ちはよく分かる。しかし、ブラッディスネークであるマリーをどう魅せるべきか…‥‥悩むな。
魅せるといっても色々とある。
美しさ、カッコよさ、逞しさなどどれでアピールするのか迷うだろう。
さて、マリーに合いそうなのは果たしてどれか‥‥‥
次回に続く!!
‥‥‥、王道か斜め上か。