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第1話『猫好き少年と…ネムコを求める自称賢者』


 何ということはない…

 そう僕は猫が飼いたかっただけ…


 純粋にそう想っていただけ

 

 ナイフを片手に持って、元に戻そう

 としたときに、不思議なささやきが

 聞こえた…


『その熱意を…純粋なる想いを…

 "カタチ"にしろ』

 

 そんな気は無かった。僕は、あの時の

 ラストライブの時のように…


 偶然と自然体で大好きな猫に

 出会いたかった


 けど…

 

 この不思議な囁きと魔力には抗えなかった


 僕は…持っていたナイフで、自分の

 親指を傷つけ、ナイフを元の本棚の上に

 力強く刺して、願った


 猫を…大好きな猫を、ネムコを、もう一度

 この手で…触れたい!隠れているなら、

 この場に来てるなら、あらわれて欲しい


「お願いだ…

 その為なら、僕の"全て"を捧げるよ」


 セタと"一緒に"猫を飼うんだ…。


 僕は気づくと、青白く光り輝く"熱い"

 炎に身を包まれていた…


 どうか悔いのないように…

 全力で、生きよう…


 最後まで


 セタ…。僕は…


 猫を………君と


 一緒に…………。



 ◆



 仮に一つの小説、物語を作るのなら、


「異世界で、猫を飼う。」~現実世界で

 は色々と無理だったので、転生先の異世界

 では猫を飼おうと決心した。


 という副題(サブタイ)の通り

 


 "そのまんま"



 現実世界では「猫」を飼うに至らず、

 "多分"死んでしまったのだろう(※)

 …僕は、転生先で猫を飼おうと決心した


 (※)転移消失も"死"と仮定する場合


 色々と理由はあったが、それは動機を含め

 後で説明するとして…今は転生先異世界の

 "宿"での話し


 孤児であり、拾い子(奴隷)の僕の一日は

 どうやら軟禁されている"自称賢者"の世話

 (対話がメイン)から始まるようだった


 ムラの長いわく、この"馬鹿ムスメの"自称

 賢者は錬金術(怪しげな行いの総称)を使用

 した疑いにより宿の一室に軟禁している、

 とのこと


 反省するまでの期間、と…それは軽い罰で

 あり別に「反省しました…。行いを改めま

 す」と態度と、その後の行動で示せばそれ

 でよいのだが、この賢者はそうはいかない


 何故なら、(少しぶっ飛んだ"繋ぎの"説明で

 はあるが…)僕と同じで"猫好き"だからだ…


 というのも、「猫」はこの"異"世界には

 存在しない。猫に似た動物の"ネムコ"はい

 たが、いつの間にやら、少なくともこの地

 域からはいなくなっていた


 で、賢者は遥か昔に見聞きしたであろう

 人間の嘘がほんとかよくわからない情報を

 もとに、猫的な生物『ネムコ』を創ろう…

 或いは呼び起こそうとしていたらしく…

 その怪しげな実験が見つかってしまった

 わけだ…


 僕は猫について聞いてみると、偶然"賢者

 "の存在が近くにあって…もしかしたら、

 それは名前からして、ネムコでは?となっ

 て話を聞いてみたわけだ


 まあ、そんなわけで…二人だけの"共通"

 の話題が出来て会話が続く


 ・・・


『何で、誰も解ってくれないのか?』と賢者

 は嘆き、僕は、


「…わかります。猫…"ネムコ"は僕もしって

 ます。以前いた場所(世界)で触ったことが

 あります。それはとても、もふもふとして

 温かくモフりやすく…癒やされる存在なの

 です」



『…えっ。そうなのかい?癒やされるのかい

 ?癒やしの効果があるのかい?君の言う

 "モフり"とはいったい何のことだい?』



「えっ…。違うのですか?」

 猫の情報に相違があるようだ。異世界の猫

 …"ネムコ"は別なのか?



『私が聞いていたのは、年を取ると二足歩行

 で歩き、ものすごく生意気な態度で接して

 くるふてぶてしいヤツ…。


 恐らく"私のような知性の塊のような存在

 以外"…絶対に飼いならせない小さな野獣

 である…と一部見聞録には記してあった』



「…まあ、"知性の塊の様な存在が扱える"

 とか…の勝手な脚色は置いておいて。

 個性によってはふてぶてしいところもあ

 るので、その…合ってる部分もあるので

 なんともいえないのですが…」

 

 僕は一呼吸置いてから、高揚感を隠さず

「そんなところが、可愛いんです!」

 と伝えた


 賢者は僕の瞳をじっとみてから、しばし

 目を閉じ考えて


『そうかい…つまりは愛らしい存在で、

 野獣では無いようだね君の話を信じるな

 らば…』



「そうです」



『だったら、ひとつ頼みがある…』



「何でしょう?」



『私は今は動けない。で、その代わりに、

 ネムコ好きの君が"人工楽園(じんこうらくえん)"にいって、

 錬金出来るよう研究を続けて欲しい』


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