危機
「ぐるぁ!!」
俺はそう叫び、モンスター【化け犬】に赤バラの剣を刺した。そして、化け犬は派手に血を吹き飛ばし消滅した。
「かなりその剣も操れるようになってきたんじゃないの。」
と拍手しながらテレシアが話しかけてきた。
「で、ここはどこなんだ!?」
「それは私も分からないわ...まあどうせ元に戻れるでしょ。」
そう、俺とテレシアは突如現れた物体に飲み込められ、謎の洞窟へと転移されていた。しかし、元に戻る方法も分からないからずっとモンスターを倒していたりしていた。
その刹那。
ゴーーーーーーーンという地響きが鳴り、大ウサギのモンスターが出現した。
「!?」
俺は大ウサギのでかさに怯えて一歩も動けなかった。
「ちょっと行ってくるから待ってて!!!」
テレシアはそう言い、大ウサギに突進していった。大ウサギとテレシアの距離はだんだん近くなり、テレシアが愛剣を出し、2回転回り大ウサギの肩に剣をぶつけた。かなりの血が吹き飛び、大ウサギの動きがゆらゆらとなった時、ブス!という鈍い音がなった。
テレシアは後ろにいた、もう1体の大ウサギに腹を蹴り飛ばされた。テレシアは俺が立っていた場所まで吹き飛んできた。
「お、おい!!テレシア、死ぬな!!!」
テレシアの腹の部分は派手にえぐられている。地面に血がだらだらと流れていく。
「うっ...ぐはっ!」
テレシアは口から鮮血が飛び散る。
この状況から俺は回復魔法を使ってあげよう、と思ったが俺は魔法なんか一つも使えない。
どうすればいいんだ!?と心の中で叫んでいると、空が金色に光り出した。俺は謎の人影が近づいてきた。
そして、だんだんその人影の姿を確認した。それは金色の鎧をまとった金髪の美少女だった。
「我が名はヴェルト・シンセスト・ツーだ!!!私は黄金の騎士である!!」
とヴェルト・シンセスト・ツーと名乗った美少女は叫んだ。